64年の作品です。インド
音楽と言うのは、ポップスに慣れ親しんでいる人にとっては異質なもののように感じるかもしれません。しかし、このアルバムで演奏されている
音楽にはドラマティックな情景を感じ取る事が出来ると思います。まるでプログレッシヴロックのように物語をつぐむように場面展開が成されています。
1. Tala Rasa Ranga
2. Dhun
3. Tabla - Dhwani
4. Song From The Hills
5. Tala - Tabla Tarang
6. Gat Kirwani
7. Raga Multani
当時の人にとっては難解な
音楽だったかもしれませんが、サイケもプログレもワールドミュージックも聴き慣れ親しんでいる現在の耳で聴けば、それほど難解ではない、分かり易い構成になっていると思います。印象派のようなクラシック
音楽のようでもあり、難しい形式の法則など分からなくても、感じ取り易い構成になっていると思います。世界にインド
音楽を広める上で、シャンカールはそういう
音楽を選ぶようになっています。
ただ演奏技術をひけらかすだけの演奏ではありません。何かを伝えようとしている意志を感じさせる音楽です。勿論もの凄い演奏を奏でています。このリズムをドラムで代用するのは難しいですが、シタールに関してはギターでも代用出来る共通点があります。こうした想像性がロックフォーマットに置き換えられて
サイケデリックやプログレへと進化していくのです。ロックとは何と飽食な事か。あらゆる刺激を吸収しながらも自分のものとしていくのです。そういう過程を知っているからこそ、こういう作品も楽しめると思います。
Tala Rasa Ranga