

76年のアルバムです。ギターのEelco Gellingが復帰してサックスのBertus Borgersが脱退しました。ちょくちょくメンバーが入れ替わります。そしてこのアルバムからサウンドに変化が現れます。前作でもフュージョンスタイルを取り入れていましたが、あくまでもハードロックとして演奏していました。それがフュージョンスタイルの方を前面に出してポップなサウンドになっています。
1. Bombay
2. Sueleen
3. Con Man
4. Mad Loves Comin
5. Fightin Windmills
6. Faded Jeans
7. Times Up
当時は第二期ハードロック時代でもありましたが、同時にL.A.の方ではフュージョンブームとなっていました。ポップスにもその影響が出ていて、A.O.R.というジャンルが確立されます。そのL.A.サウンドに近いスタイルになっています。ハードロックには、あまり登場しないテンションコードを使ったり、
ファンク的なリズムを使ったりしています。ヘヴィメタのバッジーにもそういう現象がありましたが、ロックとしてのエッセンスとして吸収していました。このバンドも同じでエッセンスとして取り入れていますが、曲の作り自体が完全に
フュージュンスタイルになっています。
アメリカンロックという言い方も出来ますが、市場がでかいアメリカをターゲットにしている事が分かります。ステージ作りに金をかけ過ぎて赤字になっている
プログレバンドもアメリカをターゲットにするようになり、ブリティッシュインヴェンションの時代が終焉を迎えます。アメリカで売れた方が儲かるのです。これが80年代の商業ロックに繋がっていくのですが、作品としての完成度よりも売れる曲を作る傾向になっていきます。このバンドもその選択をしたようです。しかし、ポップフュージョンになってもギターを弾きまくったり、バンドとしてのカラーは保持しています。
Bombay