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[20140430]

Solo PianoSolo Piano
(1989/08/07)
Philip Glass

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89年のピアノ曲です。複雑なアンサンブル作品が多くなっていたのですが、グラス自身がソロ楽器の演奏を楽しむようになり、ピアノだけの作品を創ろうと言う気分にないます。演奏も彼自身、作曲者が演奏する事で、一人旅に出かけたような気分になれるという趣旨のものです。

1. Metamorphosis: Metamorphosis One
2. Metamorphosis: Metamorphosis Two
3. Metamorphosis: Metamorphosis Three
4. Metamorphosis: Metamorphosis Four
5. Metamorphosis: Metamorphosis Five
6. Metamorphosis: Mad Rush
7. Metamorphosis: Wichita Sutra Vortex

ミニマルと言えるような反復もありますが、ミニマルと言えないほど変化のある音楽です。そして驚くほどパッセージが速いです。速いアルペジオを濁さずに弾ききるグラスも演奏家として素晴らしいと思いますが、流れが水の流れるように演奏されていて、これを打ち込みで再現するのは一苦労するくらいアクセントや強弱、速度がたゆまなく変化しています。

これは現代音楽という類いのものではなく、リックウェイクマンのニューエイジ作品のような雰囲気を持っています。右手でアルペジオを弾いていますが、これが恐ろしく速い。そしてベース音を弾いていた左手もいつしかアルペジオになって、右と左のアンサンブルが完結するような事の繰り返しですが、音を追っていないとまるで四本手があるように聴こえます。しかし、この曲のタイトルはソロピアノなのです。一台のピアノで、一人の演奏者による音楽なのです。

Solo Piano
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[20140429]

Powaqqatsi (1988 Film)Powaqqatsi (1988 Film)
(1995/11/10)
Nonesuch/wea

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88年の作品で、これも映画音楽です。カッツィ三部作の第二弾になります。ゴッドフリー・レジオ監督による自然と文明のあり方を説いたドキュメンタリー映画で、舞台がアジア、アフリカの新興国、途上国と西洋諸国と世界中を映し出しているので、音楽も民族音楽的な要素をふんだんに使っています。

1. Serra Pelada
2. The Title
3. Anthem - Part 1
4. That Place
5. Anthem - Part 2 3
6. Mosque and Temple
7. Anthem - Part 3
8. Train to Sao Paulo
9. Video Dream
10. New Cities in Ancient Lands, China
11. New Cities in Ancient Lands, Africa
12. New Cities in Ancient Lands, India
13. The Unutterable
14. Caught!
15. Mr. Suso #1
16. From Egypt
17. Mr. Suso #2 with Reflection
18. Powaqqatsi

オープニングはいきなりラテンのリズムとコーラスで始まり、これまでの作風とは違うイメージになりますが、徐々にいつものグラスの世界が現れてきます。しかし、オーケストラと電気楽器の使い分けが絶妙になっています。もはやミニマルミュージックと呼ぶべきではなく、壮大なプログレッシヴロックの世界であり、現代に流通している全ての音楽を駆使したスケールのでかい音楽世界であります。

世界には近代的な都市もあり、発展途上の国もあり、宗教を重んじていたり、軽んじていたり、それら全ての生活が毎日この地球上で行われており、どれが良いとか、悪いとかではなく、共存している事を認識し、自然の恩恵に感謝したり、無視したり、毎日の日常では鈍感になっている部分を感じ取れる映画になっていると思います。そして音楽もこれまでに無いくらい多彩な表現で、新境地を開いた作品になっていると思います。

Powaqqatsi

[20140429]

1000 Airplanes on the Roof1000 Airplanes on the Roof
(1992/07/01)
Philip Glass

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88年の作品です。空想科学小説音楽ドラマという、近未来を描いたDavid Henry Hwangによるストーリーを映画いた音楽です。特長的ななのは、これまで生演奏にこだわっきた現代音楽家の中で、タブーを破って、シンセサイザーによる打ち込みを実施している所です。近代的な感じを表現するには機械による演奏が良いと判断したのでしょうか。

1. 1000 Airplane On The Roof
2. City Walk
3. Girlfriend
4. My Building Disappeared
5. Screens Of Memory
6. What Time Is Grey
7. Labyrinth
8. Return To The Hive
9. Three Truths
10. The Encounter
11. Grey Cloud Over New York
12. Where Have You Been Asked The Doctor
13. A Normal Man Running

リンダロンシュタットがハミングで参加しています。グラスの音楽は変拍子が少なく、コード進行も普通にあるので、現代音楽というよりニューエイジミュージックのような感じもあるのですが、そういうオーソドックスな流れの中での構成力にあると思います。現代音楽という枠組みの中だけでなく、ロックなどのポップスの手法もこだわり無く使っていく。そして古典的なクラシックの手法もあったりするが、クラシックという聴こえ方はしない、そこがグラスなのです。

アカデミックなクラシック音楽も学んでいましたが、そこに興味を示さなかったグラスはミニマルの手法に興味を覚え、やがて自分の好きなように曲を創っていく。自分がやりたい事を、何かにとらわれたりせずに創りだす。それこそがグラスなのです。ですからロックファンが聴いても違和感無く聴く事が出来ます。どこかヴァンゲリスとの共通点も感じられます。

1000 Airplanes on the Roof

[20140429]

Mishima: A Life In Four Chapters (1985 Film)Mishima: A Life In Four Chapters (1985 Film)
(1996/03/22)
Philip Glass

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84年の作品で、アメリカと日本の合作映画のサントラです。三島由紀夫を題材にした映画で、監督はポール・シュレイダー、製作総指揮はジョージ・ルーカスとコッポラです。三島由紀夫役は緒形拳、4幕で構成されていて、一幕が美、Temple of the Golden Pavilion、二幕が芸術、Kyoko's House、第三幕が行動、Runaway Horses、第四幕が文武両道では三島事件を描いたシークエンスと、フラッシュバックのシークエンスが流されます。

1. Mishima/Opening
2. November 25: Morning
3. 1934: Grandmother & Kimitake
4. Temple Of The Golden Pavilion ('Like Some Enormous Music')
5. Osamu's Theme: Kyoko's House
6. 1937: Saint Sebastian
7. Kyoko's House ('Stage Blood Is Not Enough')
8. November 25: Ichigaya
9. 1957: Award Montage
10. Runaway Horses ('Poetry Written With A Splash Of Blood')
11. 1962: Body Building
12. November 25: The Last Day
13. F-104: Epilogue From Sun And Steel
14. Mishima/Closing

日本ではなぜか公開されておらず、映像作品もリリースされていません。三島由紀夫の遺族による強い反対があるのだそうです。沢田研二や烏丸せつこ 、倉田保昭など、現在ではあり得ないような豪華なキャスティングにも関わらず、日本では見れないと言うもったいない映画であります。音楽的にはいつものグラスの壮大なミニマルオーケストレーションであり、時にはロックバンド形式の演奏もあったりします。

ミニマルというより、シーケンスの連続のような手法はいつもの通りですが、日本的な部分もありますが、あくまでも西洋から見た日本のようなイメージです。特に三島由紀夫という人物は、西洋から見るとロック的な人物像のようで、そういう音楽的な表現になっています。当時の日本の厳粛な感じも表現されていて、緒形拳の鬼気迫る演技とともに面白い映画になっていますが、映像は輸入版で見るしかありません。

Mishima

[20140429]

Koyaanisqatsi (1998 Re-recording)Koyaanisqatsi (1998 Re-recording)
(2001/01/22)
Philip Glass

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82年の作品で、映画のサウンドトラックとして製作されました。この作品によりグラスの名前はより多くの人の知る所となりました。そしてここから映画音楽を数多く手がける事となります。私も浜辺のアインシュタインとこの作品により彼を知る事となり、現代音楽への興味が湧くようになります。映画も当時の深夜放送でテレビでも見る事が出来ました。監督はゴッドフリー・レッジョで、台詞無しのドキュメンタリー映画で、アメリカ国内の都市風景と自然景観をスローモーションと微速度撮影を交え、自然破壊がいかに行われているかを映し出しています。

1. Organic
2. Cloudscape
3. Resource
4. Vessels
5. Pruit Igoe
6. The Grid
7. Prophecies

この映画に興味を持ったのはコッポラが関わっていて、製作には関わっていませんが、この映画を世間に知らしめるためにできることがあれば力を貸したいと彼の名前をクレジットさせているのです。映画も音楽も当時は斬新なもので、前衛的な作品として捉えられていましたが、言わんとしている事はしっかりと伝わってくる映画だと思います。カッツィ三部作の第一弾でもあり、他にポワカッツィ、ナコイカッツィが後で創られます。

コヤニスカッツィとはホピの言葉で常軌を逸し、混乱した生活。平衡を失った世界という意味です。ミニマルミュージックでもありますが、それほどかっちりしたミニマルではなく、オーケストレーションの中にシンセサイザーが含まれている事でロックファン、特にプログレファンには入り込み易い音楽だと思います。当初のサントラ盤は短めに編集されたものでしたが、98年に納得のいく内容でリメイクされています。メディアの評価というより、世間一般的な評価により、この作品はグラスの名前を広めていくきっかけとなった彼の代表作となりました。

Koyaanisqatsi
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[20140428]

AkhnatenAkhnaten
(1990/10/25)
Philip Glass

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83年の作品で、これもオペラとなっています。アイデアの力で生きている世界を変えた男のオペラ三部作の第三番目の作品です。題材はエジプトの最初の一神教であったファラオAkhnatenです。エジプトの宗教的な内容であり、アクエンアテンによる詩が英語、ヘブライ語、アッカド語で語られていきます。

ディスク:1
1. Akhnaten: Act 1, Prelude: Refrain, Verse 1, Verse 2
2. Akhnaten: Act 1, Prelude: Verse 3
3. Akhnaten: Act 1, Scene 1: Funeral of Amenhotep III
4. Akhnaten: Act 1, Scene 2: The Coronation of Akhnaten
5. Akhnaten: Act 1, Scene 3: The Window of Appearances
6. Akhnaten: Act 2, Scene 1: The Temple
7. Akhnaten: Act 2, Scene 2: Akhnaten and Nefertiti
ディスク:2
1. Akhnaten: Act 2, Scene 3: The City. Dance (Beginning), Narration: The City
2. Akhnaten: Act 2, Scene 3: The City. Dance (Conclusion)
3. Akhnaten: Act 2, Scene 4: Hymn
4. Akhnaten: Act 3: Year 17 and the Present - Akhetaten, Scene 1: The Family
5. Akhnaten: Act 3: Year 17 and the Present - Akhetaten, Scene 2: Attack and Fall
6. Akhnaten: Act 3: Year 17 and the Present - Akhetaten, Scene 3: The Ruins
7. Akhnaten: Act 3: Year 17 and the Present - Akhetaten, Scene 4: Epilogue

これもミニマル作品でありますが、グラスの場合、ライヒのように変拍子は使わず、そしてコード進行があるので、普通の曲のように聴こえるのが特長です。ミニマルと言う事を気にしなくても聴く事が出来るのです。そもそもミニマルはワンコード、もしくはツーコードくらいの反復音楽の方がランニングハイ効果を得易いのですが、グラスはその効果よりも音楽的な面白みを追求しているように感じます。

CDでは2枚組なので、これまでの作品よりも短めです。オペラなのに歌よりも語りと言うのが変であり、舞踏というより創作ダンスのようであり、これもミニマルと言う概念からのオペラの特長なのでありましょう。もしくはカットアップ的なフレージングの繰り返しなど、単約的な旋律の断片を並べているような音楽でありますが、それが総体的な集合体になると一つの音楽として完成されていると言う手法になっています。

Akhnaten 1
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[20140427]

PhotographerPhotographer
(1988/04/13)
Philip Glass

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82年の作品で、これもオペラになっています。初めて連続写真を撮った写真家エドワード・マイブリッジが奥さんの愛人を射殺し、その後無罪になると言う人生を送るのですが、奥さんが亡くなった後、その奥さんと愛人の間に生まれた子供を育てています。彼の人生を描いたオペラになっています。

1. The Photographer: ACT I: 'A Gentleman's Honor'
2. The Photographer: ACT II
3. The Photographer: 'A Gentleman's Honor' (Instrumental)
4. The Photographer: ACT III

これもミニマルミュージックですが、グラスが創るミニマルは、反復によるランニングハイのような高揚感は感じられません。それだけ複雑な構造にしてしまっているのです。変化が多いので反復の回数も少なく、すぐ変化させていきます。それにより、どちらかと言うとプログレのような曲に仕上がっています。そういう事もあって、ロックファンにも広く紹介されていました。

ジャケットにもあるような連続写真のフィルムは、まるでミニマルのフレージングのようにも感じ取れます。そこでグラスの手法が活かされてくるのです。グラスもライヒ同様、題材とするテーマがユニークです。そしてロックに近い感覚で創られていると言うのも、時代的な背景によるものでしょうか。これまで紹介してきた現代音楽家はアイデアを実現する事に執着していて、音楽的な完成度には至っていませんでしたが、ライヒとグラスは音楽的にも完成度を高め、そしてグラスの場合は、それに付け加えてオリジナリティーが豊かだと思います。

Photographer

[20140426]

GlassworksGlassworks
(2003/03/10)
Phillip Ensemble Glass

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82年の作品です。これまでのグラスの手法をより分かり易く、シンプルに表現した作品です。折しもニューウェイヴの時代であり、ロックファンにも彼の名前が届くようになった要因として、このような簡潔な作品をリリースしていた事があげられましょう。ミニマルミュージック、及びアンビエントな内容になっています。

1. Opening
2. Floe
3. Islands
4. Rubric
5. Facades
6. Closing

ニューウェイヴ、もしくはテクノ時代であり、その原点ともなったデヴィッドボウイのロウなどの作品にも影響を受けているグラスですから、既存のピアノのような楽器を使いながらもテクノな響きを生み出しています。テクノの多くはライヒの方に影響を受けていますが、グラスも同じくライヒと親交があり、その影響を受けていて、それをロックミュージシャンやテクノミュージシャンと同じスタンスで現代音楽をつくっているので、とてもロック的な解釈になっていると思います。

シンセによる高速シーケンスなど、テクノというよりプログレですが、コード構成はシンプルなので、アルペジオシーケンスのようになっていて、テクノと共通する部分があります。ただし、グラスのような現代音楽においては生演奏する事に意義があるようで、打ち込みではありません。それだけ演奏家に対する試練は厳しい指示になっています。このアルバムはロックファンには一番親しみ易い内容になっていると思います。

Glassworks

[20140426]

SatyagrahaSatyagraha
(1987/05/21)
Philip Glass

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80年の作品で、サンスクリット語によるオペラです。マハトマ・ガンジーの南アフリカで暮らしていた半生を描いています。音楽的にはクラシックのようですが、ミニマルの反復フレージングで成り立っています。これもCD3枚組になっています。第三楽章からなっており、第一楽章がLeo Tolstoy、第二楽章がRabindranath Tagore、第三楽章がMartin Luther King, Jr.となっています。

ディスク:1
1. Satyagraha: Scene 1
2. Satyagraha: Scene 2
3. Satyagraha: Scene 3
ディスク:2
1. Stayagraha: Scene 1
2. Stayagraha: Scene 2
3. Stayagraha: Scene 3
ディスク:3
1. Satyagraha: Part 1
2. Satyagraha: Part 2
3. Satyagraha: Part 3

世界を変えた男三部作の第二弾で、マハトマガンジーを題材にしています。娯楽のオペラというよりも、儀式などの宗教色の強い演出になっています。かなり重厚なオーケストレーションで、音楽だけ聴いている分にはクラシックとして認識しても良いのですが、細かい演出が現代音楽ならではのもので、やはり過去には無かった音楽であります。

ガンジーが南アフリカで、奴隷として扱われている同胞達を守るべく立ち上がる、独立に向けての原点となっている部分でありますから、かなり力強い表現になっています。題材も演出も現代ならではのものであり、タイトルのSatyagrahaはガンジーの概念である不公平、非暴力的な抵抗を表しています。グラスはラヴィ・シャンカールとも親交があり、インド文化にも影響されている部分があるようです。

Satyagraha

[20140426]

Einstein on the BeachEinstein on the Beach
(1993/10/26)
Philip Glass、 他

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続きましてはフィリップグラスです。彼も後発の現代音楽家ですから、近代的な解釈の作品になっています。初期の頃はミニマルに傾倒していましたが、徐々に複雑な作風になっていきます。初期の頃の作品はまとめられたものが少なく、この76年の作品、浜辺のアインシュタインから紹介していきます。

ディスク:1
1. Einstein On The Beach: Knee 1
2. Einstein On The Beach: Train 1
3. Einstein On The Beach: Trial 1: Entrance
4. Einstein On The Beach: Trial 1: 'Mr. Bojangles'
5. Einstein On The Beach: Trial 1: 'All Men Are Equal'
6. Einstein On The Beach: Knee 2
ディスク:2
1. Einstein On The Beach: Dance 1
2. Einstein On The Beach: Night Train
3. Einstein On The Beach: Knee 3
4. Einstein On The Beach: Trial 2 - Prison: 'Prematurely Air-Conditioned Supermarket'
5. Einstein On The Beach: Trial 2 - Prison: Ensemble
6. Einstein On The Beach: Trial 2 - Prison: 'I Feel The Earth Move'
ディスク:3
1. Einstein On The Beach: Dance 2
2. Einstein On The Beach: Knee 4
3. Einstein On The Beach: Building
4. Einstein On The Beach: Bed: Cadenza
5. Einstein On The Beach: Bed: Prelude
6. Einstein On The Beach: Bed: Aria
7. Einstein On The Beach: Spaceship
8. Einstein On The Beach: Knee 5

これはフィリップによるオペラ作品ですが、ライヒ同様普通のオペラにはなっていません。CDで3枚組の大容量です。シンセサイザーなどの電子楽器も使用しており、高速なミニマルの連続になっている部分もあります。ライヒよりも極端な解釈で作曲されているので、ライヒほど親しみ易くはないと思いますが、現代音楽というカテゴリーで一番名前が知られている人だと思います。

アイデアの力で世界を変えた男についてのオペラであり、それがアインシュタインなのであります。現代的なオペラですので、ミュージカルと言っても良いのでしょうが、あくまでもオペラと銘打っています。音楽的には高速なフレージングがアグレッシヴに連なっていきます。プログレッシヴであり、かなり挑戦的な音楽だと思います。

Einstein on the Beach

[20140426]

Double Sextet/2x5Double Sextet/2x5
(2010/09/17)
Steve Reich

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2007年のDouble Sextetと2008年の2x5が収められています。Double Sextetはピューリッツァー賞を受賞していて、ライヒ自身も最高傑作の一つに掲げている自信作です。2x5はロックバンド形式によるロック調の曲です。どちらもダブル編成、もしくはテープによるダブル演奏となっています。形式もどちらも三部形式でFast 、Slow、Fast と同じ進行になっています。

I. Double Sextet:Fast
2. II. Slow
3. III. Fast
4. 2x5:I. Fast
5. II. Slow
6. III. Fast

Double Sextetはフルート、クラリネット、ヴィブラフォン、ピアノ、バイオリン、チェロという構成の六重奏のダブル形式になっています。どちらの曲もこれまでのライヒの手法を活かしながらも、オーソドックスな形式に当てはめる事で分かり易く明快な音楽になっています。実験音楽の要素が強かった初期の頃の現代音楽から熟成された現代音楽として、より完成されたものになっています。

2x5はキングクリムゾンのようなプログレッシヴロックのようですが、クリムゾンの法が彼の影響を受けているので、ライヒがロックをやれば自然とこのような形になるのでしょう。クリムゾンもこの形式に影響されたのか、ダブルトリオ編成だった事があります。ダブルによる対位法、もしくはフェイズ効果なども含めた上でのアンサンブルになっています。しかし、オーソドックスなだけに演奏者の力量によって出来具合の差が感じられます。演奏者も指定するべき音楽かもしれません。

Double Sextet:Fast
⇒ 続きを読む

[20140425]

Daniel VariationsDaniel Variations
(2008/04/21)
Steve Reich、 他

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2006年の作品で、パキスタンでイスラム原理主義者らによって処刑されたウォールストリートジャーナルの記者、ダニエル・パールの父親がスティーブ・ライヒに「息子の記憶のために曲を書いて欲しい」と依頼したもので、旧約聖書の「ダニエル書」にもちなんで製作されています。ソプラノとテノールのコーラス、 クラリネット 、4 台のピアノ 、 弦楽四重奏と打楽器で構成されています。

1. I saw a dream
2. My name is Daniel Pearl
3. Let the dream fall back on the dreaded
4. I sure hope Gabriel likes my music, when the day is done

宗教と言う名を借りた殺人。正しいと思う事が違うだけで、違った価値観が生まれ、そして神と言う名の下で人を処刑する。そんな理不尽な現実に対する悲しみにも似た旋律。宗教的な音楽のようでありながら、しっかりとライヒらしいボイシングでハーモニーが創られています。刻まれるリズムはピアノによるミニマル

ゆったりとしたコード構成の分割。間合いを置いた分担で緩やかなハーモニーが物悲しい感じがしますが、清々しいほどの透明感を持っています。ダニエル・パールと言う人がどういう人かは知りませんが、ライヒによるイメージがこういう音楽を生み出したのでしょう。晩年のライヒは、このような宗教も含んだ社会的なテーマが多くなっています。そのテーマによって音楽に意味を持たせ、無機質になりがちなミニマルに命を吹き込んでいます。

Daniel Variations

[20140424]

You Are (Variations)You Are (Variations)
(2005/11/07)
Steve Reich、 他

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2004年のYou Areと2003年のCello Counterpoint が収められています。You Areは室内楽と声楽によって構成されています。時代も時代ですからPro Toolsでレコーディングされています。今とほぼ同じ環境でのレコーディングと言う事です。四つの構成から成り、哲学者、ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの詩から言葉を引用しています。言葉のイントネーションから曲を創ると言うのもライヒの常套手段であります。

1. You Are Wherever Your Thoughts Are
2. Shiviti Hashem L'Negdi (I Place The Eternal Before Me)
3. Explanations Come To An End Somewhere
4. Ehmor M'aht, V'ahsay Harbay (Say Little And Do Much)
5. Cello Counterpoint

Cello Counterpointはカウンターポイントシリーズで、チェロとテープによる対位法でのミニマルミュージックです。既に21世紀になってからの作品ですから、サンプラーも活用しますし、原始的な初期の頃の現代音楽とは違って、実験的な部分だった手法も当たり前になってきています。しかも、昔はテープ編集で苦労していたのが、サンプラーやパソコンで簡単に編集出来るようになっています。

ですから電気的な部分とオーケストラとの組み合わせも自然に行えるようになっていますし、ライヒにとって工夫する所はより音楽的な所に向いていると思います。クラシックの手法にもこだわっておらず、ジャズやフュージョンのスタイルを自然に取り込んでいますし、いろんな意味での現代の音楽になっています。

You Are (Variations)
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[20140423]

Wtc 9/11/Mallet Quartet/Dance PatternsWtc 9/11/Mallet Quartet/Dance Patterns
(2011/10/03)
Steve Reich

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2002年のDance Patterns for 2 xylophones, 2 vibraphones and 2 pianos、2009年のMallet Quartet for 2 marimbas and 2 vibraphones or 4 marimbas、2010年のWTC 9/11 for String Quartet and Tapeが収められたアルバムです。Dance Patternsは映画Counterphrasesに提供された音楽です。ファンキージャズのようなアレンジですが、踊るとしたら創作舞踊でしょうか。

ディスク:1
1. WTC 9/11
2. WTC 9/11
3. WTC 9/11
4. Mallet Quartet
5. Mallet Quartet
6. Mallet Quartet
7. Dance Patterns
ディスク:2
1. Mallet Quartet by S Percuss

Mallet Quartetは2台のマリンバと2台のビブラフォン及び、4台のマリンバとパーカッション、テープで構成されています。3楽章に分かれており、1楽章と3楽章は速いテンポ、2楽章は遅いテンポで演奏されます。So Percussionというグループが演奏しています。あまりミニマル感はありません。これもジャズっぽい感じもします。

WTC 9/11は世界貿易センターが攻撃された9/11を題材にしています。Kronos Quartetにより演奏されています。WTCはWorld Trade Centerの事ですね。アルバムジャケットもその写真になっています。 北米航空宇宙防衛司令部とニューヨーク市消防局 や友人、隣人のインタビューがテープから流されます。悲壮感と緊張感を持った音楽になっています。

WTC 9/11
⇒ 続きを読む

[20140422]

Reich: Three Tales + DVDReich: Three Tales + DVD
(2003/10/27)
Steve Reich

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98年のオペラ作品です。これも映像を取り入れた演奏で、三つの物語で構成されています。第一がヒンデンブルク、ツェッペリン号のような飛行船の事です。第二がビキニ、はビキニ環礁 の事のようです。第三がドリーで、人造人間の事です。一番の驚きは演奏がジャズ的な事です。ジャズ及びソウル的なリズムを持っています。

ディスク:1
1. Hindenburg: Nibelung Zeppelin
2. Hindenburg: A Very Impressive Thing to See
3. Hindenburg: I Couldn't Understand It
4. Bikini: In the Air - 1
5. Bikini: The Atoll - 1
6. Bikini: On the Ships - 1
7. Bikini: In the Air - 2
8. Bikini: The Atoll - 2
9. Bikini: On the Ships - 2
10. Bikini: In the Air - 3
11. Bikini: The Atoll - 3
12. Bikini: On the Ships - 3
13. Bikini: Coda
14. Dolly: Cloning
15. Dolly: Dolly
16. Dolly: Human Body Machine
17. Dolly: Darwin
18. Dolly: Interlude
19. Dolly: Robot/Cyborgs/Immortality
ディスク:2(DVD)
1. It Could
2. Nibelung
3. A Very Impressive
4. I Couldn't Understand It
5. In the Air 1
6. Atoll 1
7. On the Ships 1
8. In the Air 2
9. Atoll 2
10. On the Ships 2
11. In the Air 3
12. Atoll 3
13. On the Ships 3
14. Coda
15. Cloning
16. Dolly
17. Human Body
18. Darwin
19. Interlude
20. Robots

このアルバムは音楽のCDと映像も見れるDVDとセットになっています。映像を見る事も含めての作品ですから、当然の構成でありますが、サンプラーも使っているからなのか、リズムがファンキーです。人造人間のDollyではヴォコーダーを使ったロボット声も含まれています。ジャズ、ファンクの要素もありながらクラシック音楽としても成り立っているのが凄いです。

ただ、これもオペラと呼んで良いのかは疑問です。これまでの手法を全て出し切って尚、新しい事に挑戦しています。近代的なテクノロジーがテーマのようであり、言葉もインタビュー形式だったりします。音楽の混沌とした感じはフュージョンと捉えられます。現代音楽側からアプローチしたフュージョン音楽なのです。非常に斬新です。

Hindenburg
⇒ 続きを読む

[20140421]

Proverb / Nagoya Marimbas / City LifeProverb / Nagoya Marimbas / City Life
(1996/10/21)
Reich Ensemble

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95年のProverbとCity Life、94年のNagoya Marimbasが収められたアルバムです。Proverbはソプラノ 、テノール 、ビブラフォン 、電子オルガンで構成されており、悲しげなソプラノから静かに始まって、ビブラフォンがミニマルシーケンスを奏で出すと歌も反復されているのが分かります。それも、まるでテープに録音した声をカットアップしたような組み合わせになっている所がライヒらしいです。

1. Proverb
2. Nagoya Marimbas
3. City Life: 'Check It Out'
4. City Life: 'Pile Drive - Alarms'
5. City Life: 'It's Been A Honeymoon - Can't Take No Mo'
6. City Life: Heartbeats - Boats And Buoys
7. City Life: 'Heavy Smoke'

Nagoya Marimbasは日本の名古屋市の音楽院から委託を受けて作曲されたマリンバの為の音楽です。2台のマリンバによる位相音楽になっています。非常にリズミカルな旋律を持ったミニマルで、2台のマリンバは徐々にずれていき、お互いのフレーズ構成がお互いを補うように絡み合い、一つの音楽として完成されています。非常に立体的な音楽です。

City Lifeは5つのパートに分かれており、これはオーケストラとデジタルサンプラーによる音楽です。これは彼が住んでいるニューヨークの日常を描いたものであり、ニューヨークの日常の音、ガーシュインの音楽、飛行機のプロペラ音、などがサンプリングされています。90年代のニューヨークなので、ラップの決まり文句がサンプリングされています。サンプリングのヒット音によるリズムも加えられており、ロックやヒップホップの要素を持っています。

Proverb
⇒ 続きを読む

[20140420]

CaveCave
(1995/11/29)
Steve Reich

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93年の作品で、オペラとして制作されていますが、普通のオペラではなく、ビデオやCG上演を伴うオペラです。ビデオは、それまでのテープ処理した音響のように機能しています。テープとオーケストラのような音楽になっています。ビデオでは言葉が発せられていますが、宗教的な内容になっています。

ディスク:1
1. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Typing Music (Genesis 16)
2. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Who Is Abraham?
3. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Genesis 12
4. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Who Is Sarah?
5. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Who Is Hagar?
6. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Typing Music Repeat
7. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Who Is Ishmael?
8. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Genesis 18
9. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Who Is Isaac?
10. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Genesis 21
11. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : The Casting Out Of Ishmael And Hagar
12. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Machpelah Commentary
13. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Genesis 25 (Chanted In Hebrew From The Torah By Ephraim Isaac)
14. The Cave: West Jerusalem - Hebron: Act 1 : Interior Of The Cave
15. The Cave: East Jerusalem - Hebron: Act 2 : Surah 3 (Chanted In Arabic From The Koran By Sheikh Dahoud Atalah, Muqri Of Al-Aksa Mosque)
ディスク:2
1. The Cave: East Jerusalem - Hebron: Act 2 : Who Is Ibrahim?
2. The Cave: East Jerusalem - Hebron: Act 2 : Who Is Hajar?
3. The Cave: East Jerusalem - Hebron: Act 2 : The Near Sacrifice
4. The Cave: East Jerusalem - Hebron: Act 2 : El Khalil Commentary
5. The Cave: East Jerusalem - Hebron: Act 2 : Interior Of The Cave
6. The Cave: New York City - Austin: Act 3 : Who Is Abraham?
7. The Cave: New York City - Austin: Act 3 : Who Is Sarah?
8. The Cave: New York City - Austin: Act 3 : Who Is Hagar?
9. The Cave: New York City - Austin: Act 3 : Who Is Ishmael?
10. The Cave: New York City - Austin: Act 3 : The Binding Of Isaac
11. The Cave: New York City - Austin: Act 3 : The Cave Of Machpelah

タイプライターを打つ音楽、次に創世紀12章、洞穴の内部、スーラの章 3と続きますが、キーワードとなっているのがアブラハム/イブラヒム、マクペラ洞。映像のインタビューは西エルサレム(ユダヤ)、東エルサレム(パレスチナ)、ニューヨークの3箇所で行われています。キリスト教というよりイスラム教の色合いが強いようです。

オペラなので歌もありますが、劇は無く、映像が劇の代わりのようです。全く新しいオペラ、もしくはオペラではないのかもしれません。しかし、ライヒがオペラを創ればこうなるという形になっています。言葉の持つイントネーション、リズム、旋律と言う事から発展している音楽であり、ライヒが初期の頃から得意としている分野です。映像を使うのは初めてなので、そこかが斬新です。時代なので、サンプラーも使われています。

The Cave
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[20140419]

Four SectionsFour Sections
(1994/10/26)
London Symphony Orchestra

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87年の作品、The Four Sections for orchestraです。四つのセクションに分割された音楽で、第一楽章はストリング、木管と金管も含みます。第二楽章は2ちのビブラフォン、2台のピアノと2つのバスドラムで構成され、パーカッシヴに演奏されています。第三楽章は木管と金管が主役になりますが、ストリングも含みます。第四楽章はフルオーケストラとなります。

1. The Four Sections: Strings (With Winds And Brass)
2. The Four Sections: Percussion
3. The Four Sections: Winds and Brass (with Strings)
4. The Four Sections: Full Orchestra
5. Music for Mallet Instruments, Voices And Organ

最初の第一楽章と第二楽章はゆっくりとしたテンポで第三楽章からテンポアップし、第四楽章ではもっと速くなっていきます。分解されていた音楽がやがて一つになっていく過程が描かれていて、楽器の組み合わせによって違う感触になる。これは全ての音楽における常套手段でありますが、現代音楽であるライヒの手によれば、それが露骨なくらいに骨組みを露にしていきます。

この曲は後にリミックスにされるなど、テクノな処理をされますが、ライヒのスタイルはテクノの元祖的な存在でありますから、テクノリミックスされてもまった不自然ではありません。シンセで演奏されると全く違う表情になりますが、ライヒの場合はオーケストラという既成の楽器を使用しているだけであって、やっている事はテクノ以上に先鋭的なのであります。

Four Sections

[20140419]

Electric Counterpoint / Different Trains, ElectricElectric Counterpoint / Different Trains, Electric
(1994/10/26)
Kronos Quartet、Pat Metheny 他

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87年のElectric Counterpointと88年のDifferent Trainsが収められたアルバムです。ライヒの作品の中でも一番有名な代表作2曲です。Electric CounterpointではPat Methenyがギターを弾いており、Different TrainsはKronos Quartetが演奏しています。どちらもロックファンに一番親しまれている作品です。

1. Different Trains: America - Before the War
2. Different Trains: Europe - During The War
3. Different Trains: After the War
4. Electric Counterpoint: Fast
5. Electric Counterpoint: Electric Counterpoint: Slow
6. Electric Counterpoint: Fast

Different Trainsは第二次世界大戦の戦前、戦中、戦後を描いており、ユダヤ人であるライヒがもしあの時代にヨーロッパにいたらどうなっていただろうか?おそらく、強制収容所行きの、全く違う汽車(Different Trains )に乗ることになっていたのではないかという発想から作曲されています。あらかじめ録音された、弦楽四重奏の演奏、ホロコーストを生き延び、アメリカに移住した人々の証言を記録したテープの言葉の断片、電気的に加工された汽車の音、サイレンの音のテープを流しながら、弦楽四重奏が生演奏を行います。80年代の作品ですから録音された言葉はサンプラーも利用されています。

Electric Counterpointはカウンターポイント第三作品目で、エレキギターとテープの音楽です。既にライヒの影響を受けたロバートフィリップがギターシーケンスを行っていますが、そのギターシーケンスによる本家本元の曲が創られたのです。あらかじめ録音された10本のギターに2本のエレクトリック・ベースにPat Methenyが生演奏を行っていきます。録音されたギターはディレイのように反復していきますが、強弱、フェイドイン、フェイドアウトというライヒ得意の手法が使われています。ミニマルによるギターオーケストレーションと言っても良いでしょう。どちらも名演、名曲であります。

Different Trains: America - Before the War
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[20140419]

Reich: New York Counterpoint; Eight Lines; Four OrgansReich: New York Counterpoint; Eight Lines; Four Organs
(2000/05/02)
Bang on a Can

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85年の作品で、クラリネットとテープの為の音楽です。独奏楽器とテープのための「カウンターポイント」シリーズの2作目です。カンターポイントとは対位法の事で、楽器とテープの対位法というライヒの得意技であります。奏者は事前に10のパートを録音し、そのテープと生演奏を合わせると言う手法です。

1. New York Counterpoint: Fast
2. New York Counterpoint: Slow
3. New York Counterpoint: Fast
4. Eight Lines (Octet)
5. Four Organs

クラリネットの音が電子楽器に近い音色になり、それによってニューヨークという街の波打つ活気を再現するという意図があります。切れ目なく演奏される急‐緩‐急の3楽章と言う構成です。第一楽章は6/4拍子で変ホのエオリア旋法、第二楽章は3/4拍子でホ音のミクソリディア旋法、第一楽章の二分の一のテンポで奏されます。第三楽章は再び6/4拍子で、テンポも戻ります。

Eight Linesは既に紹介しているOctetで、Four Organsも紹介済みの曲になります。どの曲もアクセント付けがキモであり、アクセントの変化によってミニマルミュージックに劇的な展開をもたらしています。ライヒの音楽現代音楽のなかでも音楽的であり、好んで演奏するアンサンブルチームが多く存在します。実験的でありながら飽きる事無く音楽を楽しむ事が出来ます。

New York Counterpoint
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[20140419]

Desert MusicDesert Music
(1994/10/26)
Nonesuch *cl*

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83年の作品、砂漠の音楽です。声楽とオーケストラの為の音楽でWilliam Carlos Williamsの詩からタイトルが付けられています。第五楽章まであり、それぞれ違うテンポが指定されています。ミニマルな反復もありますが、コード進行が普通にあり、それこそミニマルによる交響曲の完成度がよりグレードアップしています。

1. The Desert Music: First Movement (Fast)
2. The Desert Music: Second Movement (Moderate)
3. The Desert Music: Third Movement Part One (Slow)
4. The Desert Music: Third Movement Part Two (Moderate)
5. The Desert Music: Third Movement Part Three (Slow)
6. The Desert Music: Fourth Movement (Moderate)
7. The Desert Music: Fifth Movement (Fast)

コーラスもまるでイエスのコーラスワークのようで、イエスが得意としていたフレージングを繰り返し詩の内容をより強く届かせる効果を生み出していると思います。イエスの危機という作品は古典的な交響詩の形式をとっており、同じ言葉を違う旋律で繰り返す手法が使われていましたが、雰囲気的にはそれに近いものでありながら、全く新しい交響詩になっていると思います。

これまでの室内楽などやコーラスの為のミニマルを創り上げてきましたが、それらの手法を踏まえながらより完成度の高い作品に仕上げていると思います。ミニマルというより、フレージングの断片の繰り返しという手法は、ブルースの手法であり、そうした近代的な音楽の手法を取り入れながらより音楽的な現代音楽を創り上げています。人間の生理的な側面に即した音楽になっていると思います。

Desert Music

[20140418]

Triple QuartetTriple Quartet
(2001/11/02)
Kronos Quartet、Mika Yoshida 他

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82年のVermont Counterpointはフルート、ピッコロの生演奏とそれを録音再生させるテープと対位させてループさせるミニマルミュージックです。フルート奏者のランサム·ウィルソンに委託されて作曲しました。テープループの速いパッセージのループに合わせて演奏すると言う難しい作品です。

1. Triple Quartet: First Movement
2. Triple Quartet: Second Movement
3. Triple Quartet: Third Movement
4. Electric Guitar Phase
5. Music for a Large Ensemble
6. Tokyo/Vermont Counterpoint

Triple Quartetは99年の作品で、3弦楽四重奏の為の音楽で、ライヒの音楽を好んで演奏するクロノス·カルテットなどによって演奏されています。これらをライブ演奏しているアルバムになります。これにDominic FrascaによるElectric Guitar Phaseが含まれています。これはElectric Counterpoint とは又違ったディストーションのかかったギターによるミニマルになっています。ここではギターシーケンスというより、ヘヴィメタ系のギターリフによるミニマルになっています。まるでテープループしているみたいに同じフレーズを反復させています。

Vermont Counterpointは日本人演奏家、美香吉田によるMIDIマリンバで演奏されています。MIDIピアノと言うのもありますので、MIDIマリンバもあるんですね。マリンバにより演奏された情報をMIDIで送って音源で音を出す仕組みなので、出てくる音は必ずしもマリンバの音でなくても良いのですが、MIDI情報でアンサンブルも同時演奏と言う事になっているのでありましょうか。

Vermont Counterpoint
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[20140418]

TehillimTehillim
(1999/08/25)
Ecm

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81年の作品で、Tehillimはヘブライ語で賛美歌の意味です。つまり声楽曲であり、声楽によるミニマルアンサンブルになっています。歌われているのはヘブライ語による旧約聖書であり、後半は新約聖書が歌われています。言葉のフレーズを繰り返す事でサンプリグフレーズをちりばめたような効果になっています。

1. Tehillim Parts I & II
2. Tehillim Parts III & IV

女性コーラスはハイ・ソプラノ一人、リリック・ソプラノ二人、アルト一人で、6種類の木管楽器、6種類の打楽器、弦楽器はバイオリン二人、ビオラ、コントラバス、チェロという構成です。これに鍵盤楽器が加わりますが、鍵盤は電子ピアノとなっていますが、当時既に登場しているデジタルシンセではないかと思われます。

このようなクラシック楽器の構成にシンセが加わるとニューエイジミュージックやドイツ系のプログレのような雰囲気がします。打楽器によるリズムは民族音楽のようであり、ヘブライ語のもつリズムやアクセント、イントネーションから旋律が創られていて、複雑な変拍子になっています。

Tehillim Parts I & II
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[20140418]

Variations Winds Strings Keyboards / Shaker LoopsVariations Winds Strings Keyboards / Shaker Loops
(2006/07/04)
Reich、Adams 他

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79年の管弦楽曲です。オーボエ、フルート、トランペット、トロンボーン、チューバに弦楽器、キーボードとなっているのはピアノとシンセサイザー、もしくはオルガンを使用しています。これもミニマルミュージックをより発展させたものになっています。このアルバムで使用しているのはシンセサイザーですので、プログレっぽい質感になっています。

1. Variations for Winds, Strings, and Keyboards
2. Shaking and trembling - 1. Shaking And Trembling
3. Hymning slews - 2. Hymning Slews
4. Loops and verses - 3. Loops And Verses
5. A final shaking - 4. A Final Shaking

ライヒではお馴染みの手法ですが、クラシック音楽から考えると、それまでに無かった作風になっています。やがてゴングやキングクリムゾンでお馴染みになっていくシシーケンスパターンですが、変拍子になっていて、フィリップによるギター修行集団ギター・クラフトでも、同じようなパターンをギターで演奏しています。

テクノのような踊れるミニマルではなく、複雑に絡み合う木々の重なりのようにシーケンスパターンが組み合わされています。生演奏ですが、テンポが揺らぐ事無く演奏し続けているのはもの凄い集中力だと思います。現代音楽の中でも一番音楽的で聴き易いものになっていると思います。

Variations Winds Strings Keyboards

[20140418]

Music for 18 MusiciansMusic for 18 Musicians
(1997/03/23)
Ecm

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74年から76年にかけて制作された18人の音楽家のための音楽です。彼の初期の代表作、集大成の作品となります。これまでのアンサンブルの中でも一番多い人数を使ったミニマルミュージックによる交響曲です。全体は13のセクションから構成されていますが、大きく分けるとパルス、セクション、パルスの三つにパターンになっていて、同じテンポで演奏されていきますが、このアンサンブルに指揮者は存在しません。

1. Music for 18 Musicians

楽器の構成はクラリネット(バスクラリネット持ち替え)2、ヴィブラフォン1、シロフォン2、マリンバ3、ピアノ4、女声4、ヴァイオリン1、ヴィブラフォン1、マラカス2と言う構成です。指揮者がいないと言うのはガムランやアフリカ音楽からの影響であり、ヴィブラフォン奏者は聴覚による合図、第1クラリネット奏者は視覚による合図を全プレイヤーに送るように譜面にも記載されています。つまり合図を送る演奏者を視覚的、聴覚的に読み取って演奏していくのです。

女性コーラスもケチャ的であります。1時間前後の曲になりますが、その場面転換の妙は聴くものを飽きさせません。簡単な反復音楽ではなく、壮大なスケールを持ったミニマルミュージックになっています。ロバートフィリップなどの先鋭的なプログレミュージシャンに多大な影響を与えています。これにアフリカ音楽、ニューウェイヴの要素をミックスさせたのが新生クリムゾンのテーマになっていました。この辺のセンスが受け入れられない人にとっては新生クリムゾンは受け入れがたいものであったと思いますが、最初にプログレッシヴミュージックを発信したクリムゾンが最後までプログレッシヴであり続けたのであり、初期メンバーでの再結成があり得ないというのもうなずけます。

Music for 18 Musicians

[20140417]

Music for Mallet Instruments Voices & Organ MusicMusic for Mallet Instruments Voices & Organ Music
(1994/01/01)
Steve Reich

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73年の作品、マレット楽器、声とオルガンのための音楽です。ミニマルをより複雑化し、更にアンサンブルとして構成している作品です。グロッケンシュピール 、 マリンバ 、 鉄琴 、女性の声、そしてオルガンという構成です。男性の声では重くなるので、女性の声で軽やかにしています。この構成はこの後にピエール・ムーランズ時代のGONGに影響を与えています。

1. Music For Mallet Instrs, Vox & Org
2. Music For Pieces Of Wood
3. Sextet

単なるミニマルであればテクノへの影響となりますが、複雑なアンサンブルを生み出した事によって、プログレ系のミュージシャンに刺激を与え、エイドリアンブリュー加入後のキングクリムゾンのギターシーケンスのヒントにもなっています。Sextetは84年の作品で、このアンサンブルを更に発展させたものになっています。第五楽章まであり、六重奏ミニマルによる交響曲のようになっています。

ピアノ、マリンバ、ビブラフォン、パーカッション、そして時代なので、シンセサイザーを使用する事もあります。これほど複雑なシーケンスパターンは当時のシーケンサーで創るのは難しく、コンピュータープログラミングであれば用意に打ち込めますが、この反復パターンを生演奏させる事で、打ち込みでは出せない、クールながら躍動感のあるグルーヴを生み出しています。

Music for Mallet Instruments Voices & Organ Music
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[20140416]

Reich;Six PianosReich;Six Pianos
(1994/04/19)
Various Artists

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73年の作品で、6台のピアノの為に作曲されました。ピアノだけではなく、鍵盤楽器、マリンバなどを用いる場合もあります。少しずつ変化していくシーケンスパターンの組み合わせで、プロセス自体が構造であること、主体の不在、加算プロセス、常に変化を内包する繰り返しというコンセプトで創られています。

1. Six Pianos

三人のピアニストにより異なったパターンを組み合わせ、二人のピアニストが同じパターンの位相がずれで絡んできます。やがて調性が変化していって複雑なミニマルミュージックへと発展していきます。フレーズ自体がリズムを含んでいて、一定のリズムにアクセントの配置を変化させていく事で、機械的なシーケンスに表情を出させています。

単純なミニマルからより複雑な構築を志すようになり、楽器の組み合わせによって、多くの作品群を創りだしていますが、このシーケンスは後にシーケンサーという機械に打ち込むのが主流になる時代には、ライヒのシーケンスパターンは多くのプログレッシヴロックのミュージシャンに模倣されていきます。しかし、ロバートフィリップやピエール・ムーランなどは手弾きで再現しています。

Six Pianos

[20140415]

Reich: Music for Pieces of Wood Rzewski: Coming toReich: Music for Pieces of Wood Rzewski: Coming to
(1994/01/01)
Tibor Szemzo、Steve Reich 他

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73年の作品です。他の作曲家の曲も入っているCDですが、木片の音楽、Music for Pieces of Woodを紹介します。clavesと言う木魚のような楽器によるパーカッションによるミニマルですが、楽譜には音程も記されています。5つの音程が違うclavesによるアンサンブルになっているのです。

1. Water-Wonder
2. Music for Pieses of Wood
3. Etude for Three Mirrors
4. Coming Together Frederic Rzewski
5. Attica

これもアフリカ音楽からの影響でしょうが、ライヒはガムランなども学んでいて、ケチャのリズムのようにも感じます。民族音楽にもミニマルに通じる反復性があり、そこに着目しているようです。それはライヒが目指す反復するフレーズが徐々に変化していって複雑に発展していく事で、反復による高揚感と音楽としてのアンサンブルの妙を構築していく事に大いに役立っていたと思います。

偶然性の音楽のように既成の音楽大系を壊していく現代音楽とは違って、非常に音楽的であります。しかし、それまでの音楽は同じ事を繰り返すのは飽きられるので、いくつもの場面を用意していましたが、反復する事によって、機械的な無機質なクールな感じにより、それまでの音楽には無い新鮮さを創りだしています。これらの手法はドイツのミュージシャンに影響を与え、それらに影響を受けた英国のミュージシャンによってテクノミュージックとして発展していきます。

Music for Pieces of Wood

[20140413]

DrummingDrumming
(1995/11/10)
不明

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ライヒの代表作の一つである71年のDrummingです。この曲を創る前にライヒはアフリカを訪問してアフリカの音楽に触れています。そこで学んだアフリカ音楽のリズムを元に創りだされたのがこの作品です。アフリカの音楽は黒人であるジャズドラマーなどから取り入れる人がいました。後にジンジャーベーカーなどもアフリカのリズムを取り入れたりしていますが、実際にアフリカ音楽というものを大々的に取り入れたのは80年代のトーキングヘッズとピーターガブリエルでした。それに先駆けた作品となります。

1. Drumming: Part I
2. Drumming: Part II
3. Drumming: Part III
4. Drumming: Part IV

四つの構成からなり、第一部:調整されたボンゴドラムは四人の奏者が8つの小さなチューニングされたボンゴドラムでパターンを繰り返していきます。第二部:3マリンバ、2または3女性の声では、マリンバによるパターンに二人から三人の女性による歌声が入ります。第三部:3グロッケンシュピール、ウィスラー、そしてピッコロでもパターンの反復によるアンサンブルを創りだしています。

第四部:完全なアンサンブルではそれまでバラバラに演奏していた楽器によるアンサンブル演奏になっていき、曲が完成されていきます。アフリカのリズムはポリリズムであり、そのいくつかのパターンを繰り返していくと言う事ではミニマルミュージックであり、西洋音楽には無いビートに新鮮な興味を持って創られています。そしてこれも複数の演奏者の音をずらす事でフェイジング効果を創りだしています。生身の人間が同じパターンを繰り返すのはかなりしんどい事なのですが、演奏者は集中して反復させています。

Drumming: Part I
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[20140413]

Phase Patterns / Pendulum Music / Piano PhasePhase Patterns / Pendulum Music / Piano Phase
(2003/04/14)
Avantgarde Ensemble

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フェイジングシリーズの数曲が収められています。70年のPhase Patternsはオルガンによるフェイジング効果をもたらす音楽で、これも徐々に音のずれを変化させていって、複雑なミニマリズムを創っています。フェイズというと音のずれは速いのですが、ずれが長くなるとディレイ効果を生み出します。実際デジタルディレイが登場すると、このライヒのパターンをライブで演奏するギタリストなどが増えてきました。

1. Phase Patterns
2. Pendulum Music (I)
3. Piano Phase
4. Pendulum Music (II)
5. Four Organs
6. Pendulum Music (III)

68年のPendulum Musicは振り子の音楽であり、床に置かれたスピーカの上を天井からつり下げられたマイクをぐるぐる回してスピーカーの前を通過する時に生じるハウリングによるフェイジング効果を生み出すもので、マイクが回る速度が徐々に遅くなる事でフェイジング効果が変化していくもので、これを複数台のスピーカーでアンサンブルを創りだします。振り子の原理という法則に乗っ取った音楽です。

70年のFour Organsは親友であるPhilip Glassも参加しています。4台のオルガンを使ったフェイジング効果を創りだす曲です。マラカスによるビートに合わせてdominant eleventh chordをを弾くのですが、四人の演奏者の発音を徐々にずれさせていきます。フェイザーというエフェクターで簡単に創りだせる効果ですが、フェイザーはディレイなどの原音と残響音のずれを長くしたものから短くする事で、残響音による音の波が生まれます。それの繰り返しと速度を調整する事でフランジャーになるとジェット音のようになり、フェイザーはもっと柔かな波を創りだしていきます。これを生演奏で表現する為の試みであり、ずらすタイミングのガイドがマラカスと言う事になります。

Phase Patterns
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