

71年の作品で、彼らの最高傑作アルバムです。まずプロデューサーがTodd RundgrenとGeorge Harrisonという事で、ポップの魔術師による魔法がかかった作品であります。そしてGeorge Harrisonがゲストに呼んだミュージシャンがLeon Russell、Bobby Diebold、Klaus Voorman、そしてアコーディン奏者のBill Collinsという顔ぶれであります。そしてこれだけのバックアップに負けないくらいバンドも良い曲を書いているという事が一番大きいと思います。
1. Take It All
2. Baby Blue
3. Money
4. Flying
5. I'd Die Babe
6. Name of The Game
7. Suitcase
8. Sweet Tuesday Morning
9. Day After Day
10. Sometimes
11. Perfection
12. It's Over
13. I'll Be The One
14. Name of The Game (earlier version)
15. Baby Blue (U.S. single mix)
16. Baby Please (previously unreleased)
17. No Good At All (previously unreleased)
18. Sing For The Song (previously unreleased)
このアルバムからはDay After Dayというヒット曲が生まれています。パワーポップになろうとしているバンドにTodd RundgrenとGeorge Harrisonがいい感じで憂いを与えるトリートメントを施しています。サザンロックの影響も出てきていたという事もあって、Leon Russellなどのエッセンスは絶妙です。これまではポール的な曲を創っていたのがジョージっぽい曲を創っているのは笑えますが、かなりひねくれポップになっています。
イギリス的なポップ感覚というのは独特なもので、それがブリットポップというものになっていくのですが、国によって子供の頃に聴いていた曲は違いますから、そういう影響も大きいと思います。それに加えてサザンロックブームでアメリカ的な感覚を持ち込む事で、より複雑にひねくれてくる訳です。そういう訳で70年代前半のイギリスには隠れた名作が沢山ありますので、発掘する楽しみになります。このアルバムも当時は売れていましたが、今ではマニア好みになっているのではないでしょうか。私は個人的には前作の方が好みですが、彼らの最高傑作であり、これも歴史的な名盤であります。
Take It All