2014年のアルバムです。この作品では一変してエレクトロニクスによるミニマルミュージックになっています。フォークとエレクトロニクスを一つにするのではなく、作品によって使い分けるという、これも変態的な性分故の手法になっています。一筋縄ではいかないところが本質的にはロック的と言えるでしょう。
Nothing Is Lost
Water Library
Asa Kusa
Envoi
Mombasadorf
Maple Gardens
Home Time
エレクトロニクスな音源の構成から徐々に生楽器も加わってきます。しかしギターはエレキであり、エフェクト処理によりエレクトロニクスと言うより、初期テクノのサウンドに近いものがあります。70年代のテクノでは、ギター主流のものもあったのです。曲調はSteve Reichのような変拍子によるミニマルになっています。徐々にドラムも加わってきたり、コーラスも加えられてきますが、コーラスはシンセによるものです。
生演奏が主流だったトラッドフォーク作品とは違って、打ち込みによるトラックを軸に生演奏も加えられていきます。全く違う人の作品のようでもあります。今作品ではひょうきんな雰囲気はありません。あくまでも飄々とミニマルに徹しています。ゴングやクリムゾンがミニマルをプログレに取り入れていましたが、そのプログレ精神を継承しているものだと思います。
Nothing Is Lost