ファミリーはサイケから
プログレへと進化していったイギリスのバンドで、68年のデビューアルバムです。この時点でのメンバーはボーカルのRoger Chapman、ギターがJohn "Charlie" Whitney 、サックスのJim King、ベースがRic Grech、ドラムがRob Townsend の5人組です。プロデューサーは既にTrafficでサイケな作品をリリースしていたDave Masonです。Jimmy Millerもプロデュースに参加していて、エンジニアはEddie Kramer です。これだけでも凄い作品である事が分かります。
1. The Chase
2. Mellowing Grey
3. Never Like This
4. Me My Friend
5. Variation On A Theme Of Hey Mr Policeman
6. Winter
7. Old Songs For New Songs
8. Variation On A Theme Of The Breeze
9. Hey Mr Policman
10. See Through Windows
11. Variation On A Theme Of Me My Friend
12. Peace Of Mind
13. Voyage
14. The Breeze
15. 3 X Time
Roger Chapmanのビブラートをかけまくった歌い方が特徴的で、
音楽的にはジェネシスに近いと思います。ジェネシスはまだビージーズみたいな曲を創っていた頃ですから、ジェネシスがこのバンドを手本としていた事が分かります。サイケなギミックを多く含んでいますが、曲の荘厳さは既に
プログレらしき形になり始めています。後にJohn Wettonが在籍していた事で注目されるようになりましたが、当時は単なるサイケバンドの中の一つでしかありませんでした。
ブルース曲もあったり、60年代後半らしいサウンドがひしめき合っていますが、68年というまだクリムゾンも登場していない時期にこの完成度は凄いです。ジェネシスの創世記から侵入者までの間に存在するようなサウンドです。サイケによりクラシック、ジャズ要素を取り込んでいったのが
プログレだとすればその原型のようなもので、ムーディーブルースやプロコルハルムと同じ時期に既に
プログレの基盤を創り上げている偉業者であります。サイケな感じにも風格を感じさせる歴史的名盤です。
Full Album