2013年のアルバムで、現在までの最新作になっています。曲はいつも通りしっかり作曲されていますが、今回はスタジオライブと言いますか、スタジオセッションの生々しい感じで演奏されています。演奏されたまんまのミキシングで、オーバーダビングも少ないようです。そもそもジャズ作品はスタジオでのセッションを何テイクか録音した中から一番良いものを選択するやり方が多く、一発録りは当たり前で、それを編集してまとまりのある曲に仕上げると言うマイルスの手法もフュージョンバンドでは継承されていました。その原点に立ち返った内容になっています。
1. Serious Delivery
2. Wishful Thinking
3. Not Unlike That
4. Sorbet
5. I Know What You Mingus
6. Off The Cuff
7. Clubhouse Jam
8. Odds Get Even
9. Who Knew!
恐らくスタジオでのマイク録りにより生々しい質感になっているようです。テクニシャン揃いですから、この手法はいつでも出来たと思いますが、サウンドメイキングでの演出も重要視していました。それを取っ払って、ライブ感覚での作品にしているので、バンドとしての格好良さがストレートに伝わってきます。マイルドなサウンドとエッジの効いたサウンドの立体感も明確で、荒々しいだけのライブレコーディングとは質が違います。
スムーズジャズを卒業してフュージョンバンドとして生き残っている現役バンドとしての使命に応えた形になっています。しっかり作曲されているからこそ、セッション形式でも内容の濃い展開も素晴らしく、90年代のジャムバンドのような雰囲気も持っています。優等生のきれいごとのようなイメージが強かったバンドでしたが、見事にその殻を破って貫禄の名盤に仕上げています。まだまだ現役ですから、これからも質の高い作品を出し続けてくれると思います。
Serious Delivery
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