94年にリリースされたアルバムですが、曲自体は70年に作曲されています。電子音による
ミニマルミュージックで、ライヒと共通する部分を持っていた頃の作品です。電子音に加えてフルートやサックスが絡んできます。テクノに通じるような
音楽ですが、これは打ち込みではなく、手弾きによる演奏だと言う所が
現代音楽なのであります。
1. Music With Changing Parts
初期の頃の作品なので、あからさまに
ミニマルであり、ライヒのように変拍子のシーケンスになっています。ユニゾンと対位法による絡み方など、
ミニマルらしい曲です。これはグラスにとっては実験的な作品であり、この後はこの手法にこだわる事無く、自分なりのスタイルを確立していきます。典型的な
ミニマル作品なのであります。
エレクトリックバイオリンや電子音はまるでメロトロンで生成された音のように響き、その影響で、フルートやサックスも加工されたような音に聴こえます。生々しいくらいのサンプリングで創ったかのようなアンサンブルです。反復するフレーズはシンプルなようでいて、演奏する方はかなりの集中力を要求されます。鋭利なテクノのようであります。
Music With Changing Parts