2004年のアルバムです。オーケストラアレンジに民族
音楽的なダイナミズムを与えた大胆なアレンジが見事です。クラシックの知識も持っているので、これまでも完璧な構成力を持っていましたが、それだけでは面白みがありませんでした。アレンジャーの佐藤鷹の力もあるのかもしれませんが、クラシック
音楽には無い民族
音楽的な解釈の手法を加える事により、立体的でダイナミックなアレンジになっています。
1. ハレルヤ
2. neo
3. アラベスク
4. シンシア
5. トロイメライ
6. ジゼル
7. 流れ星
8. メリー
9. GOLA
10. 月千一夜
11. maururu roa
生ストリングが加わるだけでDTM上のオーケストレーションも豊かに聴こえるようになっています。maururu roaではタヒチ語で歌うなど、J-POP感覚から少しづつ脱皮しようとしている工夫がやっと面白みを与えてくれるようになりました。グランジっぽいアレンジなどもあったりしますが、曲が情緒的なのでブリットポップを真似たJ-POP、ブリリアントグリーンのような雰囲気になっているように感じます。
サンプリングやループによるリズムがいつまでたってもありきたりな感じがしますが、パーカッションの音源は曲にダイナミックさを与える役割を見事に果たしています。アニメなどによる別世界を表現するような世界観、妖精のように歌うその声はボーカロイドのように別の生命体のようでもあり、やっと彼女のやりたい事が形になり始めたように感じます。これまではそれが出来ていなかったにもかかわらず、
音楽としては完璧だったから伸びしろがないのかと思いきや、きちんと生身のミュージシャンとして成長している事が伺える作品になっています。メジャーならではのつまらなさから脱皮することは大変な事なのだなと思わせます。
ハレルヤ