2006年のアルバムでEncre名義では最後の作品になっています。この後は本名のYann Tambourで活動しています。
音楽性でも特殊な内容になっています。スタジオ盤ではサンプリングミュージックにこだわっていましたが、それでもバンド
音楽のような素材を選んでいました。今回はかなりアブストラクトな作りになっています。
1. Plexus II
チェロやピアノ、ヴィオラ、管楽器、クラシカルな楽器の音源が選ばれていますが、いつもより短めなフレーズサンプリングをループさせているので、ミニマルな無機質なアンビエントになっています。楽器が発するノイズだとか、そういう空気感を呼吸するように利用して作られたアブストラクトアンビエントになっています。
1曲40分の作品のみ、サンプリングミュージックとしての役割を存分に果たした作品になっています。もはや、ここまでくればライブでのバンドでの再現は不可能というより、意味が無いでしょう。バンド演奏になっていませんから、彼なりのサンプリングミュージックへの落とし前というか、次のステップへと向かう為の禊のような作品になっています。
Plexus II