2004年のアルバムです。ギターとパーカッション、電子音のみの構成で、歪んだギターでロック的な始まり方をします。淡々と歌われるリフレインにヒステリックなチョーキングギター、まるで60年代後期のロックを彷彿とさせるくらいなアナログ感。ここまで感情的なギタープレイは最近ほとんど聴かれないので、とてもアナーキーな印象を受けます。
1. Fountain Of Light
2. Blossom
3. Sky Is Upon You
4. Red Cloud Singular
電子音は使ってもプログラミングされているものでは無いので、拍感がとても生理的であり、無秩序に感情的に演奏しているように感じられます。しかし、淡々としたパーカッションと歌がしっかりと軸を支えています。だからヒステリックなギターも自由に叫び続けられるのです。とても私的な儀式の
音楽のようでありますが、呪術的な暗黒感はありません。どこか肯定的な印象が感じられてきます。
アコースティックギターは優しく静かに奏でられており、電子音はまるで宇宙と交信しているかのごとき波形を発しています。そこに人間の混沌とした抑えきれない、悟りきれない無明の感情が赤裸々に吐露されていきます。特定のフォーマットに収めこもうとする近年のデジタルミュージックでは表現出来ない、収め込めない人間の彷徨える魂を浄化していくかのごとき
音楽であります。
Fountain Of Light