65年の作品です。タイトル通り、シタールのみの演奏です。リズムが無いのでこれまでの作品よりも形が見えにくいと思います。多くの倍音を含むドローンサウンドに金属的な弦の音。シタールはフレット部分は金属であり、ピッキングも金属製のサムピックみたいなものをはめてつま弾きます。ですからギター以上に金属的な音がします。
1. Raga Malkouns: Alap
2. Raga Malkouns: Jor
3. Tala Sawari
4. Pahari Dhun
民族
音楽の弦楽器としては三味線や馬頭琴、琵琶、琴などがありますが、それらよりもより複雑な演奏ができますので、民族楽器の中でも近代的な楽器だと思います。そしてチョーキングにより、クォーター音までもコントロールして演奏しますから、かなり音感がとフィーリングを鍛え上げないと難しい楽器だとも思います。例えばギターはフレットを普通に押さえれば、チューニングが狂っていなければ、音程をキープする事は出来ますが、バイオリンはある程度の音感がなければ音程をキープするのは難しいと思います。
一番分かり易いのは歌で、音程をキープ出来なければ音痴と言われてしまいます。この音がEだと意識して歌える人はかなりの熟練だと思います。つまり、音痴な人ではシタールの演奏は難しいのではないかと思います。それらしく弾く事は出来ると思いますが、規則が厳しいインド
音楽では少しでも音を外せば別のものになってしまいます。そういう事を考えるだけでもシャンカールの演奏力の凄さが分かると思います。特に今作は他の楽器が入っていませんので、余計わずかなミスも目立ってしまいます。しかし、聴く方は難しい事を考えずに、その美しい響きに酔いしれれば良いと思います。
Raga Malkouns: Alap/Jor