2014年のアルバムです。フィールドレコーディングとかも加わって、アブストラクトな作風に拍車がかかっています。これまで通り、プログラミングだけに頼らないトラックメイキングですが、ソフトシンセも進化しているので、その機能に頼っている部分も多く、そういう便利なものを使う事でどんどん新しさが失われています。皮肉なものです。
1. A Dream
2. A Town
3. Away
4. Amnesia
5. Asleep
6. Awake
7. Amar
8. A Glance
9. Adrift
10. Allahabad
11. Atacama
12. A Fall
13. Asleep
ダブトロニクスという手法においても、このロック的な使い方は新しいものですし、エレクトロニカとしても新しい感覚があります。ロックという視点から見れば、より開拓の可能性を見いだせます。近未来というのは電子音だけの
音楽では無いはずですから、この先にロックの未来が私には見えています。便利さは多くの可能性を生み出す代わりにクリエイティヴな感性を鈍らせる危険性も含んでいます。常にクリエイターは感性を磨き続けなければなりません。
歌ものもいつものようにヴォコオーダー的な加工もありながら、男女でデュエットという粋な計らいもあったりします。やはりこの人の感性は並々ならぬものがあります。それでもどんどん新しい感覚が感じられなくなっているのは、本人が新しい事をやっているという自覚が無かったのかもしれません。もっと周りから盛り上げて彼の才能を評価していないのが原因かもしれません。このまま時代埋もれてしまわないように、次に続くものが正当化させていく必要があります。
A Dream