84年のアルバムです。プロデュースはIan Little。普通の80年代ポップスになっていますが、オープニングのアルバムタイトル曲Pulling Rabbits Out Of A Hatはサンプラーで創り上げたオーケストレーションによるロックオペラになっています。この時期にこれだけのサンプリング処理が出来るのは凄い事です。しかしポップな曲ではチープな音になっています。
1. Pulling Rabbits Out Of A Hat
2. Love Scenes
3. Pretending To Be Drunk
4. Progress
5. With All My Might
6. Sparks In The Dark (Part One)
7. Everbody Move
8. A Song That Sings Itself
9. Sisters
10. Kiss Me Quick
11. Sparks In The Dark (Part Two)
With All My Might、Pretending To Be Drunk、Progressとシングルカットしていますが、徐々にチャートアクションから離れていきます。出始めのデジタルシンセの音は細く、チープな音圧でありました。そのチープさはこのバンドのとぼけたキャラクターには合っていますが、アレンジがいかにも80年代であり、アルバムタイトル曲の強烈な印象に比べると物足りなくなります。
シンセドラムや打ち込み主流のヒットチャートを意識したサウンドは逆にヒットチャートから彼らを引き離していきます。強烈な個性があってこそのSparksですから、俗物化してしまえば他のバンドと変わらなくなってきますから、よっぽど良い曲を書かない限り埋没してしまいます。細かい部分では彼らなりのこだわりを感じますが、ストレートには伝わってきません。
Pulling Rabbits Out of a Hat