90年のアルバムです。Nile RodgersやPeter Wolfなど複数のプロデューサーを起用しています。まだまだ80年代サウンドしています。生演奏とサンプラーを使った打ち込み不思議な組み合わせで共存しています。まったく異質な音質が違和感を感じさせますが、何故かうまくまとまっているのです。彼の
ソウル フルな部分を全面に出した作風になっていて、これまでの中では一番歌を感じさせます。
1. Heaven Can Wait
2. Right About Now
3. Oh Girl
4. Little Bit Of Love
5. Stop On By
6. Our Time Has Come
7. Softly Whispering I Love You
8. Together
9. It's What She Didn't Say
10. Calling You
ソウル ミュージックを80年代ならではのアレンジで再現するという主旨は貫かれていて、バンド色が強めなのは90年代に近くなっていると思いますが、やたらエレクトリックなギミックが入る所がこれまでのスタイルを継承しています。ブルーアイド
ソウル というホール&オーツを手本にしているからなのでしょう。ここまでは何とか売れていますが、やがて時代に埋もれてしまいます。ヒップホップが主流になって従来の
ソウル ミュージックが古くさくなってしまうからです。
打ち込みを少なめにしていた方が方向性がはっきりしてよかったと言う印象です。複数のプロデューサーを使っているので統一感がいまいちなのです。それでも彼の歌唱力を遺憾なく発揮するようになっています。そうなると今までのファンが離れていくと言うのは皮肉な感じです。ある意味ニューウェイヴの衣を着た
ソウル シンガーでしたから、ニューウェイヴの衣を脱げば普通のシンガーになってしまいます。それでも素晴らしい歌声ですから、それだけで勝負する方向性を見いだすのが生き残れる道だったと思います。
Heaven Can Wait
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