アップルレコードに所属していたアーティストとして、一時的に所属していたミュージシャンが多くいます。何といってもアップルの寿命は短かった為ですが、イギリスではインドからの移民が多く住んでいて、ジョージハリソンはインドのヒンズー教に傾倒し、インド
音楽にまで手を出します。それが後のラーガロック、
サイケデリックへと結びついていくのですが、彼がシタールの師と仰いでいたのがこのラヴィシャンカールです。このアルバムはまだアップルに所属する前、インドで録音された56年のアルバムです。
1. Raga Jog
2. Raga Ahir Bhairav
3. Raga Simhendra Madhyamam
ラヴィシャンカールの作品はジョイントも含めて膨大な数が存在するので、どれを紹介すべきか迷うのですが、出来るだけ彼のリーダースタジオアルバムに焦点を当てたいと思います。最近ではNorah Jonesの実の父親として有名ですが、インド
音楽を世界に広めた偉大な功労者であります。このアルバムはタイトルのようにThree Ragasと言う事でトリオ編成で演奏されています。SitarがRavi Shankar、Tabla のChatur Lal、Tambura のPradjot Senの三人です。
古典的なインド
音楽は宗教様式に縛られていて、この延々と続くかのようなドローンサウンドにまるでアドリブのような演奏に聴こえますが、音階や曲の構成など、厳格な形式に乗っ取って演奏されています。ラヴィシャンカールの場合は、世界的に親しめるように大分その形式を崩していく事もありますが、この時代はまだ形式を重視しています。しかし、各楽器のソロがあったりして、東洋
音楽らしい演奏になっています。アドリブ、即興と言うのはアジアから広まっていった演奏法なのです。西洋では楽譜通りに弾きたがる傾向があるのですが、クラシックにしても、ソロを入れたり、アドリブで演奏させる事もあって、それはアジアから来たジプシーやボヘミアンの影響によるものです。西洋
音楽のように明快に分かり易い
音楽ではありませんので、馴染むのには時間がかかるかもしれません。
Raga Jog