

76年のアルバムです。ギターのEelco Gelling が脱退して6人組になっています。ゲストでChris Mercerがサックスを吹いています。シンセを多用したフュージョン的なアレンジを織混ぜた当時流行っていたファンクロックなスタイルになっています。この時期、いくつかのバンドでハードロックの中にファンクを取り入れたスタイルが流行っていました。このバンドもきちんと時代にあったサウンドを演奏しています。
1. Why Me
2. Facedancer
3. To The Hilt
4. Nomad
5. Sleepwalkin
6. Latin Lightning
7. Violins
アコースティックなサウンドを取り入れたりした、深みのあるハードロックを演奏するようになっていますが、リズムがどこかハネています。ここがファンクロックの特長で、後のミクスチャーとの違いは、ハードロックが基本であり、ファンクというのは手法の一つでしかないと言う事です。つまり、ハードロックとしてかっこ良くファンクを取り入れているのであって、ミクスチャーのように曖昧な感じになって特にかっこ良くもないようなサウンドではないのです。
このファンクロックが進化して主流になるものだと私は思っていましたが、時代はジャンル分けをはっきりさせるような商業ロックの時代になったため、進化しなくなりました。やがてヒップホップを経てミクスチャーと言うのが登場しましたが、このファンクロックが進化した形とは違うものであって失望したものです。つまり、進化していないので70年代のこのファンクロックこそが今でもかっこいいのです。印象としてはソリッドなハードロックそのものなので、リズム的に複雑になった分だけボンゾのようなかっこいい演奏になっているのです。このアルバムもこれまでの中でも一番かっこいいものになっています。名盤です。
Why Me