

74年のアルバムで、プロデュースはついにジョンレノンであります。ちょうどジョンにとっては失われた週末の頃で、ヨーコと離れて暮らさなければならなかった時期に、寂しさを紛らわす為に、仲間達と夜な夜な飲んだくれていたは毎晩騒いでいた頃で、その酒の勢いのまま飲んだくれ仲間でレコーディングされたようなアルバムです。アレンジは思いっきりマイドゲームからロックンロール辺りのジョンレノンの作品に似ています。
1. Many Rivers To Cross
2. Subterranean Homesick Blues
3. Don't Forget Me
4. All My Life
5. Old Forgotten Soldier
6. Save The Last Dance For Me
7. Mucho Mungo/Mt. Elga
8. Loop De Loop
9. Black Sails
10. Rock Around The Clock
11. Bonus Track: Down By The Sea
12. Bonus Track: The Flying Saucer Song
13. Bonus Track: Turn Out The Light
14. Bonus Track: Save The Last Dance For Me
その飲んだくれ仲間、Ringo Starr 、Keith Moonが参加しています。後これにエルトンジョンも加えると手のつけようが無いくらいの飲んだくれ集団になります。その他のミュージシャンはKenny Ascher、Jesse Ed Davis、Chuck Findley、Jim Keltner、Klaus Voormannなどなど、いつもの豪華なメンバーになっています。ジャケットにもジョンレノンは登場していて、ほとんどジョンレノンの趣味で出来上がってしまったようなアルバムであり、ボブディランやジミークリフのカバーがあったりします。
ジョンレノンファンにとっては面白い作品なのですが、ニルソンファンにとっては、なんてことしてくれたんだ、みたいにニルソンらしからぬ作品になってしまっています。酒ヤケでとうとう声はガラガラ声になり、ジョンレノンみたいに叫びまくっています。飲み仲間との悪ふざけの延長にしてはしっかりアレンジされていますし、新しいニルソンの魅力の発掘とも言えるのですが、ここからファンは慣れが始まって、早くも人気のピークは落ちていきます。それでもこの時期だからこそ成し得た奇跡的で記録的な作品であると思います。やっと二人の天才が交わったのはいいが、少し酔っぱらっているのはいなめません。
Many Rivers To Cross