2011年のアルバムです。電子音も含んだ生演奏が基本になっていますが、現代
音楽的な解釈で羅列されていて、エレクトロニカとも違う雰囲気になっています。生演奏による偶然性のループ素材、打ち込みは無く、全てが生演奏されていますからループもミニマルでは無く、あくまでも素材として並べられています。
1. Circles
2. Coda
3. Organs Slide
4. Heat
5. There
6. Time Takes What It Wants
7. Missing Paths
8. She
テクノ系だとビートを重視した配列になっていますが、現代
音楽ではビートというよりパルス的な解釈でループが組み合わされています。楽器は信号を発する装置のような立ち位置であり、フレーズにあまり意味をもたせていません。信号を
音楽として発信するのは、シドバレットがいた頃のピンクフロイドがやっていた事で、ある意味
サイケデリックな
音楽なのだと思います。精神性を発信しているのですが、感情的なものではありません。
喜怒哀楽という単純な精神面ではない部分を表現した
音楽。生活する上ではあまり重要ではない部分かもしれませんが、そういう部分を
音楽として表現するのは、普段使っていない脳細胞を刺激するような音楽になっています。非日常なのかもしれませんが、そこが刺激される事によって、もっと違う視点を持った思考力が生まれる可能性があります。音楽にはもっといろんな可能性があると思うのですが、悲しいかな、商業的な音楽はどうしても偏った方向性を持っています。こういう音楽にも利益が還元される仕組みが必要だと思いますが、資本主義社会では難しいのでしょう。
Coda