

93年のアルバムです。前作に引き続きビッグバンドでの演奏です。あまりスウィングしておらず、ジャズもフュージョンからスウィングする事を止めていますので、リズムはあまりスウィングさせていません。フレージングは3連になっていますのでシャッフルしていますが、ドラムは時折スウィングさせますが、ジャズらしいグルーヴではありません。
1. On The Stage In Cages
2. Birds Of Paradise
3. Goodbye Pork Pie Hat
4. Fresh Impression
フュージョンはファンクやロックのリズムを取り入れる事で、新しいジャズを生み出そうとマイルスが試行錯誤して出来上がったものです。なのでカーラも意図的にスウィング感を薄める事で現代的なジャズを構築しているように思います。勿論ジャズとして曲を書いているので3連でフレーズを創っていますが、ジャズのスウィング感で演奏させていません。ラテンやファンク、ソウルのリズムを感じさせるように演奏させています。あまり黒っぽさを感じないのです。
それ故に普通のジャズとは違う感覚を持ったビッグバンドになっています。ミンガスのGoodbye Pork Pie Hatのカバーもアレンジが斬新です。現代
音楽的な感覚のジャズになっています。Alex Balanescu によるバイオリンを使うと言うのもジャズとしては珍しいもので、それをビッグバンドに含めてしまうのですから、昔のビッグバンドとはかなり雰囲気が違っています。だからこそ90年代でも革新的な作品になっています。
On The Stage In Cages