 | Ritual (1998/07/14)
Gabrielle Roth & The Mirrors商品詳細を見る |
90年のアルバムです。
音楽部門ではダンスとは別な特別な取り組みになり始めています。踊る為の
音楽から、もっと内向的でヒーリングの性質が強い作品になりつつあります。それも民族
音楽的な雰囲気の追求、演奏者の熟練度、様々な要素が絡み合い、
音楽部門としての完成度を目指すようになっていると感じます。
1. The Lonesome Song
2. Oceana
3. Cloud Mountain
4. Prairie Ruins
5. Crystal Cavern
6. Black Mesa
7. Stone Circle
曲の作り方としては、やはり明確なテーマを感じさせない、主旋律の無い
音楽になっていますが、モードな演奏によって、テーマに近い曲の性格性を提示しています。リズムという決められた枠の中で、即興的に演奏していく、モード演奏なのではみ出した演奏にはならず、まるで作曲されたかのような旋律で演奏されていきます。
ジャズの即興演奏も民族
音楽的なものが下地にあります。民族音楽というか、ロマという音楽を生業とする集団が即興演奏を得意としており、それが後のジプシーやボヘミアンな音楽となっていき、やがてクラシック音楽にも影響を与えていきます。ジャズはアフリカンな黒人がアメリカでマーチングバンドの使い古された楽器を手にする事で誕生したもので、民族音楽的なものとブラスバンド的なものが融合して生まれました、ビッグバンドのようにブラスバンドに近いアプローチから、もっと黒人的なものへの回帰としてハードバップが生まれます。コールアンドレスポンス的な演奏も民族音楽的なものだとするなら、ここで行われている即興演奏のやり取りは、まさにそこまで追求している音楽となっています。
The Lonesome Song