2013年の作品です。リーダーアルバムではこれが最新作になっています。ECMレーベルからのリリースで、プロデュースはManfred Eicherという定番の構成でトリオ編成での演奏になっています。楽曲は既にリリース済みの曲を演奏していたりしていますが、トリオならではのアレンジになっていて、編成が変わるごとに新たな発想を与えています。
1. Útviklingssang
2. Vashkar
3. Les Trois Lagons (D'Après Henri Matisse)
4. Wildlife
5. The Girl Who Cried Champagne
Carla Bleyがピアノ、必ず外せないベースのSteve Swallow、サックスがAndy Sheppardの三人による演奏です。Andy Sheppardのサックスを活かす為の演奏のような雰囲気ですが、Steve Swallowのベースによるリード演奏も少人数になればなるほど彼のバースは大活躍します。新曲のLes Trois LagonsとWildlifeは三部構成の組曲になっています。
唯思うがままに演奏しまくるジャズを芸術に域まで高めたのがクールジャズであります。これにはビバップをやっていたマイルスも絡んでいます。アドリブに命をかけていたマイルスも計算され尽くした
音楽を好んでいました。秩序があってこそのアドリブだと思っていたので、フリージャズには手を出しませんでした。クールジャズは譜面に忠実に演奏するジャズであり、そこで活躍するのが作曲家であります。
Carla Bleyもその中の重要な一人であり、彼女ならではの美学が光っています。フィーリングを重んじる黒人
音楽において、ジャズほど
音楽理論にこだわっている
音楽はありません。理論を突き詰めていくと民族
音楽から派生した黒人
音楽と西洋音楽には矛盾が生じてきます。それを解決させたのが独自に発展してきたジャズ理論であります。西洋音楽ではタブーであったことを正当化させる事が出来る魔法の理論であります。それが今日のポップスを生み出してきました。その理論の中で、どれほど活きた演奏をするかが演奏家の責務であり、その全てを成し遂げている、そう思える演奏になっています。
Útviklingssang