99年のアルバムです。サンプリングも電子音もバランスよく配置された一般的なダンスナンバーになっています。一つ違うのがリズムであり、リズムパターンの作り方にこそ彼の個性が現れています。ブレイクビートにしろハウスにしろリズムはワンパターンだったりします。複雑化させたジャングルにしろ、ドラムンベースにしろ形式化して形骸化していました。
1. Yours Sincerely
2. Munchogram
3. Blip
4. Zing
5. Arial Automatic
6. Konk
7. Meng
8. Foil
9. Superfink
10. Gni
11. Tangle
12. Hey
彼の
音楽が今聴いても色褪せていないのは個性的なリズムパターンを作り出し、そこから
音楽を構成させているからであります。曲によってリズムも違いますから飽きる事がありません。ブレイクビートのリズムパターンはそれ以上ないくらいにかっこいいものであり、どうしてもそのパターンを繰り返してしまう傾向となった事で飽きられかけていました。いや、飽きていたのは私を含めた少数だったかもしれませんが、それ故に90年代には蔓延していましたが、2000年以降はあまり使われなくなっていきます。
SAMARQANDも初期の頃はそのパターンを避けていました。しかし、やはりそのパターンにするとかっこいいので、少し変化を加えながら使うようにしています。違うパターンは個性的ですが、かっこよさからいうとかないません。ですからデフォルメするように使う事でなんとかやり過ごしています。最初から個性的なリズムパータンのこの人にとっては、かっこよさよりも個性的である事が当たり前になっているので堂々としたものです。だからこそ今だに色褪せていないし古臭くありません。逆にかっこいいくらいです。
Yours Sincerely