

2006年のアルバムです。ヨーロッパでも話題になって徐々に日本にも逆輸入されていく事になります。ジャンル的にはソフトロックであり、一人多重録音、宅録ならではのローファイなサウンド、イマジネーションの豊かさから様々なアイデアが詰まったマジカルファンタジックポップ。一人フリッパーズギター、ファースト以上にアイデアも豊富になっていてロック色も加わるようになっています。
1. Mist
2. Mushina
3. Mizukagami
4. Karte
5. Kiiro
6. Vista
7. Metrion
8. Yukinohaka
9. Amayadori
10. 5 A.M. (Tears Below The Freezing Point) (Full Version)
日本語で歌っていますが、ボーカルが弱いので何を言っているのか分からないようなところが抽象的な感じがして逆に哲学的であるように感じられる。それら全てを含めてインストローファイポップのような作風になっています。生演奏をスピードを速めてバックトラックにしているのはテープ録音なのか、それをデジタル環境でループしているのか、聴き取るだけでは判定が難しいものがあります。それだけ独特で個性的なレコーディング環境なのだと思います。
DTM環境でレコーディングすることが多い昨今、皆同じような作風になりがちですが、そこにアナログ卓を経由させたり、テープ録音させたものをインストールさせれば似たようなサウンドは作れるかもしれません。問題はそこまでする必要性があるアイデアが浮かんでいるかどうかであり、彼の場合はそのアイデアを持っていて、彼の独特のスタイルを形成する必要なアイテムになっている事だと思います。そんなアナログ環境しかないので止むおえずやっているのではなく、あえてそれで生まれる質感を大事にしているのです。デジタル環境に慣れ親しんでいる現在の若者には発想しにくい感性であります。
Mist