

93年のアルバムです。80年代を席巻してきたジェネシスファミリーですが、90年代に入ると地味になってきます。人気は定着しているので、売れている事は売れているのですが、スタイル的に80年代を引きずっているので、90年代のスタイルには適応出来ないままになっています。このアルバムもこれまでの作品と変わらない出来映えですが、初の単独セルフプロデュースで、ほぼ一人で制作されています。
1. Both Sides Of The Story
2. Can't Turn Back The Years
3. Everyday
4. I've Forgotten Everything
5. We're Sons Of Our Fathers
6. Can't Find My Way
7. Survivors
8. We Fly So Close
9. There's A Place For Us
10. We Wait And We Wonder
11. Please Come Out Tonight
コンピューターの進化により、スタジオと変わらない編集を自宅でも出来るようになります、そうした環境を得て、自分のやりたい事をやっている作品だと思います。それでもこれまでのようなヒット性のある曲を作っているので、稼ぎたいという欲求は強いようです。どちらかと言うとピーターガブリエルの作品に近い感じになっています。歌い方もガブリエル風です。ジェネシスの昔の曲ではガブリエルの物真似のように歌いますので、得意な歌い方なのでしょう。
アフリカのリズムを取り入れたりしているのもガブリエルの影響だと思いますし、それとこれまで売れていたような曲を作っているので、一人で好き勝手に出来る環境を楽しんでいるとは思えません、これなら豪華ゲストを招いて演奏させた方が売れていたと思いますが、こういう事もあって80年代ほと売れなくなっていきます。80年代の後半にはこういうサウンドはもう飽き飽きしていましたので、前作がぎりぎりのラインだったと思います。時代をリードしていたものは、いつしか他の寵児に追い越されていくものなのです。
Both Sides Of The Story