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[20140930]

Featuring Stoney and Meat Loaf / Vinyl record [Vinyl-LP]Featuring Stoney and Meat Loaf / Vinyl record [Vinyl-LP]
(2000/01/01)
Meat Loaf

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ミートローフはアメリカのシンガーで、ミュージカルのヘアーなどに出演していましたが、売れない若い日々を過ごしていました。後にアメリカで一番レコードを売り上げた男にのし上がっていくのですが、これはまだ売れない頃にレコーディングされたStoney Murphyとのデュエットアルバムで、71年の作品です。音楽的にはソウル系のアメリカンポップスになっています。

1. As Heavy As Jesus
2. She Waits By The Window
3. It Takes All Kinds Of People
4. Game Of Love
5. Kiss Me Again
6. What You See Is What You Get
7. Sunshine
8. Jimmy Bell
9. Lady Be Mine
10. Jessica White

プロデューサー陣はRalph Terrana, Russ Terrana, Mike Valvanoで、バックの演奏はモータウンのスタジオミュージシャン集団Funk Brothersです。ですからファンキーでソウルフルな演奏になっています。ソウル系ですから曲はどれも素晴らしいものばかりです。しかし、まだまだ無名時代ですから売れていません。モータウン系のRare Earthレーベルからリリースされていて、かなりお金をかけて制作されているようですが、成功しなかった事で、又不遇の時代を過ごす事になります。

ミュージカルをやっていましたので歌唱力はあります。二人ともヘアーでの競演から意気投合して制作されたようですが、二人のアルバムはこれが唯一の作品になっています。完全なソウルミュージックではなく、ポップ感覚のある曲を選択しているので、内容的には素晴らしい出来映えです。アレンジも工夫されていてFunk Brothersも頑張っています。隠れた名盤ですね。

As Heavy As Jesus
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[20140929]

白鵬が千代の富士に並ぶ31回の優勝で幕を閉じました。しかし、今場所は記録ずくめで連日満員御礼の大盛況となりました。特に新入幕の逸ノ城は大関も破り、新入幕で鶴竜から初金星も取りました。しかも13勝で準優勝です。流石に白鵬にはかないませんでしたが、100年に一度の大型新人。正に名の通りの逸材であります。

上位の成績
白鵬 14勝1敗 優勝
鶴竜 11勝4敗
日馬富士 3勝2敗10休
琴奨菊 9勝6敗
稀勢の里 9勝6敗
豪栄道 8勝7敗
妙義龍 全休
豪風 7勝8敗
千代大龍 1勝10敗4休
常幸龍 4勝11敗
照ノ富士 6勝9敗
遠藤 3勝12敗


遠藤は終盤前に出るようになりましたが、足がついていけていません。完全に稽古不足です。砂嵐も期待ほど活躍しませんでした。完全に逸ノ城に話題を持っていかれました。十両の阿夢露も来場所は入幕するようなので、下からどんどん新勢力が迫っています。中堅所も踏ん張りが必要でしょう。逸ノ城も立ち合いに磨きをかけると抱負を述べていましたので、立ち合いが厳しくなればより鬼に金棒です。大相撲もようやく昔の賑わいに戻りつつあります。

幕内取り組み
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[20140928]

TriosTrios
(2013/09/10)
Bley、Sheppard 他

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2013年の作品です。リーダーアルバムではこれが最新作になっています。ECMレーベルからのリリースで、プロデュースはManfred Eicherという定番の構成でトリオ編成での演奏になっています。楽曲は既にリリース済みの曲を演奏していたりしていますが、トリオならではのアレンジになっていて、編成が変わるごとに新たな発想を与えています。

1. Útviklingssang
2. Vashkar
3. Les Trois Lagons (D'Après Henri Matisse)
4. Wildlife
5. The Girl Who Cried Champagne

Carla Bleyがピアノ、必ず外せないベースのSteve Swallow、サックスがAndy Sheppardの三人による演奏です。Andy Sheppardのサックスを活かす為の演奏のような雰囲気ですが、Steve Swallowのベースによるリード演奏も少人数になればなるほど彼のバースは大活躍します。新曲のLes Trois LagonsとWildlifeは三部構成の組曲になっています。

唯思うがままに演奏しまくるジャズを芸術に域まで高めたのがクールジャズであります。これにはビバップをやっていたマイルスも絡んでいます。アドリブに命をかけていたマイルスも計算され尽くした音楽を好んでいました。秩序があってこそのアドリブだと思っていたので、フリージャズには手を出しませんでした。クールジャズは譜面に忠実に演奏するジャズであり、そこで活躍するのが作曲家であります。

Carla Bleyもその中の重要な一人であり、彼女ならではの美学が光っています。フィーリングを重んじる黒人音楽において、ジャズほど音楽理論にこだわっている音楽はありません。理論を突き詰めていくと民族音楽から派生した黒人音楽と西洋音楽には矛盾が生じてきます。それを解決させたのが独自に発展してきたジャズ理論であります。西洋音楽ではタブーであったことを正当化させる事が出来る魔法の理論であります。それが今日のポップスを生み出してきました。その理論の中で、どれほど活きた演奏をするかが演奏家の責務であり、その全てを成し遂げている、そう思える演奏になっています。

Útviklingssang
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[20140928]

Carla\'s Christmas CarolsCarla\'s Christmas Carols
(2009/11/03)
Carla Bley

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2009年の作品で、クリスマスアルバムになっています。Hell's BellsとJesus Mariaだけが彼女のオリジナルで、後は、トラディショナルやポップスからのカバーになっています。クリスマスソングをジャズで演奏するというのも今となっては珍しいものですが、ビートルズが出てくる前の時代ではジャズシンガーがクリスマスソングをよく歌っていました。それらとは異質な感じで、カーラらしいアレンジが光ります。

1. O Tannenbaum
2. Away In A Manger
3. The Christmas Song
4. Ring Christmas Bells
5. God Rest Ye Merry Gentlemen Part One, Part two
6. It Came Upon A Midnight Clear
7. Hell's Bells
8. Jesus Maria
9. Jingle Bells
10. O Holy Night
11. Joy To The World

ジャズ的であったり、印象派のようであったり、実に優雅で美しい音楽になっています。日本のようなお祭り感覚のクリスマスではなく、もっと静粛な感じのクリスマスの為の音楽になっています。こういう作品を創るようになると、もう晩年に入ったなと思ってしまいますが、楽器の選択、配分、どれをとっても彼女ならではのセンスに満ちたアレンジになっています。

黒人のミュージシャンだったら、もっと陽気に演奏していたでしょうが、彼女にとってのジャズはもっと頭脳的な感覚がありますので、これもクールジャズ的な雰囲気を持っています。どこまでも磨き抜かれたクリスタルガラスのような輝きと神聖さを持っています。繊細なまでにコントロールの行き届いた演奏は頭脳派ジャズならではの洗練された音楽となっています。

O Tannenbaum
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[20140928]

Appearing Nightly (Ocrd)Appearing Nightly (Ocrd)
(2008/09/09)
Carla Bley

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2008年のアルバムです。ビッグバンドシリーズ作品ですが、これまではビッグバンドらしからぬ楽曲を演奏させていましたが、このアルバムではスウィングジャズ時代のビッグバンドへのオマージュと言う形で、ビッグバンドらしい演奏になっています。あくまでもオマージュなので、スウィング時代のような白熱した演奏では無く、とてもクールな演奏になっているところがカーラらしいところです。

1. Greasy Gravy
2. Awful Coffee
3. Appearing Nightly At The Black Orchid
4. Someone To Watch
5. I Hadn't Anyone 'Till You

実にオーソドックスなスウィングジャズと言えますが、死に体のジャズ界を復興させるような、ジャズの面白さを再認識させてくれるような見せ場をきちんと用意しています。スウィングしているジャズを演奏するというのも彼女にとっては珍しい事でありますが、彼女のピアノだけビバップしている所が仕掛けなのかもしれません。

普通のスウィングジャズではなく、ビバップ、ハードバップを経験しているからこそ創れるような演奏になっています。これも分別するとクールジャズにカテゴライズされるのではないでしょうか。前に進む事を止めて、後退するような事があれば死に体でありましょうが、活きた演奏はまだジャズの血脈が脈打っている事を物語っているようにも感じます。

Greasy Gravy
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[20140928]

Lost Chords Find Paolo Fresu (Ocrd)Lost Chords Find Paolo Fresu (Ocrd)
(2007/11/06)
Carla Bley

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2007年のアルバムです。前作でのカルテットにトランペットのPaolo Fresuを加えてクィンテットでの演奏になっています。この構成になるとビバップ以降のジャズをやり易い構成になってきます。そこに少しばかりのソウル的なポップ感覚を加えた音楽になっています。これは以前もやっていたスタイルでありますが、Paolo Fresuのペットの演奏が素晴らしいです。

1. One Banana
2. Two Banana
3. Three Banana
4. Four
5. Five Banana
6. One Banana More
7. Liver Of Life
8. "Death of Superman/Dream Sequence No. 1: Flying
9. Ad Infinitum

バンドにスタープレイヤーが一人でもいると、それにつられて他の演奏者も負けじと演奏してアドリブ合戦になっていくのがビバップの在り方であり、曲よりも演奏重視になりがちになっていましたが、流石にカーラの場合は曲を重視した上で演奏者に自由に演奏させています。ですから曲の良さも活かされてきて尚、演奏も素晴らしいという理想的な内容に仕上がっています。

正にタイトル通りにカルテットがPaolo Fresuという才能を見つけたと言う結果になっています。カルテットはLost Chordsと言うバンド名でしたが、クィンテットになるとBanana Quintetと名付けています。前半はBanana Quintetと言う曲の組曲構成になっています。曲もロマンティックで、演奏はビバップしていて、素晴らしい名盤に仕上がっています。

One Banana
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[20140928]

The Lost ChordsThe Lost Chords
(2004/07/13)
Carla Bley、Andy Sheppard 他

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2004年の作品です。これもプロデュースはSteve Swallowが単独でやっています。カルテットでの演奏になっていて、Carla Bley のピアノ、サックスのAndy Sheppard 、ベースのSteve Swallow、ドラムのBilly Drummond という構成になっています。管楽器を一本にする事で、バンド全体での和音というか、和音を演奏しているのはピアノのみになっています。

1. 3 Blind Mice
2. Wink Leak / Traps / Leonard Feather
3. The Maze / Blind Mice Redux
4. Hip Hop Carla Bley
5. Tropical Depression
6. Red
7. I
8. II
9. III

3 Blind Miceとタイトル曲のLost Chordsは組曲になっています。まるで印象派のような音楽をジャズとして演奏しています。Hip Hopと言う曲もありますが、Hip Hopのグルーヴをジャズとして演奏しています。この辺の発想とセンスは若造には真似出来ません。楽器の構成が少ないので、ベースにもリードをとらせたり、西洋音楽とジャズの融合による展開はカーラの十八番です。

ビッグバンドではオーソドックスになる事もありましたが、新たな発想を実現するのには四人で充分だったようです。四人だからこそ普通では面白くなくなってしまうので、一つ一つの楽器に重要な役割をそれぞれつけています。ビバップもビッグバンドのような大人数を雇えない若者が始めた事ですから、四人で必要以上の演奏になる事で進化してきました、その原点に立ち返るような作品になっています。

Lost Chords I

[20140928]

Looking for AmericaLooking for America
(2003/05/13)
Carla Bley

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2003年のアルバムです。これまではカーラ自身がプロデュースしていましたが、このアルバムはSteve Swallowにプロデュースを任せています。二人でプロデュースした事はありましたが、単独でやらせたのは初めてです。それだけ信頼されているのですね。内容はビッグバンドシリーズでの演奏になっています。この形態が結構気に入っているみたいです。

1. Grand Mother
2. The National Anthem: OG Can UC?/ Flags/ Whose Broad Stripes?/ Anthem/ Keep It Spangled
3. Step Mother
4. Fast Lane
5. Los Cocineros
6. Your Mother
7. Tijuana Traffic
8. God Mother
9. Old MacDonald Had A Farm

テーマをアメリカにしていますが、やはり彼女にとってはいつもテーマはアメリカの音楽と言う事で作曲しているように思います。ファンキージャズのようにファンキーなリズムと、彼女独特のボイシングによるジャズ。フュージョンが誕生した事でビバップのスタイルは衰退していましたが、マルサリスによってビバップの復興が成されました。しかし、ヒップホップによって黒人のジャズ離れが著しくなり、現在はほとんど死に絶えている状態です。

ロックは死んだと言われて久しいですが、ジャズも死んだと言われるようになっています。その中で、彼女の奮闘ぶりは賞賛に値します。ジャズに対する愛情を強く感じさせる作品になっています。あえてオーソドックスなジャズを演奏していることからそう感じますし、まだジャズも進化する可能性がある事を訴えているようにも感じます。しかし若者が続いていかなければ死に絶えてしまうのは必然です。絶滅危惧種として保護するだけでは音楽は死んだも同然です。

Fast Lane

[20140927]

4x44x4
(2000/10/03)
Carla Bley

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2000年の作品です。8人編成のバンドによるジャズ作品です。金管楽器4人とピアノ、オルガン、ベース、ドラムの4人の構成というタイトルになっています。キングクリムゾンがやっている二つの四人組のバンドを合わせるようなやり方とは違っています。一般には4管と言う構成です。ビバップ系のジャズでありますが、オルガンが入っているので、オルガンジャズのようなファンキーな感じもあります。

1. Blues In 12 Bars - Blues In 12 Other Bars
2. Sidewinders In Paradise
3. Les Trois Lagons (d'après Henri Matisse)
4. Baseball
5. Útviklingssang

メンバーはピアノのCarla Bley、オルガンのLarry Goldings、ベースのSteve Swallow、ドラムのVictor Lewis、トランペットのLew Soloff、アルトサックスのWolfgang Puschnig、テナーサックスのAndy Sheppard、トロンボーンのGary Valente という構成です。この時代はヒップホップの影響でジャズをやる黒人がめっぽう減り、ニューヨークでも観光の為に演奏するようなジャズしか残っていないような状態になっていて、ジャズ作品をリリースするのもベテランのみになっているような状態で今日まで至っています。

ベテランともなると普通のジャズではなく、新しい発想のジャズをやるようになっていますので、この作品のようにオーソドックスなジャズは珍しくなっています。オーソドックスといってもカーラ独自のスタイルでありますが、フュージョンを経過した上でのオーソドックスなジャズになっています。この人にとっては流行は関係なく、自分が面白いと思った事をやるので、こういう作品を突然生み出しています。

Baseball
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[20140927]

Fancy Chamber MusicFancy Chamber Music
(2000/06/27)
Carla Bley

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98年の作品です。今回は室内楽と言う事で、弦楽器を中心にしたジャズになっています。ヨーロッパ音楽とジャズの融合のようでありながらタンゴがあったり、ラテン音楽を室内楽風にアレンジしていますので摩訶不思議な世界になっています。Steve Swallowもタンゴ独特のベースラインを高い音程で演奏したりして、踊れるようなタンゴにはなっていません。

1. Wolfgang Tango
2. Romantic Notion #4
3. End Of Vienna
4. Tigers In Training
5. Romantic Notion #6
6. JonBenet

室内楽と言う事で、いつものメンバーとは違っています。ピアノはCarla Bleyで、バイオリンのSteve Morris、ヴィオラのAndrew Byrt 、チェロのEmma Black 、ダブルベースがSteve Swallow、フルートのAlison Hayhurst 、クラリネットと鉄琴のSara Lee、パーカッションのChris Wells と言うメンバーです。ドラムとベースとピアノがジャズを演奏して、他の楽器が室内楽な装飾をつけるようなアレンジになっています。

弦楽器も同時に演奏したり、別々に演奏するような分解されたアレンジになっています。これは80年代に流行ったファンクのアレンジに似ています。こうする事によって、基本的なジャズの骨組みがいつものカーラの音楽のように鳴っていて、そこにいつもと雰囲気が違う弦楽器が絡んできて摩訶不思議な雰囲気が出来上がっています。ファンシーと言えばそうなのでしょうが、不協和音の構成はBGMのようなリラックスした雰囲気は与えてくれません。

Wolfgang Tango
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[20140926]

Big Band Goes to ChurchBig Band Goes to Church
(2000/06/27)
Carla Bley

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96年の作品です。ビッグバンドシリーズで、フランキーゴーズトゥみたいなタイトルですが、ビッグバンドでゴスペルを演奏しています。ゴスペルジャズです。それはまるでファンキージャズのようにソウルフルです。歌は入っていませんが、ゴスペルのノリをジャズとして演奏しています。ブルースもソウルもジャズから派生したと考えれば不自然ではありません。

1. Setting Calvin's Waltz
2. Exaltation / Religious Experience / Major
3. One Way
4. Beads
5. Permanent Wave
6. Who Will Rescue You?

Setting Calvin's Waltzはワルツなので3拍子ですので、スウィング感があります。レイチャールズがやりそうな曲をビッグバンドで気持ちよく演奏しています。カーラブレイがやっている音楽はジャズと言うより、アメリカの音楽そのものだと思います。黒人も居て、イタリア人も居て、スパニッシュも居て、南米からの移民も居て、チャイニーズは含まれていないようですが、様々な人種がランダムに生活しているアメリカそのものだと思います。

音楽と言う面では黒人、とくにジャズの影響力が大きく、それが後のポップスへと繋がっていきますから、基本はジャズでありながら、様々な要素を含めて独特な表現になっている音楽だと思います。今回のテーマは教会に行こうですから、ゴスペルという事になっているようです。多少ヨーロッパ系の教会音楽的な部分もみうけられますが、実際にこの音楽が教会で演奏されるのに適しているかは別として、又してもユニークな作品に仕上げています。

Setting Calvin's Waltz
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[20140925]

Big Band TheoryBig Band Theory
(2000/06/27)
Carla Bley

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93年のアルバムです。前作に引き続きビッグバンドでの演奏です。あまりスウィングしておらず、ジャズもフュージョンからスウィングする事を止めていますので、リズムはあまりスウィングさせていません。フレージングは3連になっていますのでシャッフルしていますが、ドラムは時折スウィングさせますが、ジャズらしいグルーヴではありません。

1. On The Stage In Cages
2. Birds Of Paradise
3. Goodbye Pork Pie Hat
4. Fresh Impression

フュージョンはファンクやロックのリズムを取り入れる事で、新しいジャズを生み出そうとマイルスが試行錯誤して出来上がったものです。なのでカーラも意図的にスウィング感を薄める事で現代的なジャズを構築しているように思います。勿論ジャズとして曲を書いているので3連でフレーズを創っていますが、ジャズのスウィング感で演奏させていません。ラテンやファンク、ソウルのリズムを感じさせるように演奏させています。あまり黒っぽさを感じないのです。

それ故に普通のジャズとは違う感覚を持ったビッグバンドになっています。ミンガスのGoodbye Pork Pie Hatのカバーもアレンジが斬新です。現代音楽的な感覚のジャズになっています。Alex Balanescu によるバイオリンを使うと言うのもジャズとしては珍しいもので、それをビッグバンドに含めてしまうのですから、昔のビッグバンドとはかなり雰囲気が違っています。だからこそ90年代でも革新的な作品になっています。

On The Stage In Cages
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[20140924]

Very Big Carla Bley BandVery Big Carla Bley Band
(2000/06/27)
Carla Bley

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91年のアルバムです。カーラ流ビッグバンド作品になっています。金管、木管の編成もカーラ独特のもので、昔のビッグバンドを再現するのではなく、カーラ独特のボイシングを実現する為に構成されています。ゆったりした曲が多く、ソウルフルなジャズになっています。ビッグバンドでクールジャズを演奏しているような感じです。

1. United States
2. Strange Arrangement
3. All Fall Down
4. Who Will Rescue You?
5. Lo Ultimo

メンバー構成はピアノのCarla Bley、トランペットがLew Soloff、Guy Barker、Claude DeppaとSteven Bernstein、トロンボーンがGary Valente、Richard EdwardsとFayyaz Virji 、バストロンボーンのAshley Slater 、オーボエ、フルート、クラリネット、サックスのRoger Janotta 、サックスがWolfgang Puschnig、Andy Sheppard、Pete Hurt、Pablo Calogero、オルガンのKaren Mantler、ベースのSteve Swallow、ドラムがVictor Lewis、パーカッションがDon Alias です。

ブルースと言うのはジャズの一種ですが、ブルースフィーリング、マーチング、レクイエムなど、クラシックなスタイルのジャズを新しい発想で演奏させています。ビッグバンドと言えばスウィングジャズですが、スウィングではありません。待ったシンプルな初期の頃のジャズにフュージョンテイストのアレンジに発展させるような今まで聴いた事がないようなジャズに仕上がっています。これこそがカーラマジックなのです。

All Fall Down
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[20140923]

SextetSextet
(2000/07/25)
Carla Bley

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87年のアルバムです。フュージョン系としてもお馴染みになってきたカーラブレイですが、Sextetと演奏者の人数を縮小した演奏になっています。所属の WattレーベルがECM に吸収された事によって、売り上げを伸ばした事によって多くの人に愛される作品となりました。かなり都会的なサウンドになっているので、フュージョンファンから大きな支持を得ています。

1. More Brahms
2. Houses & People
3. The Girl Who Cried Champagne
4. Brooklyn Bridge
5. Lawns
6. Healing Power

SextetのラインアップはオルガンとシンセのCarla Bley、ピアノのLarry Willis 、ギターのHiram Bullock 、ベースのSteve Swallow、ドラムのVictor Lewis 、パーカッションのDon Aliasです。ホーンセクションを排しただけで都会的なサウンドになるというのも皮肉な感じですが、普通のフュージョンバンドのスタイルで演奏されているので、ギターを中心にした演奏になっているのも親しみ易くなっています。

カーラにとっては普通の作品ですが、普通だからこそ売れています。斬新さよりも雰囲気を大事に演奏されています。曲自体は普通ですが、リズムに重点を置いているように感じます。滑らかなリズムでありながら、かなりリズムに工夫を凝らしています。それを自然に聴かせている所が非凡な所です。

More Brahms
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[20140923]

Heavy HeartHeavy Heart
(2000/07/25)
Carla Bley

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84年のアルバムです。フュージョンタイプの作品になっています。少しおしゃれな感じの、ラテンの要素もあるフュージョンスタイルです。奇をてらったような所はありませんが、しっとりと、じっくりと聴かせる作品です。Starting Againだけ緊張感のあるハードフュージョンであり、こういう曲にも挑戦する所は意表をついています。

1. Light Or Dark
2. Talking Hearts
3. Joyful Noise
4. Ending It
5. Starting Again
6. Heavy Heart

参加メンバーはいつものメンバーに少し変化があります。Carla Bleyはオルガンとシンセを弾いていて、トランペットのMichael Mantler、サックスのSteve Slagle、トロンボーンのGary Valente 、チューバのEarl McIntyre、ピアノのKenny Kirkland 、ギターのHiram Bullock 、ベースはSteve Swallow、ドラムがVictor Lewis、パーカッションのManolo Badrena という布陣です。

ライトフュージョン全盛期であり、時代に合ったスタイルですが、一つのスタイルに固執する事無く、様々な表情のある曲を書いています。ラテン系にはホーンセクションが活かされてきますが、普通のフュージョンスタイルではエレキギターが主役になっています。あまりにも普通のフュージョン作品として聴く事も出来ますが、その中でも非凡な才能を認めざるおえないくらい、センスのいい曲を書いています。

Joyful Noise
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[20140923]

I Hate to SingI Hate to Sing
(2000/07/25)
Carla Bley

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84年のアルバムです。本当は歌うのは好きじゃないとアルバムタイトルで前置きしておきながらの、思いっきり歌いまくっている作品になっています。トーキングスタイルの歌い方なので、そこはひねくれているのかもしれません。曲はファンキーだったりして、フュージョンを崩したようなユニークなジャズで、そこに言葉を並べているような曲作りになっています。

1. The Internationale
2. Murder
3. Very Very Simple
4. I Hate To Sing
5. The Piano Lesson
6. The Lone Arranger
7. Battleship

参加しているミュージシャンはいつものCarla Bley Bandのメンバーで、ソウルフルだったり、ポップの要素も含めたジャズですので、ジャズとしてはかなりユニークな曲になっています。そこは白人女性作曲家ならではの感性であり、男の黒人ジャズメンには創れないような曲になっています。そこが彼女の魅力であり、それでいて黒人プレイヤーに好まれるような斬新さを持っています。

ジャズをよく熟知しているからこその斬新さであり、それに加えて、ポップスの要素を取り込む事に躊躇無い潔さを持っています。そしてそれを表現する優れたミュージシャンが味方についてい事も強みです。主流はフュージョンに移行してしまっている時代でしたが、昔ながらのジャズもまだ活きていて、そこに新しいエッセンスを与える刺激的な作曲家なのであります。

The Internationale
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[20140923]

Social StudiesSocial Studies
(2000/07/25)
Carla Bley

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81年のアルバムです。Steve Swallowとの競作、Reactionary Tangoで始まります。ジャズ形態での演奏によるタンゴです。Steve Swallowのベースラインがタンゴでありながらジャズ的な音を出しているのがかっこいいです。商業ベースに左右されない活動をに専念しているからこそ成し得る作曲ワークも80年代になっても斬新な曲を創り続けています。

1. Reactionary Tango (In Three Parts)
2. Copyright Royalties
3. Útviklingssang
4. Valse Sinistre
5. Floater
6. Walking Batteriewoman

参加ミュージシャンはトランペットのMichael Mantler、サックスがCarlos WardとTony Dagradi 、EuphoniumのJoe Daley、トロンボーンのGary Valente、チューバのEarl McIntyre、ベースがSteve Swallow 、ドラムがD. Sharpe で、ピアノ、オルガンがカーラです。金管楽器で構成する事が多いようです。ビバップのようにサックスとトランペットがあれば良いと形態ではなく、ジャズオーケストラのようにトロンボーンやチューバで中低音にも配慮をしています。

フュージョンでエレクトリック化したジャズだけではなく、マイルスとは別の道でのジャズの進化を問う作品になっているように感じます。どのミュージシャンも素晴らしいミュージシャンが参加していますが、演奏にこだわらない曲として、音の構成に重点を置いて作曲されていますので、脱ビバップでありながらもフュージョン以降の曲として完成されるジャズと言う点では、同じ方向を向いているようにも感じます。ジャズですからアドリブによる発展も見据えた作曲法は現代音楽的でもあります。

Reactionary Tango (In Three Parts)
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[20140922]

白鵬は全盛期を思わせるような集中力で全勝。鶴竜も全勝で続いています。新入幕の逸ノ城も7勝で大健闘しています。平日でも満員御礼が久々に続いていて、大盛況となっています。これも上位の力士だけでなく、新人、中堅の力士が注目されるくらい相撲ファンが帰ってきたからだと思います。

中日までの上位の成績
白鵬 8勝0敗
日馬富士 3勝2敗4休
鶴竜 8勝0敗
稀勢の里 7勝1敗
琴奨菊 4勝4敗
豪栄道 5勝3敗
妙義龍 0勝0敗9休
豪風 4勝4敗
千代大龍 1勝7敗
常幸龍 2勝6敗
照ノ富士 2勝6敗
遠藤 1勝7敗


遠藤は何とか1勝しただけで、馬力を感じません。上位陣とも何度もあたっているので、そろそろ本気で頑張ってもらわないといけません。何度も負け越して強くなっていくものかもしれませんが、何とかしてやろうという気力が足りないように感じます。40歳の旭天鵬も6勝と頑張っています。上位だけでなく、全体的に白熱した相撲で毎日盛り上がっています。ここで抜け出すのが誰なのか、千秋楽まで目が離せません。

中日 幕内全取り組み

[20140921]

Musique Mecanique [12 inch Analog]Musique Mecanique [12 inch Analog]
(2009/01/22)
Carla Bley

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79年のアルバムです。プロデュースはCarla Bley自身で、完全に彼女の意のままにコントロールされた演奏になっています。Musique Mecaniqueという組曲を中心にフリージャズを作曲によりコントロールしています。フリーの音階はずしも意図的に作曲されているようです。60年代後半にはフリージャズ系の作品を創っていましたので、それを更に強力にしたような内容になっています。

1. 440
2. Jesus Maria And Other Spanish Strains
3. Musique Mecanique I
4. Musique Mecanique II (At Midnight)
5. Musique Mecanique III

参加しているミュージシャンはトランペットのMichael Mantler、サックスがAlan Braufman とGary Windo、フレンチホルンのJohn Clark 、トロンボーンのRoswell Rudd 、チューバのBob Stewart 、ピアノ、オルガンのTerry Adams 、ベースがSteve SwallowとCharlie Haden 、ドラムのDenotra Sharpe 、ギターのEugene Chadbourne 、グロッケンのKaren Mantler、カーラはオルガン、ピアノ、トイピアノを演奏しています。

フリージャズのように無音階というのは現代音楽の手法でありますが、それをより構築的に組み合わせている所にカーラの人並みはずれた感性があります。タイトル曲のMusique Mecaniqueは大道音楽のようなノスタルジックで、まるでイタリア映画のサントラみたいなメランコリーな曲になっています。楽器の配列が絶妙で、ジャズオーケストラ的なアレンジは絶妙です。名盤です。

440
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[20140921]

Dinner MusicDinner Music
(2000/07/25)
Carla Bley

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77年のアルバムで、フュージョンフォーマットで演奏されたアルバムです。ニューヨークのスタジオミュージシャン集団、スタッフ系のミュージシャンで演奏されていますので、ソウルやファンクなどが融合したジャズになっています。ディナーでも楽しみながら聴けるような音楽と言う意味合いがあるのかもしれませんが、難しく考えないで楽しめるジャズでありながら凄い事をやっています。

1. Sing Me Softly Of The Blues
2. Dreams So Real
3. Ad Infinitum
4. Dining Alone
5. Song Sung Long
6. Ida Lupino
7. Funnybird Song
8. A New Hymn

参加ミュージシャンはトランペットのMichael Mantler、サックスのCarlos Ward 、トロンボーンのRoswell Rudd、チューバのBob Stewart 、ピアノ、エレピのRichard Tee 、ギターがCornell DupreeとEric Gale,、ベースがGordon Edwards、ドラムがSteve Gaddと、ほぼスタッフのメンバーにホーンセクションをつけた形になっています。カラーはオルガンにピアノ、テナーサックス、歌も歌っています。プロデュースがGeorge Jamesとの共同で、フュージョンを意識した陣列になっています。

60年代は他の人とのコラボレーションが中心でしたが、70年代に入って自分がリーダーの作品をリリースするようになりました。その頃にはフュージョンが定着しており、彼女もそのフォーマットで作曲、もしくは昔の曲をフュージョンアレンジで演奏しています。とても穏やかでディナーにぴったりの音楽になっています。彼女の代表作であり、名盤であります。

Sing Me Softly Of The Blues
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[20140921]

Tropic AppetitesTropic Appetites
(2000/07/25)
Carla Bley

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ジャズの作曲家、ピアニストのカーラブレイ、74のファーストリーダー作品です。ビバップ以降の作曲家であり、クールジャズに属するでしょうか、白人女性のジャズ作曲家ということで、最初は相手にされず売れない日々を送っていました。最初の夫ポールブレイと結婚してから徐々に個性的な曲を書くようになり、Charles HadenやGary Burtonなどに曲を取り上げてもらい、名前が知れ渡るようになっていきます。

1. What Will Be Left Between Us And The Moon Tonight?
2. In India
3. Enormous Tots
4. Caucasian Bird Riffles
5. Funnybird Song
6. Indonesian Dock Sucking Supreme
7. Song Of The Jungle Stream
8. Nothing

このアルバムは二番目の夫 Michael Mantlerのプロデュースで制作されています。演奏しているのはサックスのGato Barbieri、ベース、チェロのDave Holland、チューバやバスクラリネットのHoward Johnson、夫のMichael Mantler はトロンボーンやトランペット、バイオリン、ヴィオラのToni Marcus 、ドラムのPaul Motian 、歌ものもあり、Julie TippettsとKaren Mantlerが歌っています。

Carla Bleyはピアノなどの鍵盤楽器の他にもチェロ、マリンバなどマルチな演奏をしています。ビバップ以降、曲よりも演奏に重点がおかれているため、曲を創れると言うのは重宝しており、しかも個性的な解釈のジャズの展開は実にユニークでかっこいいです。時代はフュージョンの時代になっていますので、歌ものは少しフュージョンタッチな感じもします。アドリブありきの作曲と言う事もありますが、ほとんどが譜面でコントロールされていて、クールジャズの発展系と言えるでしょう。かっこいいジャズです。

What Will Be Left Between Us And The Moon Tonight?
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[20140921]

Pogue MahonePogue Mahone
(1995/10/13)
Pogues

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96年のアルバムで、ラストアルバムになります。この後解散していますが、最近は全盛期のメンバーで再結成してライブ活動を行っていますが、新作は出していないので、実質このアルバムがラストとなっています。メンバーも入れ替わっていて、新しいボーカルのSpider Stacyを中心に制作されていますが、売り上げが伸びなかったことで、潮時を判断したようです。

1. How Come
2. Living In A World Without Her
3. When the Ship Comes In
4. Anniversary
5. Amadie
6. Love You 'Till the End
7. Bright Lights
8. Oretown
9. Pont Mirabeau
10. Tosspint
11. Four O'Clock In The Morning
12. Where That Love's Been Gone
13. The Sun and the Moon

オープニングがRonnie LaneのカバーHow Comeで始まっていて、ソウルミュージックになっているので意表をつかれます。先輩のヴァンモリソンやディキシーミッドナイトランナーズみたいなアイリッシュソウルになっています。全体的にもソウルフルな感じになっているのはSpider Stacyの志向性なのかもしれません。ソウルミュージックの要素が入る事で曲は良くなっていると思います。これが全盛期のメンバーでの録音なら売れていたと思いますが、メンバーチェンジの繰り返しで知名度が落ちていったようです。

ピアノやエレキギターが入るだけで雰囲気が全く違ってきますが、ケルトミュージックと言うのは後にカントリーミュージックへ発展し、ロカビリーになり、ロックンロールになっていきますので、ロックミュージックのルーツの一つでありますので、ケルトの雰囲気を失う事がありません。もっともっと融合して行ってしまったら普通のポップスになってしまうかもしれませんが、より発展する可能性を秘めていたバンドだったと思います。音楽的には完成度が増して素晴らしいアルバムになっていると思います。

How Come
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[20140920]

Waiting for HerbWaiting for Herb
(2008/01/13)
Pogues

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93年のアルバムです。リードシンガーのShane MacGowan.が脱退した事で、解散寸前だったバンドをジョーストラマーが一時ボーカルで入ってバンドを継続させ、新しくボーカルのSpider Stacyを加えて制作されたアルバムです。プロデュースはMichael Brookで、エレクトリックな処理で近代的な音に処理しています。

1. Tuesday Morning
2. Smell Of Petroleum
3. Haunting
4. Once Upon a Time
5. Sitting On Top of the World
6. Drunken Boat
7. Big City
8. Girl From The Wadi Hammamat
9. Modern World
10. Pachinko
11. My Baby's Gone
12. Small Hours

Spider Stacyのボーカルはパンチが弱くなりましたが、やはりアイリッシュ訛りでジョーストラマー系の歌い方をしています。曲もトラディショナルでいつもの感じですが、エフェクト処理が多く、目立つので、モダンな感じになっています。パンク色は薄れて、ポップ感が強くなっていると思います。エレキギターもこれまではナチュラルな音色でしたが、かなりエフェクトをかけていてロック色が強くなっています。

残されたメンバーが頑張っているので、全曲オリジナル曲になっています。それでもロック色を強めていったShane MacGowanをクビにした事でトラディショナル感をキープしたままポップになっています。時はワールドミュージックブームでもあり、ケルトミュージックも見直されていましたので、売り上げは多少下がったものの、それほど落ち込んでいません。パンク感覚ではなく、ワールドミュージックとして楽しめる作品になっています。

Tuesday Morning
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[20140920]

Hell\'s DitchHell\'s Ditch
(1994/03/15)
Pogues

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90年のアルバムです。プロデュースにはクラッシュを解散させたJoe Strummerが担当しています。歌い方も、曲の作り方も似ているこの関係は良い方向に働いて、よりトラディショナルに、よりパンキッシュなサウンドになっています。特に、これまで奥の方で鳴っていたドラムが前面に出てきた事によって、ロックバンドライクな演奏に聴こえるようになっています。

1. The Sunnyside of the Street
2. Sayonara
3. The Ghost of a Smile
4. Hell's Ditch
5. Lorca's Novena
6. Summer in Siam
7. Rain Street
8. Rainbow Man
9. The Wake of the Medusa
10. House of the Gods
11. 5 Green Queens And Jean
12. Maidrin Rua
13. Six to Go

バンドの中心人物だったボーカルのShane MacGowanがこのアルバムを最後にクビになってしまいます。ですからメンバーチェンジが多いバンドでしたが、オリジナル感があるのはこのアルバムまでとなります。しかし、ドラムが前面に出て、しかもロックなパターンを叩いていると、これまでの作品とは異質な感じがします。マンドリンによるソロもギターソロのように前面に出てくるロック的な配列になっていて、Joe Strummerはあくまでもこのバンドをロックバンドとして認識しているのが分かります。

恐らくバンドは意図していないようなミキシングになっていると思いますが、これによってよりロックファンにも親しみ易い感じになっているのも事実です。下手なオーバーダビングをする事無く、バンドの演奏を忠実にレコーディングしているだけですが、音圧がロック的なので、ロックアルバムとしての印象が強くなっています。ロック的といってもパンク色はそれほど強く感じません。まるでプログレッシヴロックのような雰囲気です。

Full Album
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[20140920]

Peace And LovePeace And Love
(1989/01/01)
The Pogues

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89年のアルバムです。再びSteve Lillywhiteをプロデューサーに起用。オープニングのGridlockはいきなりのジャズ風の演奏で始まります。前作でも少しジャズアレンジを導入していましたが、トラディショナルの演奏形態でもジャズという新局面を見せています。全曲オリジナルと言うのも初めてで、それだけ実力がついてきた証でしょう。

1. Gridlock
2. White City
3. Young Ned of the Hill
4. Misty Morning, Albert Bridge
5. Cotton Fields
6. Blue Heaven
7. Down All the Days
8. USA
9. Lorelei
10. Gartloney Rats
11. Boat Train
12. Tombstone
13. Night Train to Lorca
14. London You're a Lady

80年代サウンドの基礎を築いてきたSteve Lillywhiteがアコースティックな楽器でも器用な音処理をしています。アコースティック楽器はライン録りが出来ませんので、マイクでの録音になります。ですからアナログな空気感がきちんと息づいています。そこでプロデューサーのセンスが問われるのが一つ一つの楽器の輪郭をぼやかさずにくっきりと聴こえるように処理する事ですが、そこでも抜群のセンスを発揮しています。

バンドのフォーマットはケルトミュージックを演奏する形態ですが、これをエレキギターなどで演奏すればそのままパンクロック、特にクラッシュのような曲になるくらいロック色が強くなっています。ホーンアレンジなどが入るとスカのようでもあり、80年代のロンドンの音が反映されながらもトラディショナル感もしっかりだしていて、その融合の度合いのバランスが良い作品に仕上がっています。

Full Album
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[20140920]

堕ちた天使堕ちた天使
(2005/05/25)
ザ・ポーグス

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88年のアルバムです。プロデュースは時の人Steve Lillywhiteです。ゲートリバーブで有名になった人ですが、アコースティック楽器の音処理も得意分野なので、彼らの素朴な良さを失わずにサウンドをよりモダンな処理をする事に成功しています。そしてKirsty Maccollと競作したFairytale Of New Yorkがシングルで大ヒットしたことにより、世界的な成功を収める事になり、アルバムも大ヒットしました。彼らの代表作となっています。

1. If I Should Fall From Grace With God
2. Turkish Song Of The Damned
3. Bottle Of Smoke
4. Fairytale Of New York (Feat. Kirsty Maccoll)
5. Metropolis
6. Thousands Are Sailing
7. Fiesta
8. Medley: The Recruiting Sergeant / The Rocky Road To Dublin / Galway Races
9. Streets Of Sorrow / Birmingham Six
10. Lullaby Of London
11. Sit Down By The Fire
12. The Broad Majestic Shannon
13. Worms

何度もメンバーチェンジを繰り返していますが、スタイルは変わる事無く、よりポップチャートにも食い込めるだけの感覚を身につけています。ケルトミュージックも民族音楽なので、決まった音階で作曲されていますので、似たような曲になりがちですが、そこに若者ならではのポップ感覚を織交ぜてオリジナルな作品を生み出しています。Metropolisでは007のようなオーケストレーションを入れたりしています。

Shane MacGowanの歌い方にもアイリッシュな訛りがあるようで、ボブゲルドフあたりに感じが似ています。ケルトミュージックも元々のブリテン島にあった伝統的な音楽ではなく、アジアからの移民がボヘミア地方やスペインを通ってきて様々な民族との融合、混血をしてきて出来た音楽でありますが、長い歴史の中で伝統的な音楽になっています。それをパンク世代によってモダンな音楽として蘇らせたポーグスの歴史的な名盤であります。

If I Should Fall From Grace With God
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[20140919]

Rum Sodomy & The LashRum Sodomy & The Lash
(2004/12/25)
Pogues

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85年のセカンドアルバムです。自ら前座に起用していた Elvis Costelloによるプロデュースになっています。普通に聴くと地味なケルトミュージックですが、オリジナル曲も増えて、パンク、ニューウェイヴ感覚を演奏に反映させる融合の具合がより鮮明になっています。ですからロックアルバムとしても聴き応えのある内容になっています。

1. The Sick Bed Of Cuchulainn
2. The Old Main Drag
3. Wild Cats Of Kilkenny
4. I'm A Man You Don't Meet Every Day
5. A Pair Of Brown Eyes
6. Sally MacLennane
7. Dirty Old Town
8. Jesse James
9. Navigator
10. Billy's Bones
11. The Gentleman Soldier
12. The Band Played Waltzing Matilda
13. A Pistol For Paddy Garcia
14. London Girl
15. A Rainy Night In Soho
16. The Body Of An American
17. Planxty Noel Hill
18. The Parting Glass

パンク的なことにはこだわらずに素直にケルトミュージックを前面に出している所がこのバンドの特長で、売れる為にパンクな部分を前面に出す事はしていません。そういう所がかえってアナーキーな感じがします。本来のケルトミュージックが好きな人にとってはうるさいかもしれませんが、ポップチャートにこういう音楽が入ってくると状況も変わってきます。ブリタニアンな人達にとっては心の歌であり、嫌いな人はほとんどいないでしょう。

一時期のトムウェイツみたいな感じの曲もあり、ロックファンにとっても初めて聴くタイプでもないと思いますが、パンクに演奏するのはこのバンドが初めてです。後のトイドールズを思わせるようなsally maclennaneなど、伝統と反抗の象徴であるパンクの融合は新たな可能性を示しています。ただ、このバンドに続くようなフォロワーは成功していません。カバーが多かったファーストよりはロック色が強くなっています。

The Sick Bed Of Cuchulainn
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[20140918]

Red Roses for Me [Analog]Red Roses for Me [Analog]
(2014/09/23)
Pogues

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パンクケルトミュージックと言うユニークなスタイルを打ち立てたポーグスの84年のファーストアルバムです。本来はPogue Mahoneと言うバンド名で、ゲール語のキッスマイアスと言う意味だった為、BBCで問題とされ、同局では夜8時から12時まで以外の時間帯は放送禁止になったため、バンド名をポーグスに変更しました。クラッシュの前座を務めて名前と音楽を広めていきました。

1. Transmetropolitan
2. Battle of Brisbane
3. Auld Triangle
4. Waxie's Dargle
5. Boys from the County Hell
6. Sea Shanty
7. Dark Streets of London
8. Streams of Whiskey
9. Poor Paddy
10. Dingle Regatta
11. Greenland Whale Fisheries
12. Down in the Ground Where the Dead Men Go
13. Kitty

メンバーはギターとボーカルのShane MacGowanを中心にバンジョーのJem Finer 、ホイッスルのSpider Stacy 、アコーディオンのJames Fearnley 、ベースのCait O'Riordan 、ドラムのAndrew Rankenの6人組です。プロデュースはStan Brennanで、Stiffレーベルからデビューしました。まだトラディショナル曲のカバーが多いですが、パンク、ニューウェイヴ感覚でケルトミュージックを演奏するというスタイルは斬新でした。多くのミュージシャンから気に入られています。

イギリスやアイルランドのトラディショナルは馴染みがありますが、ケルトミュージックとして認識し始めたのがこのバンドからだったと思います。後のエンヤの登場でブームとなっていきますが、ポールマッカートニーの夢の旅人などのヒットで既に日本でもケルトミュージックは浸透していたのです。アメリカのカントリーミュージックのルーツでもありますが、若者が演奏して売れると言うのはまれな事でした。

FULL ALBUM
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[20140917]

Casa BabylonCasa Babylon
(1994/05/17)
Mano Negra

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94年のアルバムで、ラストアルバムになります。高速ラテンの淫猥な感じをハウステクノの手法で表現しています。90年代に入って、時代のスタイルを取り入れた形になっています。複数のラッパー、DJをゲストとして迎えて、ラジオ形式で進行していきます。マルコムマクラレーンのファーストのような感じですが、世界中の言葉でアナウンスが入ります。流暢な日本語も入ります。

1. Viva Zap Ata
2. Casa Babylon
3. The Monkey
4. Senor Ma Tanza
5. Sant A Maradona
6. Super Chango
7. Bala Perdida
8. Machine Gun
9. El Alakran
10. Mama Perfect
11. Love And Ha Te
12. Drives Me Crazy
13. Hamburger Fields
14. La Vida
15. Sueno De Solentiname

民族音楽の要素もあるので、エスニックハウスのような雰囲気もあり、この新しいフォーマットでもマノネグラの世界が縦横無尽に発揮されています。サンプリングループも使われていますが、デジタル臭さが全くありません。それでいて80年代とは違う空気感がしっかり伝わってきます。当時様々なテクノの進化が行われてきましたが、その中でも全てを総括しながらもトップクォリティーの完成度です。これで解散はもったいない限りです。

スカ、ダブのビートもブリストル系のテクノのようであり、並外れた才能の集団だったと思います。サウンドエフェクトも様々有り、音の破片が舞い踊るスーパーエスニックハイパーテクノになっています。これ以上の作品には滅多にお目にかかれません。時代が生んだ風雲児、マノネグラの名はロック史に燦然と輝いています。これ以上のバンドはもう出てこないかもしれません。歴史的名盤です。

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[20140916]

King of BongoKing of Bongo
(2002/05/29)
Mano Negra

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91年のアルバムです。よりダブって、アグレッシヴで、アヴァンギャルドな作品になっています。淫猥さも増して、彼らの独自のごちゃまぜワールドの完成度を高めています。これまではいろんなジャンルが見えるくらいの混ぜ方でしたが、もはや全てが融合して解け合って、溶け合ってマノネグラサウンドとして独自のジャンルになろうとしています。何人も追従出来ないくらい独走態勢に入っています。

1. Bring The Fire
2. King Of Bongo
3. Don't Want You No More
4. Le Bruit Du Frigo
5. Letter To The Censors
6. El Jako
7. It's My Heart
8. Mad Man's Dead
9. Out Of Time Man
10. Mme Oscar
11. Welcome In Occident
12. Furious Fiesta
13. The Fool
14. Paris La Nuit

曲を創る時のアイデアでは何かをイメージしていると思いますが、バンドで演奏する時にはいろんな要素が交わってきているのだと思います。そしてレコーディングする時にはもっと多くのアイデアが盛り込まれて、えも言われぬ世界観が生まれるのでしょう。しかし、最初のイメージの格好良さは失われていないと思います。シャンソンも民族音楽のように演奏しています。

独自の世界観を持っているので、時代が変わっても色褪せていません。いまだにこのバンドを超えるようなアイデアを持ったミュージシャンは登場していません。今聴いても充分な破壊力を持っています。過激なだけではなくエロいと言う所がミソで、破壊的であっても色気があるので、ポップ感覚で楽しめます。エロい民族音楽を選んでいるのも要因でしょうが、そのセンスは突出しています。こういうバンドをコピーしないで日本のロックの未来は無い。問答無用の名盤です。

Full Album
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