2012年のアルバムです。これまで発表してきた音源を基に再構築した作品になります。音源の使い回しですが、サンプリング素材として自分の音源をストックするのは当たり前ですが、ブレイクビーツの世界になると、1曲に対して一つのサンプリング素材でどこまで作り込めるか、という暗黙の了解みたいなものがありましたが、そこまでヒップな人ではないようなので、使い回しも有りだと思います。
1. Hylyt Pt.1
2. Hylyt Pt.2
非楽器な、雑踏のような音源素材を組み合わせ、コンクリートミュージックのように構築していく様は、現代
音楽としては既にやり尽くされてきた事です。同じ手法を使うのなら、どれだけ新たに新鮮な驚きがあるのか、が焦点となります。彼の場合はそこに電子音、シンセサイザーによるホワイトノイズのようなものも加えて、単なるコンクリートミュージックでは無い作風にしています。
音楽的でないようでいて、
音楽的な側面もあるのです。非楽器な素材による即興
音楽のような偶発的な組み合わせ、そこに彼の創作意義があるようです。使い古しの音源と言っても、使い方を変えるだけで、全く新しい音源のように使用する事が出来ます。問題は出来上がった作品が、どれだけ個性を放っているのかなのでありましょう。
Hylyt Pt.1