

86年のアルバムです。プロデューサーはKeith Olsenで、前作同様ヒット性のある曲ばかりになって、
サザンロックバンドらしさがどんどん薄れてきています。曲もよく出来ていますし、アレンジもよく行き届いたアレンジになっていますが、初期の頃の野性味が無く、去勢された雄のようであります。よくありがちなアメリカンロックであり、これぞ商業ロックの賜物であります。
1. Somebody Like You
2. Like No Other Night
3. Last Time
4. Once In A Lifetime
5. Just A Little Love
6. Has There Ever Been A Good Goodbye
7. One In A Million
8. Heart's On Fire
9. Against The Night
10. Never Give An Inch
Heart's on Fire、Like No Other Night、Somebody Like Youの3曲をシングルヒットさせていて、アルバムも売れています。ただし、コンパクトにまとめられたフォーマットになっていて、冒険心が全く感じられません。ヒットチャートの常連になってしまったら、同じものをレコード会社から求められてしまいます。バンドの意向に関係なくレコード会社からの要求に応えなければなりません。これが商業ロックによるジレンマであり、成長する事を去勢されてしまうのです。
売れる曲を創ると言う事は、良い曲を書く事であり、それも大変な作業であります。それでも同じような曲を創るのであれば、方法は分かり易く、いつも通りにやればいい訳で、バンド内における予期せぬ偶然性による化学反応は得られません。出来たものを演奏するだけの作業になります。そういう
音楽は売れるかもしれませんが聴いていて面白いものではありません。唯垂れ流すだけの
音楽、心に残らない
音楽が量産される仕組みは、この時期から現在に至るまで続いていいます。
Somebody Like You