2001年のアルバムです。相変わらずゆるいブレイクビーツですが、トリップホップな雰囲気を出すようになっています。フレーズサンプリングに近い、少し長めのサンプリング素材を組み合わせたビッグビートまではいかない程度のブレイクビーツです。そこに歌詞が聴き取れないほどのヴォイスを被せて微妙にダークなサウンドを作っています。
1. Paul Oakenfold
2. French Canadian
3. The Dialogue
4. The Fourth
5. Beaulieu Road
6. Fairplay
7. Nelson
8. Immobile
9. Champion Waltz
10. Here/Gone
フレーズの作り方、音源の選び方など、テクノポップ、シンセポップに近いところがあり、レトロな雰囲気も持っています。リズムの作り方はダブっぽいのでトリップホップな雰囲気になっています。しかし、組み合わせ方がそれまでに無かったものなのでレトロ感覚とは言えません。新しくもなく、古くもない、微妙な感じが特徴と言えるでしょう。前作のように音源によっては新しさを感じさせるものがありましたが、今作ではそれを感じるような音源は使われていません。
そうなると何がやりたいのかがぼやけてきます。ちょっと風変わりなブレイクビーツ、エレクトロニクスという印象しか受けません。この手のジャンルは音源によってかなり印象が違ってきますので、音源の選び方でセンスが問われます。彼にセンスがあるのかどうか判断するには微妙な感じの作品になっていると思います。後にチルアウトというジャンルも確立されていきますので、それに近いのかもしれません。
Paul Oakenfold