72年のサードアルバムです。ベースが又代わってMike Wedgwoodになっています。ホーンセクションも加えて、より完成度の高いアルバムに仕上げています。テーマもドラマティックになり、
プログレ色が強い作品に仕上がっています。Darryl Way が参加した最後のアルバムと言う事もあって、彼らの最高傑作とされています。
1. Marie Antoinette
2. Melinda (More Or Less)
3. Not Quite The Same
4. Cheetah
5. Ultra-Vivaldi
6. Phantasmagoria
7. Whose Shoulder Are You Looking Over Anyway?
8. Over And Above
9. Once A Ghost Always A Ghost
Darryl Wayがキーボードも演奏するようになり、Francis Monkmanがギターに専念出来るようになり、ギターの出番も増えています。アコースティックなMelindaなど、牧歌的な雰囲気も
プログレ感があっていいです。この頃まではまだエレクトリックバイオリンではなく、アコースティックバイオリンですから、クラシカルな演奏も対応出来ています。72年は名盤が豊作な年であり、彼らもこの時に最高の作品を残しています。しかし、売れたのはイギリスやヨーロッパ圏であり、日本では大きなヒットにはなっていません。
トラッドフォークブームというのもイギリスではあって、その辺も取り入れているのは正解です。ジャズ的な部分もありますが、クラシカルな雰囲気を大事に制作されているので、他の要素も活かされてきています。展開も複雑になっていますが、まとまりがあります。しかし、この後ギターのFrancis Monkmanが脱退し、Darryl Wayも続いて出て行きました。当時のバンドではよくある交代劇ですが、これが無ければもっと大きな成功を収めていたかもしれません。
Marie Antoinette