クロアチアのアーティストHrvoje Crnićの一人プロジェクトの一つHC Boxerの99年のファーストアルバムです。当時はまだドラムンベースも健在だったので、ドラムンベースに特化した内容になっています。様々な打楽器を使って、エスニックやアフロアフリカン題材を基にしたドラムンベースになっています。
1. Tabor
2. Lokrum
3. Put
4. Drmeš
5. Tanac
6. Ipsilon
7. Liquid
8. Sonar
9. Futura
10. Drmeš Run
11. Trag
12. Jana
ドラムンベースもドリルンベースも下火になり始めていた時期ではありますが、民族打楽器を素材に使う事により、ドラムンベースとしても成熟した作品になっています。ドラムンベースやジャングルもパターン化してしまうと新鮮味が損なわれますが、パターン、素材を広げる事により、生き残れる可能性があった事がこの作品から読み取れます。
パターンからはみ出してしまうと別のジャンルになってしまうという点から、テクノ、打ち込み系はその限界を迎えようとしていました。新しい発想が求められていたにも関わらず、その先に進める者がいなかったのです。そういう意味においては、先に行ける可能性を持ったアーティストだったのではないかと評価すべき内容になっています。ただ、その先に行ってしまうと別物に成るしかなかったというのも事実です。
Lokrum