2014年のアルバムです。サンプラーの割合が多くなったアブストラクトな内容になっています。電子音の使用はわずかで、ほぼサンプラーで用を足しています。写真家でもある彼にとって、サンプラーによる
音楽の構築は映像の断片をつなぎ合わせるような感覚で、独特な発想を持っていると思います。だからこそ
音楽的であろうともしているところがあります。
1. Dwarf Palms
2. Saguaro Cactus
3. Odd Infinitum
4. Nicotin Weather
5. Moonlight Coma
6. Elfin Geezer
7. Bong Puzzle
8. Poem For Skate Band
作品ごとに手法を変えていますが、変えているというより、覚えた事を楽しんで作った結果、作品ごとに進化して行っているのだと思います。マイブームみたいな感じで集中して作っているのが伝わってきます。逆回転のような効果はサンプラーのリバースという処理で作れます。デジタル環境はそのまま再現する事も、逆から再現する事も一瞬で出来ますから、昔のテープを逆回転させるような労苦は必要ありません。
後はアイデア次第なのです。アイデアを実行したら、その場で確認出来ますし、気に入らなければ元に戻って作り直す事も容易です。ですからいろんなアイデアを試せますが、そこまで大胆に作り込んでいる作品はさほど多くはありません。単なるアヴァンギャルドになってしまって、面白ければ結果オーライですが、独りよがりな感じになる事が多いです。彼の場合は
音楽を専門にやってきた訳ではないので、逆に
音楽的であろうとする事が独りよがりになる手前で自粛させています。
Dwarf Palms