2007年のファーストフルアルバムです。坂本龍一はエグゼクティヴ・プロデューサーで関わっており、ミックスも手がけています。しかし、全て彼女に自由にやらせている感じです。一番わかりやすいのがジャズスタンダードのカバーMY FAVORITE THINGSでのアレンジが彼女のやりたい事がはっきり形になっていると思います。カリンバとエレクトロニクスによるジャズを童謡風に表現する、現代版矢野顕子です。
1. 驟雨
2. 此花咲耶姫
3. ハ→ト
4. ピエロ
5. MY MUSICAL
6. MY FAVORITE THINGS
7. MONSTER'S BIRTHDAY
8. 空中遊園
9. 花唄
10. you &
11. 音里
12. 梔子
13. 夕焼け
デビュー作は時間が無い中持っている曲だけで構成されていたので、じっくり時間をかけて制作されているだけに、彼女の全体像が見えてきます。感性的には矢野顕子的な日本独特のありがちな女性シンガーという感じですが、その時代の人達は持っていない現代的な感性が坂本龍一には新鮮に映ったのかもしれません。その新鮮な部分を活かす為にも坂本龍一はあまり関わらない方がいいかもしれません。
無名の新人がデビューするには大きなバックボーンが付いているのは大きいと思います。そして自由に制作させてもらっているので、彼女の個性は十分に発揮されていると思いますが、坂本龍一の名前があって、このサウンドならありがちというイメージが先行してしまいます。海外のそんなイメージを持っていない人にとっては新鮮に聴こえるでしょう。そういうターゲットを広げていく為にも昔の名前で出ています的な大人達が関わらない環境で活動した方が伸びると思います。
MY FAVORITE THINGS