94年のアルバムです。ジャケットが物議を醸し出しそうですが、インディーズからのリリースなので、日本ではそれほど問題になっていません。サウンド面はより動きのあるアンビエント作品になっています。エレクトロニカなスタイルをいち早くやっていますが、ドラムレスなのです。しかし、フレーズにビート感があって、それでいて残響音を大事にしたアンビエントなスタイルにした摩訶不思議なサウンドなのです。
1. Our Eyes Still Turn: Choice Hard As Tooth
2. Thee Blood: Thee Room
3. Thee Shadow Wood: Refuse This Laughter
4. Outclass Death: Assembled Razors Stifle Breath
5. Cathedral Engine: Mark Cold Stone
6. Manouevre Plagues To Stand: Alone In Madness
7. Shame: Makes Two Late
8. Slow Motion: Flood: Opens Thee Gate
サンプリング音だけではなくギターは生で演奏しています。アナログシンセの初歩的な音からサンプリングした音をシンセサイズさせた複雑な音まで、70年代から90年代にかけての音がごっちゃになってうごめいているような
音楽です。あきらかにこの時期のテクノとは一線を画すした作品になっています。ジャーマンロックが壮絶な進化を遂げたような音です。
タンジェリンドリームの初期の頃のサウンドをより過激にしたような音と言えば良いのでしょうか。もはや独走態勢に入ったような独自の世界観を創り上げています。生演奏とサンプリングが同時に存在しているので、アナログ感とデジタル感が不思議な空気感を生み出しています。そして
音楽としてもとても美しい響きを出しています。何か、生々しくも淫美な世界であります。
Thee Blood: Thee Room