2010年のアルバムです。やっと正式にレーベルデビューとなります。ケルト色、民族
音楽色が強くなり、歌のない部分が多くなり、プログレッシブな雰囲気も出てきました。やはり全てのパートを一人で演奏していて、特にバンジョーを大々的にフューチャーしています。ジプシーバイオリンも多く、ケルトな雰囲気がたっぷりです。
1. Sirens #1
2. Roadkill
3. Dry Wood
4. Wastelands
5. Relapse
6. Patience
7. Vertigo
8. Pirates
9. When You Were Young
10. Sirens #2
中世的なアコースティック楽器とエフェクトをかけて元音が分からない感じのパーカッション。古いのか新しいのか分からないような、違う時間軸にいるような錯覚を起こさせます。基本はトラッドフォークの再構築なのでしょうが、若者らしくデジタル処理する事にも躊躇がありません。しかし全くデジタル臭く無い感じに仕上げています。全ての楽器を多重録音している事からも自宅での録音だと思われるのですが、スタジオで録っているような空気感があります。ドイツの住宅事情は日本の想像を超えているようです。
主旋律の歌よりもコーラスの方が活き活きと感じられるくらい、歌を主役だと思っていないところもあります。全てが合わさってのパフォーマンス、全体的な創作全てに手抜きが無く、マルチプレイヤーとしては満点の出来栄えです。ここまで完璧に多重録音出来るミュージシャンも少ないと思います。ただ、ヨーロッパ以外でこの手の
音楽は親しまれにくいとも思いますし、ここからどう表現していくかが鍵となりそうです。
Sirens #1