

83年のアルバムです。この作品からシンセによる打ち込みを大胆に導入します。それと同時に売り上げが一気に下がっていきます。それは全盛期の終わりを告げるものですが、
音楽的な内容は一つも劣っていなくて、これまでのアレンジ構成をそのまま打ち込みでやっているので、曲のテンポが早くなっていたり、めくるめくような構成になっています。エレクトリック
ファンクと言う事ではかなりレベルの高い内容になっています。
1. Fall In Love With Me
2. Spread Your Love
3. Side By Side
4. Straight From The Heart
5. The Speed Of Love
6. Freedom Of Choice
7. Something Special
8. Hearts To Heart
9. Miracles
Fall In Love With Meはシングルヒットしましたが、Side By SideとSpread Your Loveはそこそこのヒットで終わっています。シンセでブラスパートを創ったりしていますが、生ホーンも組み合わせてエレクトリックな部分と生演奏のグルーヴを組み合わせているので、それほど機械的になった感じはしません。シンセベースはこれまでも使用していましたし、不評な部分と言うのはおそらくデジタルシンセの音色だと思います。所謂80年代特有の音の薄っぺらなデジタルシンセがバッキングで使われている為にチープな感じがする所だと思います。
出始めの頃のデジタルシンセは音色を重ねるレイヤーが少なかったので、どうしてもアナログシンセの音の厚みに比べて平べったい感じがするのです。しかしアナログシンセのように急に機嫌が悪くなったりしませんし、プログラミングですぐに任意の音色を呼び出せると言う使い易さがあり、80年代はその薄っぺらいけど、音が綺麗なデジタルシンセ音が氾濫していました。たとえばオルガンを使っていた頃は独自性を出す為にエフェクト処理で個性的な音を創ったりしていましたが、音が綺麗で沢山の音色を持っているデジタルシンセに工夫を加えないまま世に出すミュージシャンが多かったので、余計不評だったと思います。それ以外の部分はいつものEW&Fです。全盛期と何ら変わりません。
Fall In Love With Me