

82年のアルバムです。ソロでもヒット出来る確信を持ったフィルコリンズは更なるポップな作品を作るようになっていきます。ピーターガブリエルの影響でアフリカのリズムを取り入れていますが、あくまでも彼はポップフォーマットとして消化させています。今回もHugh Padghamとの共同プロデュースで、ゲートリバーブによるドラムサウンドを更に完成させています。
I Don't Care Anymore
2. I Cannot Believe It's True
3. Like China
4. Do You Know, Do You Care?
5. You Can't Hurry Love
6. It Don't Matter To Me
7. Thru These Walls
8. Don't Let Him Steal Your Heart Away
9. The West Side
10. Why Can't It Wait 'Til Morning
ゲートとはノイズゲートの事で、これを極端にかける事により残響音をスパッと切り落としてタイトで切れ味の良いリズムを創りだす事が出来ます。リバーブをドラムにたっぷりかけると重い音になりますが、残響音が長く響いてリズムが悪くなります。そこでノイズゲートで強制的に残響音を切り落とす訳です。これで重くて切れ味の良いサウンドを人工的に創りだす事で、それまで無かったような独自のサウンドが生まれました。これが80年代は大流行して、ほとんどの作品で聴く事が出来ます。その為、早くに形骸化したのも事実です。
シングルカットされて大ヒットしたシュープリームスのYou Can't Hurry Loveのカバーのようにモータウン的なポップさを取り入れています。これネオアコのスタイルカウンシルも同時期にモータウンのリズムを取り入れたりして、80年代のヒットの要素となっていきます。それまでパンクやニューウェイヴなどの斬新なスタイルでとんがっていたミュージシャンがソウルミュージックが好きだとカミングアウトした事で、黒人
音楽を当たり前のように取り入れるミュージシャンが増えていきます。
プログレとは無縁だったソウルミュージックの要素は更なるポップ感覚をもたらして、ヒット街道をまっしぐら進んでいきます。
Full Album