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[20161031]

Ikkunat Näkevät
(1998/07/14)
Paavoharju

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2011年の作品です。ミニアルバムになっていて、未発表曲や別バージョン曲に3曲の新曲が加わった内容になっています。アンビエントな雰囲気はありますが、これまでの作品に比べると比較的ポップで明るめの曲になっています。ダークなサウンドを取り除けば曲自体はポップである事がわかります。

1. Tulilehtisade
2. Kevätrumpu
3. Tuonen Marja
4. Aamuauringon Tuntuinen
5. Ikkunat Näkevät
6. Mistä Hän Oli Tullut
7. Aurinkotuuleen

ポップで売れそうなアレンジにする事も可能だったようで、Lauri のボーカルの魅力を伝えるには適したアレンジになっています。演出力が凄かったのですね。これまでの世界観とは違う穏やかな時間が流れます。ポップであっても個性的だと思います。尖ったところが無くなって丸くなった、というのとは違います。素直に素朴に優しさも表現出来るのだと言う事です。

これまであったいろんな痛みを感じさせる音源が省かれている事で、これだけ景色が違うというのも驚きです。アレンジがシンプルになっている分、Lauri の歌声が中心であり、少しアラビックな雰囲気もある彼女の歌は、他に類を見ないほど個性的であります。演出の仕方でこれから様々な表情を表現出来る可能性を感じさせます。方向性も彼ら次第でしょうが、何をやっても期待を裏切らない逸材です。

Tulilehtisade
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[20161030]

Laulu laakson kukista
(1998/07/14)
Paavoharju

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2008年のアルバムです。ポップなテクノスタイルをやったり、キュートな音源を取り入れたりしていますが、根が暗いのか、ダークな雰囲気は覆せていません。多少希望のあるような音楽になっていますが、退廃的な味わいは切り離せないものになっています。救いのない絶望的な音楽よりは多少の光が見えるようになっているので少し安心します。

1. Pimeänkarkelo
2. Kevätrumpu
3. Tuoksu tarttuu meihin
4. Italialaisella laivalla
5. Alania
6. Uskallan
7. Ursulan uni
8. Kirkonväki
9. Salainen huone
10. Tyttö tanssii
11. Sumuvirsi
12.11

曲の表現の仕方は70年代的であり、前作ではツェッペリンのような感じがありましたが、今作ではピンクフロイドみたいにkなじる部分もあります。プログレフォークの進化系としてハウス的な手法も用いることが出来る。ロックファンも魅了してくれるようなサウンドになっています。アンビエントというより環境音楽に近い作風。この混沌とした感がやがて病みつきになってくる事でしょう。

バンドのように生演奏しているものもあり、サイケデリックアンビエントアシッドフォークトロニカ。いろんな形容が出来ますが、ひとくくりにまとめるならロックであります。ロックは本来これだけのものを吸収しながら増殖していく音楽であり、現在ならそうならなければならないのですが、肝心のロックの部分が死に絶えているので、ロック呼べるアーティストが少なくなっている現在、久しぶりにロックを感じさせる作品に巡り合えました。

Pimeänkarkelo
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[20161030]

Yhä hämärää
(1998/07/14)
Paavoharju

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フィンランドの兄弟デュオPaavoharjuの2005年のファーストアルバムです。Lauri AinalaとOlli Ainalaの二人からなるユニットで、北欧の凍てつくような重厚さとノイジーでダークなサウンドが特長です。Lauri Ainalaの女性ボーカルとしての透明感とノイジーなサウンドの絡み方が刹那的であります。

1. Ikuisuuden Maailma
2. Valo Tihkuu Kaiken Läpi
3. Kuu Lohduttaa Huolestuneita
4. Syvyys
5. Puhuri
6. Ilmaa Virtaa
7. Aamuauringon Tuntuinen
8. Vitivalkoinen
9. Kuljin Kauas
10. On Yhä Hämärää
11. Musta Katu

フォークソングとコンクリートミュージックとシューゲイザーとテクノが入れ混ざった混沌とした世界観。絶望的なくらいの宗教音楽。北欧でも爽やかな音楽を提供するミュージシャンはいますので、彼らは特別に退廃的なのだと思います。しかしイメージ的にはとても北欧的な悲しいくらいの凍えそうな音楽であります。希望の光すら見えないくらい闇の世界。

ツェッペリンの初期の頃のようなフォークロックをエレクトロニックに、より絶望的に奏でているところがカッコよくもあります。フレーズの一つ一つはポップなのにポップに聴こえない。このダークさはアメリカや日本では出せないものです。最近では珍しい危険な香りがするロックのように鋭く心に突き刺さります。フィンランド語なのでしょうが、呪文のように聞こえるのもいい演出になっています。

Ikuisuuden Maailma
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[20161029]

This Time Last Year
(1998/07/14)
Ultramarine

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2013年のアルバムで、現在までの最新作になっています。15年のブランクがあり、復活した感がありますが、この後は続いていません。アンビエント色が強くなっています。フォークトロニカの概念も定着していて、彼らの手法も斬新ではなくなっているのですが、それでも独特の内容に仕上げているところは流石です。誰も真似できないような感性を持っています。

1. Technique
2. Find My Way
3. Dugout
4. Eye Contact
5. Decoy Point
6. Within Reach
7. Passwords
8. Sidetracked
9. Even Then
10. Imaginary Letters

アンビエント、サンプリングによる無理やりなカットアップ。弦楽器を生演奏したものをサンプリングしたり、フォークトロニカを意識した手法ではありますが、アフリカンなビートだったり、エスニックな雰囲気だったり、単なるフォークトロニカに終わっていません。俺らならこうやるという明確な意思を感じます。

機材も最新のものを手に入れているでしょうし、時代の流れも見極めていての彼ら流のやり方を見せていると思います。ジャズ、フュージョン的なアレンジは彼らならではあり、それとアンビエントな雰囲気がよくマッチしています。機材だけに頼らず、音楽として面白いかどうかを常に考えながら制作されていると思います。リズムの作り方が少し鈍臭いところがありますが、これも意図的であり、主流派に迎合しないこだわりを感じます。

Find My Way
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[20161029]

A User’s Guide
(1998/07/14)
Ultramarine

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98年のアルバムです。エレクトロニカな作風になっています。電子音によるミニマルな組み合わせのインスト、エレクトロニカとして看板を掲げられるだけの内容になっています。それでも流石だなと思うのは、単なる打ち込みによる電子音では無く、生演奏している部分もあって、そこがイーノっぽかったりして、ありがちな感じのエレクトロニカにはなっていないところです。

1. All Of A Sudden
2. Surfacing
3. Sucker 4U
4. On The Brink
5. Zombie
6. By Turns
7. Ambush
8. 4U Version
9. Ghost Routine
10. What Machines Want

かなりクールでアシッドな感じになっていますが、楽器を演奏出来る人と出来ない人では違う発想になるという面白みがあります。出来ない人なら出来る人にはない発想があるでしょうし、出来る人なら打ち込みの仕方もこだわりを持ったやり方になるでしょう。彼らの場合は後者になります。ここでいう演奏する感覚とはレゾナンスの動きを作るという、アシッドテクノに良くあるやり方ですが、その感覚が楽器を演奏する感覚になっている事です。

ミニマル感覚があるので80年代の呪縛からやっと解放された感じがします。アシッドな手法を身につけながらもDJ感覚になっていないところが80年代からキャリアを持つ彼らの猛者ぶりを感じさせます。普通のテクノアーティストには作れないような感性。これならロックファンの入門編としても入りやすい内容になっていると思います。ロックファンと言ってもカンタベリー系が好きな人に限定されるかも知れませんが、テクノも悪くないと思わせる作りになっています。

All Of A Sudden
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[20161028]

Bel Air
(1998/07/14)
Ultramarine

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95年のアルバムです。ジャズ色が強い内容になっています。これもカンタベリー系だと思えば納得です。ジャズにファンクにハウス、アシッドジャズとは違います。テクノが骨格では無いのです。あくまでもカンタベリーの流れから様々なジャンルを網羅しながら90年代にも通用するような音楽を作っているのです。

1. Welcome
2. Buena Vista
3. Maxine
4. Pioneer Spirit
5. Mutant
6. Fantasy Filter
7. 78
8. I Got Sane
9. Schmaltz
10. Citizen
11. Alter Ego
12. Free Radical
13. Harmony Street
14. K/V 6:11
15. Escape Velocity
16. Rainbow Brew
17. Everyone In Brazil

サンプリングの使い方もテクノのそれとは違います。リバーブのかけ方もテクノのそれとは違います。あくまでも骨格はロックにあるからです。しかし、これを無理やりにテクノ、エレクトロニカの部類に入れようとすると、それはまだ登場していないフォークトロニカと言う概念でなら説明がつきます。そうであればテクノとして語れるのです。

フォークトロニカも様々な形があって、混じり方がありますから正解はありません。これもフォークトロニカだと言い切ればそうなのです。ただ、まだそういう概念が無い時代ですから実に奇妙な音楽なのです。ジャズファンクなネオアコがテクノしている音楽。そういう解釈しか出来なかったと思います。それでもクールな感じは、彼らもテクノの手法に慣れてきた証であります。

Full Album
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[20161027]

United Kingdoms
(1998/07/14)
Ultramarine

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93年のアルバムです。エレクトロニックな音源は使っていますがロックな音楽です。テクノはいかに曲としての主張よりもリズムを重視する傾向がありますが、彼らの場合はちゃんと曲になっていますのでアレンジだけテクノから拝借している感じです。ボーカルにはRobert Wyattがゲスト参加していて、Robert WyattのInstant Kittenをカバーもしています。

1. Source
2. Kingdom
3. Queen Of The Moon
4. Prince Rock
5. Happy Land
6. Urf
7. English Heritage
8. Instant Kitten
9. The Badger
10. Hooter
11. Dizzy Fox
12. No Time

プログラミングもされていますが生演奏している部分もあります。テクノ的なアレンジではありますがバンド演奏なのです。かといって当時流行っていたデジタルロックではありません。カンタベリー系がテクノしたみたいな雰囲気なのであります。ですからテクノファンよりもロックファンの方が親しみやすいと思います。

ミニマルな現代音楽的なテクノ手法では無く、あくまでも曲としてポップフォーマットにのっとって作曲されています。テクノの人間からするとテクノとしては邪道な部類になりますから、ロック作品として当時の時代の音を反映している作品だと認識した方が判り易いと思います。カンタベリーの進化系だと思えばかなり優れたセンスで作られていることがよく伝わってくると思います。。

Source
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[20161026]

Every Man and Woman Is a Star
(1998/07/14)
Ultramarine

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91年のアルバムです。やっとヒップホップのスタイルを取り入れるようになりますが、歌モノなどは80年代ポップス的であり、80年代の呪縛から逃れられていないようですが、ハウスと言う概念を積極的に取り入れるようになっています。グラウンドビートのようなアレンジと80年代ポップスが混じり合ったようなところがある意味フォークトロニカを先取りしているような部分があって面白いです。

1. Discovery
2. Weird Gear
3. Pansy
4. Honey
5. Stella
6. British Summertime
7. Saratoga
8. Geezer
9. Nova Scotia
10. Panther
11. Lights In My Brain
12. Gravity
13. Canoe Trip
14. Skyclad

アメリカで勃興したヒップホップを経由したデトロイトテクノがイギリスに浸透するのに時間がかかりますが、イギリスではよりディープな発展の仕方をしていきます。このユニットの場合はロック側の人達が新しいことをやろうとしていますから、取り入れ方が微妙であり、まだ中途半端な感じがありますが、今の耳で聴くと、その中途半端な感じが新鮮であり、他には無い世界観があって面白いです。

80年代の感覚が残っていますからシンプルにならず、上物をたっぷり被せています。そこがなりきれていないところです。なりきれていないからこそステレオタイプに陥らず面白いことになっています。当時はこれでは売れなかったと思いますが、フォークトロニカの概念を持った今なら売れる内容だと思います。面白いものでこのダサいようなハウスミュージックが今では際立ったもののように聴こえますから、時代に媚を売らないくらいの方が音楽的には面白いものが生まれると思います。

Discovery
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[20161025]

Folk
(1998/07/14)
Ultramarine

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イギリスのエレクトロデュオUltramarineの90年のファーストアルバムです。Ian Cooper と Paul Hammondの二人からなるユニットです。まだハウスが勃興している時期でありますが、ここではハウスと言うより80年代のファンクやネオサイケなバンドスタイル的なサウンドをダブ的な処理にしているだけであります。

1. Lobster
2. Antiseptic
3. Bronze Eye
4. Bastard Folk
5. Bullprong
6. Softspot
7. Vulgar Streak
8. The Golden Target

ポストロック的なバンドスタイルであり、まだハウス色も薄めです。ファンクやディスコ的なスタイルがありますが、ヒップホップ感覚も少なめです。しかしフォークトロニカ的な感覚がない事もありません。当時としてはユニークな存在だったと思いますが、80年代カラーが色濃く残っていますので、今聴くと古臭い感じがします。

デトロイトから発生したテクノやシューゲイザー、マンチェスタースタイルなどに感染する事なく、無菌状態でこれから何か新しい事をやろうとはしていますが、まさか80年代の豪華絢爛な煌びやかなスタイルが全否定される90年代が訪れようとは想像もしていなかった二人が作った作品になっています。時代の転換期に取り残されたような微妙な感じが逆に新鮮かもしれません。

Bastard Folk

[20161024]

Good Luck and Do Your Best
(1998/07/14)
Gold Panda

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2016年のアルバムで現在までの最新作です。親日家のようで日本での事を題材にした作品が多くあります。これまでエスニックな題材を使っていましたが、映画音楽のようなソフトな音源を多く使っていて、とても聴き易くなっています。全体的に無理のないダンスビートになっているのも聴き易くなっているところです。和な音源も多いです。

1. Metal Bird
2. In My Car
3. Chiba Nights
4. Pink And Green
5. Song For a Dead Friend
6. I Am Real Punk
7. Autumn Fall
8. Halyards
9. Time Eater
10. Unthank
11. Your Good Times are Just Beginning

これまでは無理やりな組み合わせが多かったですし、奇抜な事をやろうとする目論見が歪な編集になりがちでした。それがカッコよければ問題ないのですが、お世辞にもカッコいいとは感じませんでした。今回は素直に音楽的であろうとするところがあって多少洗練された感じになっています。ここで高い評価が上がれば納得ですが、最初から高い評価だった事は疑問点が残ります。

テクノアーティストもごまんといますが、もっと面白い事をやっている作品が沢山あります。このアルバムでやっとその仲間入りが出来たと思うのですが、楽器が演奏できる人とできない人が作った作品では大きな違いがあるのではないでしょうか。90年代なら出来ない人が作った作品も新鮮でしたが、現在ならそれなりのアイデアとセンスが無いと無理があると思います。今作は奇抜さを控えているのが良い結果になったと思います。

Full Album
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[20161023]

Half of Where You Live
(1998/07/14)
Gold Panda

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2013年のアルバムです。エスニックな音源、結構東洋的な素材も含まれています。それがアシッドハウスみたいに展開していきます。サンプリングフレーズで組み合わされたミニマルなリフレイン、しかし、何とかダンスビートにしようとするDJ気質。その微妙なアンバランスさが特徴と言えば特徴です。

1. Junk City II
2. An English House
3. Brazil
4. My Father In Hong Kong 1961
5. Community
6. S950
7. We Work Nights
8. Flinton
9. Enoshima
10. The Most Liveable City
11. Reprise

全体的な感想はアンバランスなミックス。不自然なバンランス、異物が体内に入ってきたような不快感。サンプリングミュージックにおける違和感。それもカッコよく決まればクールですが、違和感をそのまま強調したような非日常的な音楽になっています。アヴァンギャルド感覚であるのかもしれませんが、カッコよさがないので違和感だけが残ってしまいます。

差別化を図る為にあえて訛ったようなイントネーションにしているのでしょうが、聴いていて居心地が悪くなってしまいます。それってまだ洗練されていない未完成なところだと思いますが、なぜか世間的には高く評価されて注目されています。得体の知れない音楽に出会った事で相手を高く見ているのなら、相当メディアは病んでいます。ここからもう一歩も二歩も進んでいる音楽は沢山生まれています。それらが評価されなくて、このレベルで評価が高いというのが納得がいかない。

Full Album
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[20161023]

Companion
(1998/07/14)
Gold Panda

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2011年のアルバムです。それまでリリースされていたEP盤、Before, Miyamae と別名義だったGoth Chick Hand Jobを組み合わせた作品になっています。DJですからターンテーブルでミックスしたりしますが、スタジオ盤だとそれに加えて多少のコラージュを施しています。DTMだけで製作するのとは微妙に違ってきます。ヒップホップ文化が生み出したテクノであり、DTMでそれらしい事をやる事やる事が多いですが、実際にターンテーブルで作られるものは違う感覚があります。

1. Quitter's Raga
2. Fifth Ave
3. Like Totally
4. Back Home
5. Mayuri
6. Long Vacation
7. Lonely Owl
8. I Suppose I Should Say 'Thanks' Or Some Shit
9. Heaps
10. Bad Day Bad Loop
11. Triangle Cloud
12. Win-San Western
13. Police

インド音楽のサンプリング、もしくはレコードからの抜粋などをテクノに組み合わせる事は昔から行われていましたが、彼の場合はかなり大胆な取り入れ方をしています。イギリスにはインド人やジャマイカからの移民などが居住している地域があって、そういう場所に出入りしている人たちがインド音楽やレゲエをロックに取り入れるという歴史があります。特にヒンズー教にまで入れ込んだジョージハリソンがシタールを覚えてインド音楽を大胆に取り入れてサイケデリックミュージック、ラガロックが生まれました。

レゲエはダブという概念をもたらし、それが後のヒップホップ文化へと発展していきます。DJ感覚で楽器が弾けなくても音楽をクリエイトするという概念が確立されていくのです。そうすると既成概念ではタブーとされている事を平気で行うようになり、そのストレンジな感覚がクールだと感じて定着していくことになります。それらの流れは90年代になって一つにまとまりながら枝分かれして様々なジャンルを生み出す事になっていきます。そうした流れを汲みながらフォークトロニカという概念も包括したアーティストだと思います。

Quitter's Raga
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[20161022]

Lucky Shiner
(1998/07/14)
Gold Panda

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イギリスのアーティストGold Pandaの2010年のファーストアルバムです。一般的なエレクトロニカでありますが、フォークトロニカな雰囲気も持っています。結構エスニックな音源なども使っています。サンプリング音源も加工して電子音の中で浮かないような工夫がなされています。そういう意味では個性的かもしれませんが、多くの猛者が揃っているフォークトロニカの世界では普通かもしれません。

1. You
2. Vanilla Minus
3. Parents
4. Same Dream China
5. Snow & Taxis
6. Before We Talked
7. Marriage
8. I'm With You But I'm Lonely
9. After We Talked
10. India Lately
11. You (Part II)

フォークトロニカではダンスビートを無視したようなテクノスタイルが多いのですが、この人の場合はDJでもあるのでダンスミュージックになっています。その為なのか、結構期待されて高い評価を受けています。やっている事は普通なのに、革新的な他のアーティストの評価が低くて、ダンスミュージック、クラブ受けする内容だからといって評価が高いというのは納得がいきません。

内容は悪くありませんし、評価されてもいいと思いますが、もっと凄い事をやっている人達が評価されていないのに、割と普通の事をやっているこの人の方が評価されるという、木を見て森を見ていないような人達がメディアを動かしてるのだという現実は信用に値しません。普通にテクノにエスニックな楽器を用いたよくあるタイプのスタイルです。悪くはありませんが、だから何だという領域は抜け切れていないように感じます。

Full Album
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[20161022]

Dalia
(1998/07/14)
Pietnastka

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ポーランドのミュージシャンPiotr Kurekの一人プロジェクトPiętnastka名義での2011年の唯一のアルバムです。Piotr Kurek名義で活動していますが、毛並みの違う作品を出す時は名義を変えたりするのはテクノミュージシャンの常套手段です。サウンドはエレクトロですが、かなりサイケデリックな内容になっています。

1. Dalia
2. School Boy
3. Dice
4. Piętnastka
5. Salto
6. Czterdzieści Cztery
7. Noakowski
8. Podchody
9. Keymonica
10. Superator
11. Tape Eater

アシッドなテクノはあります。テクノでサイケデリックな雰囲気を持っているのも沢山あります。しかし、サイケデリックな曲をエレクトロな音源で作るというのはそんなに多くありません。サイケでのエフェクティヴなサウンドもエレクトロだと容易に作り出す事が出来ます。シューゲイザーとも違う感覚です。

旋律がサイケな曲ですから、選択される音源もそれっぽいものが使われていますし、エフェクトのかけ方もテクノと言うよりサイケロック的な手法です。しかし電子音やシーケンスはテクノ的という、違った発想でのフォークトロニカになっています。エレクトロニックエスノな独特の世界観を持っています。かなりユニークな世界ですが、この後が続いていませんし、作品のリリースも一部のみで世界的には広まっていません。こういう作品に巡り会うには困難な状況になっています。

School Boy
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[20161021]

Q & A
(1998/07/14)
Qua

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2010年のアルバムで、現在までの最新作になります。超絶ハイパーポップなドリルンベースになっています。ドリルンベースほど細かい分解はありませんが、イメージ的にドリルンベースなのです。どちらかというとハイスピードビッグビートなのですが、ビッグビートほど生易しいものではありません。それでいてポップだという恐ろしい作品です。

1. Lapsang Souchong
2. Ritmo Giallo
3. Circles
4. All Breath, No Body
5. Goodmorning Sun
6. Sun Down
7. Dance Of The Three Fours
8. The Lion's Flying Dream
9. Yes Sir, No Sir
10. Stars Align
11. The Magnificent Mister
12. Evening Bell

生演奏と止めども無いほどのサンプリングや電子音によるサウンドエスケープ。前作のミニアルバムでは実験的だったものが、ポップソングとして表現されていて、ジャズ的なテクノロジーと生演奏のジャムセッションを繰り広げているような緊張感をクールにポップにこなしている感じです。全体的にBPMが速めでものすごい疾走感があります。やっていることもマニアックなのにポップソングとして成り立っている。

ポップだと言っても全ての人が受け入れられるような生半可なものではありません。ポップなのに異常な雰囲気を感じます。普通では無い、かといって特別な事をやっているわけでは無い、それなのに、これまで経験してきた事の無いものに対面したような尋常の無さ、手が届きそうなポップな曲なのに届かないような特別感。これまでのテクノ、ポップスの領域を超えたような感覚を覚える名盤です。

Lapsang Souchong
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[20161020]

Silver Red
(1998/07/14)
Qua

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2008年の作品でミニアルバムになっています。ライブで録音したピアノとギターの音やレコーディングされていたドラム音源などをlemurというタッチスクリーンで様々なソフトウェアをコントロールして、音楽を作れる機材に通し制作しています。コンピューターで作るというより、パッドコントロールのように触ってサンプリング音源を組み合わせていくような事をランダムに行っているのです。

1. Silver Red 1
2. Silver Red 2
3. Silver Red 3
4. One Second

フレーズサンプリングがランダムに組み合わされながらもビート感が統一されているので浮遊感と疾走感がエクスペリメントに表現されています。パソコンで組み合わせる事では生まれない偶発的な音楽をlemurは簡単に作り出せるようです。それに生ドラムやギター、ピアノなどを生演奏して完成させています。

まるでフリージャズロックのような雰囲気になっているのは、打ち込みを止めていた頃のSquarepusherの作品に似ています。偶発性と生演奏による緊張感。テクノロジーと本能がぶつかり合ったような、本来、現代音楽においてなされなければならい音楽の姿を浮き彫りにしていると思います。そして音楽的にも面白くて楽しめる内容になっているという奇跡。素晴らしい作品です。

Silver Red 2

[20161019]

Painting Monsters On Clouds
(1998/07/14)
Qua

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2004年のアルバムです。サンプリング音源の占める割合が多くなっています。アコースティック楽器などを実際に演奏した音源や様々な音源をサンプリングしてつなぎ合わせています。ちゃんと音楽として成り立っている音源をつなぎ合わせているので、きちんと作曲された趣旨に沿っていると思いますが、普通に生演奏したものとは違う感覚になっているところがフォークトロニカとしての趣旨に沿っていると思います。

1. Painting Monsters
2. On Clouds
3. Luckybuster
4. Devil Eyes
5. Night Sailing
6. Watercolour
7. Stranger Comforts Have Slipped By (Pt 1 & Pt 2)
8. Happy Domestika
9. Low Hanging Fruit
10. Output
11. Secret Space

前作ではシンセ音源をいじり倒していましたが、今回はサンプリング編集を凝りまくっています。フレーズサンプリングの配列で曲として成り立たせていますのでドラムンベースやドリルンベースのような雰囲気はありますが、90年代のそれとは違うものになっています。フォークトロニカと言う概念が入っただけで別のものになっていますので、フォークトロニカと言う考え方はテクノの歴史に大きなターニングポイントになっていると思います。

電子音もプリセットのものをそのまま使わないような所が好感が持てます。映像関係も手がけている人なのですが、音楽センスは専門でやっている人よりも鋭いと思います。サンプリング音源にしても電子音にっしても、その選択肢が並外れてクリエイティヴです。遊び感覚で音をつないでいるのではなく、非常に音楽的だという所が卓越しています。もっと広く名前が知れ渡るべき才能の持ち主だと思います。

Painting Monsters
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[20161018]

Forgetabout
(1998/07/14)
Qua

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オーストラリアのミュージシャンCornel Wilczekの一人プロジェクトQuaの2002年のファーストアルバムです。当初はオーストラリアとニュージーランドだけでリリースされていましたが、現在は世界的に流通しています。エレクトロニカに特化したサウンドですが、サンプリングやギターなどは生演奏されていてフォークトロニカな手法も使われています。

1. Little Branches & Little Birds
2. Monkey Sleep
3. Vienna
4. Broadcast
5. 800x600
6. Forgetabout
7. 8tk
8. Robot Unknown
9. Duet For Guitar And Fridge
10. Generating Set
11. Sys_Environment
12. The Air Is Thin In Here
13. Oneiric

ダークな雰囲気もありますが、軽めの音でポップでキュートな感じの音源を使っています。オーストラリアにしては珍しい音だと思いますが、今やフォークトロニカは世界中で共通言語となっているようです。特に日本なんかでも得意な分野になっています。どこの国にいてもベッドルームで完結できる音楽ですから、アイデアさえ持っていれば、世界中から発信できるのです。

そのほとんどがインディーズレーベルから発信されていて、メジャーで本格的なフォークトロニカのミュージシャンは出てきていませんが、ヒット曲のアレンジにそのスタイルがかなり影響してきています。電子音にしてもかなり細かいいじり方をしているので個性的なシンセサウンドが作られています。便利な世の中になって、ここまで凝った音を作り込むミュージシャンが減ってきていますが、この人は相当オタク度が強いようで、かなり時間をかけて丁寧にいじり倒しています。それでいてポップ、ファニーポップなエレクトロニクスです。

Sys_Environment

[20161017]

Clashes
(1998/07/14)
Monika Brodka

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2016年のアルバム、今年発売されたばかりの最新作になります。脱アイドル。実力派宣言してからBrodkaになり、前作では母国語で歌っていましたが、今作は英語で歌うようになっています。和服を着たアルバムジャケットも清の皇女の髪型をしたビョーク的な印象を受けます。曲調はポップではありますが、ヨーロッパの伝統音楽のような雰囲気で明るい感じではありません。

1. Mirror Mirror
2. Horses
3. Santa Muerte
4. Can't Wait For War
5. Holy Holes
6. Haiti
7. Funeral
8. Up In The Hill
9. My Name Is Youth
10. Kyrie
11. Hamlet
12. Dreamstreamextreme

ほとんど生演奏になっているのも前作とは違うところで、アーティストとしての個性を重視した内容になっています。彼女自身もマルチに楽器を演奏していて、シンガーからクリエイティヴなアーティストに変貌しています。それでも歌の表現力は幅が出てきています。アイドルとして操り人形のように売り出されていましたが、やっと自己主張ができるようになったという印象です。

ダークな感じの曲が多く、ソウルシンガーからロックシンガーへと変貌しています。元々実力のあるシンガーでしたから、実力に見合った作品を作れるようになった事はとても大きいです。スタイルを変えても売れるという目算が出来たからの変貌でしょうし、自己主張しても協力してくれる環境が整ってきたのでしょう。これからどのようなアーティストに成長していくのかが楽しみになってきました。

Mirror Mirror
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[20161016]

Granda
(1998/07/14)
Monika Brodka

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2010年のアルバムです。名義をBrodkaだけにして一人プロジェクト的なイメージ作りを始めています。脱アイドルなクリエイティヴな内容になっています。冒頭からアラビックな音階からグラムロックなビートになっていき、マジカルポップな展開になっていきます。ソウルシンガーから多様性を持ったアーティストに成長した姿があります。

1. Szysza
2. Granda
3. Krzyzowka dnia
4. Saute
5. Hejnal
6. W pieciu smakach
7. Bez tytulu
8. K.O.
9. Syberia
10. Kropki kreski
11. Excipit

全てオリジナルソングでポーランド語で歌っているので、アメリカに媚びを売ったこれまでの印象から自立した女性の印象に変わりました。エレクトロサウンドを取り入れることによって古臭さは無くなりました。この頃になるとアメリカ、イギリス以外の国からも世界的に売れるアーティストが登場してきますので、彼女もその立場を取っています。その方が母国での受けもいいでしょうし、世界的にも個性的に移ります。

媚を売らなくても良いものは評価される。そういう土壌が少しばかりですが出来上がってきます。グラムやシンセポップという昔ながらのサウンドでありますが、その組み立て方は現代的になっています。ポップで奇抜なファッションともシンクロして知名度も上がってきます。ある意味レディガガの影響もあるのかもしれませんが、ガガよりも美人だし、曲も良いし、歌もうまい。申し分のない才女が申し分のない作品を作り出しました。

Szysza
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[20161016]

Moje piosenki
(1998/07/14)
Monika Brodka

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2006年のアルバムです。カバー曲が少なくなっているので彼女を売り込もうとするプロジェクトも本格化しています。それでも音楽のスタイルは90年代っぽい古くさいものばかりです。日本のアイドルでも昔風の曲を意識して作っていたりしますから、それはそれで正しいのかもしれません。ポップスの手法は過去に出尽くしていますから、あえて昔風を強調する事で新しさがなくても許されるところがあります。

1. Bajeczka (Intro)
2. Spij
3. Glock
4. Znam cie na pamiec
5. Mial byc slub...
6. Za malo wiem
7. Taka jak wszystkie
8. Samochody i tramwaje
9. Zagubiony
10. At last
11. Rejs '72
12. Gdziekolwiek jestes
13. C.D.N. (outro)

アイドルですから歌謡曲であります。多くのオーディエンスに親しまれてなんぼです。ですから少し古い感じの方が浸透しやすい事があります。しかし、彼女の場合は実力もある本格的な女性シンガーですから誤解されるところも多いと思います。ただ可愛いだけのアイドルなら気にならないところですが、何かを期待させてしまうのです。周りにプロデュースさせないで自分で創作させれば期待通りのものが出来ると思うのですが、そこは金が絡む事なので、周りの大人たちが寄ってたかって干渉してくるのもアイドルの業でありましょう。

最近は海外でも可愛いアイドルというものが理解されるようになりましたが、海外のアイドルは実力もあり、色気もありが求められます。そういう意味では正当な海外のアイドルなのです。声を大にしては言えませんが、アイドルもセックスシンボルなのです。ロックミュージシャン以上にシンボライズされていると思います。日本では逆に色気がありすぎるアイドルは敬遠されるところがあります。ほどほどが好まれるのです。そういう日本の感覚で聴くと実力もあるのにもったいない感じがしてしまいます。

Bajeczka (Intro)
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[20161015]

Album
(1998/07/14)
Monika Brodka

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ポーランドのMonika Brodkaの2004年のファーストフルアルバムです。ポーランドのアイドルシンガーとして売り出されてい、歌も英語で世界を視野に入れた売り込みがなされています。アメリカのヒットチャートを意識した作りになっていますが、カバー曲も多く、Lenny KravitzのIt Ain't Over 'Til It's OverやBS&TのSpinning Wheel、Marvin GayeのInner City Bluesなどを現代的にアレンジしています。まだこの時点では作られたアイドルという感じです。

1. Help Me Make It Through The Night
2. Libertango (I've Seen That Face Before)
3. It Ain't Over 'Til It's Over
4. Spinning Wheel
5. They Say I'm Different
6. Inner City Blues (Makes Me Wanna Holler)
7. Chill Out
8. Ten
9. My
10. Dziewczyna Mojego Chłopaka
11. Nazwij Go Jak Chcesz
12. Cosmo
13. On
14. Dream

まだ若い彼女ですが、歌唱力は成熟しています。実力派アイドルですね。日本にはいない感じです。アメリカを視野に入れるなら、これくらいの実力がなければ売り込めないでしょう。ソウルシンガー系でポーランドらしさは皆無です。しかし、プロデュースフォーマットが古い感じがするところはポーランドならではなのかもしれません。ファッションも個性的で、彼女を生かすも殺すもプロデュース次第というところです。

90年代的なアレンジになっているのも彼女の趣向性なのかもしれませんが、アメリカのメジャー市場を狙っているにしても古い感じがします。ポーランドにはこれほどソウルフルに歌えるシンガーってあまりいないので、それだけでも母国では貴重な存在なのかもしれません。彼女はバイオリンも演奏しています。バイオリンも演奏出来てソウルシンガーって訳の分からないところがポーランド的なのかもしれません。

Help Me Make It Through The Night
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[20161015]

In Conflict
(1998/07/14)
Owen Pallett

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2014年のアルバムで現在までの最新作になります。基本一人で打ち込んでバイオリンやヴィオラ、キーボードを演奏して歌っています。そこにゲストミュージシャンやオーケストラを加えた内容になっています。ゲストにBrian Enoと言う大物も参加しています。これまでは付け足し程度だった打ち込みが主流になっているので、よりポップフォーマットに近い感じになっています。

1. I Am Not Afraid
2. In Conflict
3. On A Path
4. Song For Five & Six
5. The Secret Seven
6. Chorale
7. The Passions
8. The Sky Behind The Flag
9. The Riverbed
10. Infernal Fantasy
11. Soldiers Rock

打ち込み主流ですからドラムも入っているのがこれまでとの大きな違いです。終始ドラムが入っているわけではないので、自分のスタイルを崩す事なくフォークトロニカっぽい感じになっています。シンフォニックポップスとしての打ち込みですから、テクノポップみたいなオーソドックスなシーケンスになっていますが、アレンジ全体としては調和されています。生楽器の割合を減らしていったら普通の80年代ポップスになってしまうかもしれません。

発想はシンフォニックなアレンジが根本にあるので個性的ではありますが、歌が中心である以上、既存のポップスの枠から大きく外れる事なく普通に近づいていますが、個性と言うか特徴をしっかり打ち出しているので、現在の感覚で聴くと新鮮だと思います。それほど最近のポップスは没個性なものが多いからです。個性的な音楽を作り出す事はそれほど難しい事ではないと思いますが、それをポップな作品にするという事が一番難しい事であり、作者の手腕を問われる事だと思います。

I Am Not Afraid
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[20161014]

Heartland
(1998/07/14)
Owen Pallett

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2010年のアルバムです。Owen Pallett名義になりました。オーケストレーション仲間の生演奏が大半ですが、打ち込みの割合も多くなっています。基本ドラムレスですが、パーカッションによるリズムをしっかり作っています。シンフォニックポップからシンフォニックロックになった感じです。生オーケストラを使ったポップなプログレみたいです。

1. Midnight Directives
2. Keep The Dog Quiet
3. Mount Alpertine
4. Red Sun No. 5
5. Lewis Takes Action
6. The Great Elsewhere
7. Oh Heartland, Up Yours!
8. Lewis Takes Off His Shirt
9. Flare Gun
10. E Is For Estranged
11. Tryst With Mephistopheles
12. What Do You Think Will Happen Now?
13. Midnight Directives (Max Tundra Remix)
14. Keep The Dog Quiet (Simon Bookish Remix)

曲調はポストニューウェイヴな80年代ポップスのようですが、アレンジが独特ですから独自の世界観をしっかり作り上げています。シンセサウンドは少なめですが、オーケストレーションの表現がシンセ的な演奏になっているので、全体的にテクノ感もありますし、普通にポップロックな曲もあったりと、一般的なポップスへの歩み寄りが感じられます。

自分のスタイルを固めつつも一般受けする事も念頭においているようです。クラシックの教養があっても普通の若者のようにモバイルも扱うでしょうし、ゲームも好きでしょう。エレクトロニカにも馴染んでいてもおかしくありません。クラシックを並んでいてもクラシックに関わって生計を立てられる人はほんのわずかです。そうした人たちがポップス、ロック、テクノの扉を開いてもこれだけのアイデアを持っていなければ成し得ない、彼にしか作れない世界であります。

Full Album
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[20161013]

He Poos Clouds
(1998/07/14)
Final Fantasy

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2006年のアルバムです。Final Fantasy名義としては2枚目で最後のアルバムになります。今回は打ち込みはなく、生演奏でのシンフォニックポップになっています。デヴァインコメディーのようなオーケストレーションアレンジのアメリカンポップスのような感覚の曲調になっています。非ロックな感じですが、感覚としてはロックの質感も持っています。

1. The Arctic Circle
2. He Poos Clouds
3. This Lamb Sells Condos
4. If I Were A Carp
5. ->
6. Im Afraid Of Japan
7. Song Song Song
8. Many Lives -> 49 MP
9. Do You Love?
10. The Pooka Sings

ウォーカーブラザーズを再現したようなデヴァインコメディーをさらにポップにしたような聴き易さがあります。ドラムレスと言う特徴があり、パーカッションはありますが、ビート感はドラム以外の楽器でアクセント作っています。ですから重苦しくありません。それでもオーケストレーションとしての重厚感は出しています。

歌もストーリーテラーのような感じで物語を語っていくような流れになっています。クラシックを習っていた仲間で作り上げたようなポップスですが、ロックの手法も身についているからこそ表現出来るような世界です。今回シンセは使っていませんが、ミックスの感覚は現代的な表現になっています。若者らしいシンフォニックポップスです。

The Arctic Circle
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[20161012]

Has a Good Home
(1998/07/14)
Final Fantasy

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カナダのミュージシャンOwen PallettのソロプロジェクトFinal Fantasyの2005年のファーストアルバムです。スタイルとしてはポップなフォークトロニカですが、ストリングスアレンジがと特徴的なアレンジのブリットポップな感じの曲で、ゲームのFinal Fantasyが好きなのかもしれませんが、音楽的にはFinal Fantasyは関係ない感じです。

1. None Of You Will Ever See A Penny
2. This Is The Dream Of Win & Regine
3. Your Light Is Spent
4. Furniture
5. The CN Tower Belongs To The Dead
6. Took You Two Years To Win My Heart
7. The Chronicles Of Sarnia
8. (Repeat)
9. Adventure.exe
10. Library
11. That's When The Audience Died
12. Learn To Keep Your Mouth Shut, Owen Pallett
13. An Arrow In The Side Of Final Fantasy
14. Please Please Please
15. Better Than Worse

バンドスタイルの演奏に打ち込みもありのアレンジですが、ロックバンドと言うよりドラムレスでストリングスを大々的にフューチャーした、クラシックを学んでいた学生が作ったようなポップロック作品になっています。Owen Pallettはバイオリンやヴィオラ、ギターにベース、キーボードを演奏しながら歌っています。マルチプレイヤーですが、基本はバイオリンやビオラを演奏しながら歌っています。

珍しいタイプのミュージシャンですが、エレクトロニカのノウハウも持っていて、ブリットポップな感性も持っていて、独自の世界観を作り上げています。パーカッションは入っていますが、ほぼドラムレスなのでゆったりとした雰囲気を持っています。打ち込みもご愛嬌程度にしか入っていません。普通にポップな作品だと思って楽しめます。

None Of You Will Ever See A Penny
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[20161011]

Mister Salmon ...in Yorkshirama
(1998/07/14)
Mister Salmon

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Mister SalmonはイギリスのAndrew Stonesの一人プロジェクトです。2010年の唯一のアルバムになっています。すべての楽器を一人で演奏しているマルチプレイヤーです。スタイルとしてはネオグラムでしょうか。ポストパンク的であり、グラマラスでもあります。打ち込みと生演奏でバンドスタイルなアレンジ、80年代的でありながら、90年代的なグラムリバイバル的な雰囲気も持っています。

1. Yorkshirama!
2. Stay Out
3. The Boy With The Big Dad
4. "Kes" Of The Motorways
5. Wheel In The Tower
6. In The Black Fields
7. Sheffield Philharmonic
8. Gardeners' Questiontime
9. My Frozen Town
10. Clouds Rise, Open Skies

感覚としては古いスタイルなのでしょうが、ロックのカッコイイところがしっかり体現されていて、こういうバンドがいたらきっと売れると思うのですが、何せ一人でせっせと作って、インディーズからリリースはしているものの宣伝力が弱いのでしょう。ネットで発信はしているものの、これ以外に作品が無いというのが腑に落ちません。かなりの才能があり、表現力もプロデュース力もあると思います。それなのに作品が続いていないというのはよっぽどの事情があるに違いありません。

ネット配信ならさほど金もかかりませんし、趣味でやり続ける事も可能かと思いますが、作品が少ないのが気になります。アイデアもかなり持っているような余力を感じますし、かなり本気で作っているのが感じられます。とにかくカッコイイロックなのであります。少し古いのかもしれませんが、気にならないくらいにカッコイイのです。マリリンマンソンのようななりきり方も様になっています。何故これで終わっているのでしょうか。もっと聴きたくなるくらいかっこいいです。

Yorkshirama

[20161010]

luminol
(1998/07/14)
Melodium

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2016年のアルバムで、現在までの最新作になります。今回はインディーズからのリリースですがダウンロードオンリーになっています。CD形式は負担が大きいのでしょうか。ダウンロードだとCDよりも音質をよくする事も出来るというメリットもありますがMP3ならそうでもありません。ハイレゾとやらならCDよりも良いのでしょう。テレビを4Kでみるとかと一緒で、見なくていいアラが見えてくるという幻滅もありますが、製作者の意図する音質に近いものが再現出来るというメリットもあります。

1. Int1
2. Sn1
3. Int2
4. Sn2
5. Int3
6. Sn3
7. Int4
8. Sn4
9. Int5
10. Sn5
11. Int6

今回はアンビエントとインダストリアル作風が融合したような内容になっています。サンプリング音源を使ったアンビエントとでもいうのでしょうか、コンクリート音楽色が強くなっています。最近のポップではないダークな雰囲気もあります。それでいてたまにビートを刻んでみたり、とこれまでとは違うアプローチによるフォークトロニカの進化系になっています。自主制作盤でやりたいことをやっていて新しい道筋が見えてきたのでしょう。

曲名も暗号のようになっていて、意味合いを持たせない非ポップな感覚で作られています。サンプリング素材も日常の音を使ってパターンを作ってみたり、ジャーマンインダストリアルみたいな作風でありますが、音楽として成り立たせようとする意思が感じられます。新しいMelodiumワールドの完成です。さらなる高みを目指して進化していく挑戦的な姿勢は、これからも大きな期待を持たせてくれるものになっています。

Int2

[20161009]

friendly vehicles
(1998/07/14)
Melodium

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2015ねんのアルバムです。これも自主制作でダウンロードオンリーでのリリースになっています。この年は3枚のアルバムを出していますが、どれもそれぞれ違った内容になっています。今作はシンセポップです。日本流に言えばテクノポップです。サンプリグも使っていますが、ほぼ電子音で作られています。旋律的にクラシック系の曲調になっているところもテクノポップ的です。ファンクのようにハネたリズムを使っていません。

1. This Is The Last Day Of Your Life
2. Brain Reset Button
3. One Cubic Foot Of Air
4. Affordable Space
5. Stare At A Star
6. Abnormal Transition
7. Vibrational Behavior

ある程度自分の音楽を完成させたことによる気の緩みと言いますか、レトロな手法で何ができるかを楽しんでいるような内容になっています。自主制作の作品はそんな自分の趣味を追求したものが多いです。これだと売れないと思っているのでしょうか。確かに緩い内容ではありますが、単なる過去の焼き直しに終わっていないところが面白いと思うのですが、気兼ねしているのしょうか。

初期のアナログシンセを最大限に使っていたテクノポップ時代の工夫の仕方など、現在ではやらないような工夫の仕方も懐かしくも面白いと思います。いつしかシンセで出来る事が人の発想を超えるようなレベルまで達しています。そのシンセを最大限以上に使い切るなんて事をやっていたら音楽的で無くなってしまう事でしょう。それでも工夫して音を作り上げる事で個性を主張していた時代の音楽は面白かった。今、そんな音楽が少なくなってきてます。そんな反省を促すような作品だと思います。

Full Album

[20161009]

beneath
(1998/07/14)
Melodium

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これも2015年のアルバムです。これも自主制作になっています。ここからはダウンロードオンリーでのリリースになっていきます。iTuneによりダウンロードでの音楽販売が当たり前の時代になってきました。インディーズ契約でも、それなりの縛りがありますし、ダウンロードだけでのリリースの方が取り分が多かったりします。ただし、レーベルに属していないと宣伝面での弱さがあります。

1. Let Go
2. Clouds Parade
3. Floating
4. Halo
5. Quietus
6. Eye Movement

内容は完璧なアンビエント作品になっています。これほどダークでアンビエント感だけの作品は珍しいです。いかにもヨーロッパの人が好きそうなダークさがあります。この人はああまりリバーブを深くかけないので、一般的なアンビエント作品より環境音楽的な雰囲気も感じられます。ほぼ電子音のみでサンプリングは使っていないようです。

素人でもダウンロード販売が出来る時代です。SNSを使って宣伝する事は出来ますが、それでも素人で売れる数は知れたものです。よっぽど話題になって知らない人にも広がらないと食っていけないでしょう。プロならまだ知名度がありますから、何とかなりますが、それでも彼の場合はファンにしか届かないくらいの知名度です。この販売形式はまだまだ良く整備されていませんので、これから発想の転換が必要になってくるのではないかと思います。

Let Go
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