60年のAnuradhaと言う作品をリリースしていますが、廃盤のようなので62年のこのアルバムを紹介します。インド
音楽を世界的に広めようと企画された作品です。インドはかなり広い国で、様々な部族の闘争の末に統一された国家なので、言語も複数存在しますし、
音楽も様々な形式が存在します。しかし大きく北インドと南インドの
音楽に識別されています。シャンカールは北インドの
音楽を習得しています。
1. Tabla Solo in Rupaktai (7 Beats)
2. Suite for Two Sitars & Indian Folk Ensemble (Part One)
3. Suite for Two Sitars & Indian Folk Ensemble (Part Two)
4. Drum Duet in Adi Tala (8 Beats)
5. Meditational Raga of Northern India
様々な形式が定められながらも、その日の場所や天候などによって演奏形式が変更されます。つまり、同じような
音楽は滅多に演奏されないのです。アドリブもありますので、その時の演奏者のフィーリングに委ねられる部分も多いのです。そうした中で、分かり易い形式による曲を紹介しています。インド
音楽は宇宙と繋がるような意識をもっていて、それを宗教行事や政治の行事に表現する宮殿的な音楽と民衆に中に広まっている音楽とがあり、ここでは民衆の中に生まれた音楽も紹介されています。
民衆の中で生まれた音楽は形式ばっておらず、ポップだったりします。それはどこの国でも同じでありましょう。そしてよくラガという名称が使われますが、これは音階などの旋法を表現する形式です。民族音楽はそのほとんどがモード形式で演奏されます。コード進行に左右されず、決められた音階ならどの音を発しても良いものです。これは民族楽器のほとんどが単音演奏をするもので、和音を演奏する楽器はピアノやハープシコードが登場するまではあまりありませんでしたので、自然とモード奏法になっていったものです。これにより、より自由なアドリブが可能になっているのです。そういう理屈を踏まえた上で聴かないとインド音楽は捉えきれないような所があります。感じるだけでも良いのですが。
Tabla Solo in Rupaktai (7 Beats)