2004年のアルバムです。サンプリング音源だけで作られたアブストラクトな作品ですが、素材そのものは自分らで演奏しているものなのか、よく分からなくなりました。前作では明らかにレコード盤が擦れる音も含まれていたので、アナログレコードからのサンプリングだと分かりましたが、今回は、そんなノイズが含まれていない美しい音源になっています。
1. Flux
2. Marbres
3. Hassan
4. Us
5. Galant(es?)
6. Sèves
7. Missive Bis
8. Plexus
前作ではフランス訛りのブレイクビーツだと表現しましたが、ブレイクビーツにありがちなドラムパターンを使わないというところが新鮮なのであります。初めて2ステップを聴いた時のような新鮮さを感じます。今作では4拍子のドラムパターンを作っていますが、ありがちな、もう聴き飽きたくらいのブレイクビーツパターンは一切使っていません。それでも音源の素材はジャズ的なフォーマットのようです。
アコースティック楽器の音源が多く、電子音は目立ちませんから、フォークトロニカの進化系という印象でもあります。ライブではこれをバンド編成で再現するという事で、ライブアルバムもオリジナルな価値があるのではないでしょうか。ノスタルジックというか、ヌーベルキュイジーヌのような気品さえ感じられます。モダンクラシカル、ネオクラシックとも少し違います。全く楽器を演奏しないで作られているからこそ作られた感覚の
音楽だと思います。
Flux