イギリスのプロデューサーStuart Cullenの一人プロジェクトPiloteの99年のファーストアルバムです。サンプラーを多用したエレクトロニカです。サンプラーの使い方はブレイクビーツとしたらかなりゆるい感じの組み立て方です。しかしドラムパターンなど、これまでに無かったパターンを組み立てており、新しい時代を予感させる内容になっています。
1. Turtle
2. Short
3. Microphones
4. National Lottery
5. Shit Funk
6. Myth
7. Taken
8. Message From The Bigman
9. No Truck
10. Up Or Down
90年代を席巻したブレイクビーツ、ドラムンベースは終焉を迎えており、そのジャンルのミュージシャンの多くがエレクトロニカやアコースティック楽器をサンプリングした作風、つまり後のフォークトロニカになるようなサウンドになっていく中リリースされた作品です。ブレイクビーツというよりビッグビートに近いフレーズサンプリングで構築されていますが、ビッグビートよりももっとゆるく、レコードからのサンプリングでは無いようなので異質な感じがします。
流石にプロデュース業をやっていただけあって、これまでの作風とは違う抜け道みたいなものが見えているからこそ作り得たスタイルになっていると思います。こういう使い方も出来る、こうしたらもっと良くなる、という事が見えているからこそ自分で作品を作ってみようという気になったのでしょう。ブレイクビーツのパターンに辟易していたのは私だけでは無かったという事でしょう。しかし、当時このゆるさは馴染められてはいなかったと思います。それでも後のフォークトロニカを予感させる先見の明が伺える内容になっています。
Turtle