本名Graham Van Pelt名義での2018年のファーストアルバムになります。Miracle Fortress名義での活動は一旦停止してる状態になっていると思われます。音楽性も変化があり、シンセポップになっています。80年代っぽさはありますが、完全に80年代リバイバルにはなっておらず、エレクトロニカの感覚で80年代の手法を再構築しているような内容になっています。
1. New Friends 2. Release Yourself 3. Saving Grace 4. Out Of This World 5. Vanishing Point 6. Time Travel 7. One Thing 8. Mountainside
歌い方にも変化はあります。トーキングヘッズっぽさはありませんが、デヴィッドバーンっぽさは残っていると思います。その辺の感覚が面白いところで、それこそがGraham Van Peltなんだろうと思います。エレクトロニカな音作りに凝り出しているので、プログラミングにも凝り出していますが、ヒップホップ感覚が無く、どちらかと言うとヨーロッパ系のシンセポップに近いので、ここでも微妙な時間感覚の麻痺が発生しています。
一言でまとめようとするとシンセポップの新たな形の一つだと捉えるのが良いと思われます。エレクトロニカなサウンドはありますが、エレクトロニカならではの音響派な感覚がありませんので、シンセポップの方がしっくりきます。しかし、シンセポップと呼ぶにはプログレッシヴな感覚が顔を出したりしますので、それこそがGraham Van Peltならではのスタイルなのでしょう。