

96年のアルバムです。復活してからのSteve Harleyはカントリーロック、フォークロック、サザンロックスタイルになっています。キンクスもそういう時期がありましたので、彼にとっては自然な流れなのでしょうが、まったく時代に沿った内容ではありません。ですから売れませんし、話題にもなりません。それでも年相応の
音楽だと思えば渋くなったと思います。
1. That's My Life In Your Hands
2. What Becomes Of The Broken-Hearted?
3. Two Damn'd Lies
4. Loveless
5. Strange Communications
6. All In A Life's Work
7. Love Minus Zero-No Limit
8. Safe
9. The Last Time I Saw You
10. Crazy Love
11. Riding The Waves (For Virginia Woolf)
Bob DylanやVan Morrisonのカバーがあり、この時期の彼の趣向が伺えます。弾き語りによるストーリーテリングと言う事でBob Dylanの影響もあるでしょうが、Bob Dylanほど暗くありません。キンクスほどバンドサウンドでもありませんし、Steve Harleyの世界観の続きなのです。大道芸から旅芸人になったロードムーヴィーみたいな世界観です。
初期の頃からバイオリンを使っていますが、これはケルト的でもあり、一時期のディランのようでもあります。売れる為の
音楽にこだわる事も無く、スタイルは変われども、自分の道を進んでいます。ただし、スタイルが変わった事により、歌い方も変わっているのでCockney Rebelの雰囲気を期待する事は出来ません。大人の
音楽、大人のロックだと思って楽しむしか無いでしょう。
That's My Life In Your Hands