2018年のアルバムで現在までの最新作になります。ほぼサンプラーのみで制作されており、ブレイクビーツ、ビッグビートなどの手法が踏襲されており、一番トリップホップっぽい感じになっています。ターンテーブルセットのみで始まったこのプロジェクトですが、やがてラップトップでの制作となり、遂にサンプラーを駆使するに至りました。これまでもサンプリング音源はあったと思いますが、サンプラーによるエディットという事になると初めてだと思います。
1. Cthulhu
2. Krakatoa
3. Blackout
4. Wasteland Warrior
5. Mortal Wombat
6. Medic
7. Step in My Dojo
8. Bottoms up!
9. Bamboo
10. Spun
11. Marble Madness
12. Keepsies
13. Harmonica Lewinsky
14. Withinside
15. Cloud Factory
16. Fragile Flesh
ラップトップにおけるループ編集などを行えば、サンプラーも必要ないくらいの制作環境が最近では整っています。それでも彼なりのサンプリングエディットというメソッドになっているのでしょう。お経のような刻み方をしているブレイクビーツやエスニックな音源も多用しています。ダウンテンポなのに高速な刻みがあったりと、2ステップ的な発想もあったり、これまでのサンプリングミュージックのテクニックをすべて統括したような内容になっています。
EP作品やコラボレート作品によるリミックスも入っていたりますが、それらをひっくるめても統一感があるのが彼の作品の凄いところで、演出、聴かせ方というのが上手いDJならではの表現が秀逸です。聴かせどころで複雑にせず、聴かせるべき箇所を明確に、シンプルにするという、授業を受けているかのような演出。それでも
音楽として成り立っている。この分かりやすさこそがエンターティナーとして重要な事だと思います。
Cthulhu