2015年のアルバムで現在までの最新作になります。電子音によるシーケンスを多用するようになり、エフェクティヴサウンドはテープに落としたり、そのままHDDレコーディングしたものだと思われるくらい手動な感じもありますが、手動をモデリングするような編集も可能なんで、そこまでエディットしまくっているのかは分かりませんが、テクノプロフェッサーには及びもつかないくらいロック的な解釈でサウンドメイキングされています。
1. Prognoz Relikt
2. Casualties From This Vector
3. Rat and the Family Bones
4. Tense of Presence Tips On Perpetual Precipice
5. Szczuczyn
6. Mystic Overreach
7. Section 8 Face
8. Frantic Search For Absolute Zero
9. Theta Cloud
10. Matrix/Runout
11. Worshipping the Myth of Betrayed Talent
デジタル環境での
サイケデリックの表現を追求した、ヒップホップ文化に侵食されたデジタルロックとは全く違った解釈で制作されているので、
サイケデリックと言う王冠を正当に継承出来るミュージシャンによる現代の
サイケデリックミュージックが作られています。ラップトップで制作する時はどうしてもヒップホップから派生した手法をとりがちですが、ヒップホップが存在しなかったかのような
音楽になっています。
サンプラー、シーケンス、ループ、これらを駆使すればテクノ感覚になりますが、それ以前に現代
音楽では実験的に行われていたカットアップの手法の延長であり、ヒップホップが登場しなくてもこの
音楽は生まれていたと思います。
サイケデリックの金字塔と言われているサージェントペッパーもフランクザッパのマザーズをヒントに生まれています。フランクザッパは滅茶苦茶な感じがありますが、実際は
音楽理論に長けた上でのアヴァンギャルドですので、現代
音楽をロックに持ち込んだ張本人になります。そうしたロックの可能性を追求する手段としてデジタル環境も手段として使い熟す。それこそ本来ロックが今あるべき姿だと思います。それを一人で完成させているというとんでもない作品であります。
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