2007年のアルバムで現在までの最新作になります。やはりロック寄りなのですが、ポストパンク、つまり、テクノポップ、シンセポップの感覚を持っているので、前作よりテクノ系に近いアレンジになっています。しかし、曲自体がポップス、ロック系なので普通のシンセポップ、エレクトロニカとは違う雰囲気を持っています。
1. Intro: A Thought
2. Frühstück
3. She Let Some Light In
4. Pioggia
5. Autoerotica
6. Di Sotto
7. Take Off
8. Figura
9. Promenade
前作では少し生演奏的な素材があったので、ロック色が強く感じましたが、今回はプログラミング感が強いので、どちらかといえばテクノ系でありますし、リズムの構築もテクノ的でありますが、よく使い古されているようなリズムを用いないのがこの人の素晴らしさです。曲の展開の仕方もサイケ的であり、ヒップホップ以前の感覚をヒップホップ以降のフォーマットで再構築しているような感じです。
ミニマルの冷徹な感じとサウンド、なのに曲の流れはとても人間的の生理的な動きをしている。もうこれだけで新しい感覚であります。ロックな感じを主張する訳でも無く、かといってテクノ感覚に束縛されることも無い。絶妙なバランス感覚を持っているのです。このスタイルは大いに論議されるべきものであり、世界的に注目度が低いというのは、それだけ現状の深刻度を認識していない輩が多いという事です。もっと敏感に、事の重大さを認識しないと誰も生き延びれません。
Intro: A Thought