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[20230430]

Kobe (Reconstructions)
(1998/07/14)

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96年のアルバムです。来日していた日本で神戸大震災に触れ、神戸復興という祈りを込めた作品をリリースしました。過去に録音されていたものを編集したものになりますが、神戸復興の為にという思い出作られた作品であります。昔のセッション、アドリブの応酬みたいな演奏ですが、一番Amon Düül IIらしい演奏なので、従来のファンが本当に聴きたがっているような音源です。

1. Hallimasch
2. Kupplungen
3. Kronwinkel 13 - Der Große Herd
4. Verwandtschaft
5. Trabbi-Town
6. Tramin BF

即席で作ったような内容ではありますが、売り上げの一部を寄付するなど、その時自分達に出来る事をしたという事で、大変ありがたい事であります。新作とはいきませんでしたが、新作よりもファン好みの内容です。しかし、この混沌さは震災を思い起こさせるような気がしないでもないです。本来なら、レコーディング前の肩慣らし的な演奏なのかもしれませんが、60年代後半みたいでいい感じです。

新作は別にリリースされますが、それ以外の番外編みたいな感じではありますが、ライブインジャパンもリリースしましたし、親日家となっていただいております。ポップな新作を出されるよりは、ファン好みはこっちだと思います。儀式的なトランス状態へと昂まっていきます。トリプルドラムですので、かなり初期の頃の録音でしょうか。

Kronwinkel 13 - Der Große Herd
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[20230430]

Nada Moonshine
(1998/07/14)

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95年のアルバムです。久しぶりにChris Karrerが主導してのAmon Düül IIの作品となりました。流石に90年代になればシンセのサウンドもセンスが良くなってきます。サイケな雰囲気を出しつつも時代に合わせたヒップホップを通過してからの音楽性を身につけています。歌はまさかのラップ?ペットショップボーイズかと思いました。シンセポップ的なヒップホップへの近寄り方をしています。

1. Castaneda Da Dream
2. Nada Moonshine #
3. Speed Inside My Shoes
4. Sirens In Germanstan
5. Lilac Lillies
6. Kiss Ma Eee
7. Carpetride In Velvet Night
8. Black Pearl Of Wisdom
9. Ça Va
10. Guadalquivir

シンセによるアルペジオも民族音楽的な音階でのアルペジオを使ったり、細かいセンスが光っています。Amon Düül IIらしさを出しつつも流行も取り入れた力作になっています。ところどころオールドウェイヴが顔を覗かせますが、そこは許せるだけのミックス具合であります。再結成を繰り返しながらなんと生きながらえていますが、この後は日本にも来日してライブアルバムを残しています。

サンプラーも活用して、スラッシュメタルみたいなギターを弾いていますが、オールドウェイヴの感覚は隠せません。それでも単なる真似事で終わっていないので好感が持てます。60年代後半から30年近く続いているバンドですから、ここまでの努力は無駄ではありません。ドラムパターンだけもう少し工夫すれば、もっと良くなるはずです。まだ80年代もどこかに引きずっていますから、捨てる事も覚えた方がいいかもしれません。

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[20230429]

Die Lösung
(1998/07/14)

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89年のアルバムです。HawkwindのボーカリストだったRobert Calvertがゲストで参加しています。彼らにとってHawkwindというバンドは特別のバンドだったようで、Robert Calvertとはコレボレート的な扱いになっています。それに加えて、新たなメンバーも増えているので、サウンドがまた別物になっています。こんなにポップになるなんて別のバンドのようです。

1. Big Wheel
2. Urban Indian
3. Adrenalin Rush
4. Visions Of Fire
5. Drawn To The Flame
6. They Call It Home
7. Die Lösung

これまで中心人物だったJohn Weinzierlがいなくなっただけで、これだけ変わってしまうなんて、Chris KarrerバージョンのAmon Düül IIでもアメリカ的なポップバンドに変身しましたが、それとはまた違う感じのアメリカンなサウンドになっています。ファンキーさがサザンロックっぽいので、Chris Karrerバージョンのフュージョンな感じとは違っています。メンバーがこれだけ変わっていれば、もう別のバンド名をつけるべきなのですが、Amon Düül II名義でのリリースになっています。

まず何が違うかって、ドラムパターンのシンプルさです。ドラムだけでこれだけ軽薄に聴こえるなんて、アレンジはいかようにもなりますが、ドラムパターンの工夫が無いだけで、インテリジェンスを欠いたバンドのような印象を受けてしまいます。怖いものですね。80年代っぽい感じを出そうとしていますが、89年ってもう90年代を見据えていなければならないのに、残されたメンバーにはそこまでの気配りの出来る人はいなかったようです。

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[20230429]

Fööl Moon
(1998/07/14)

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89年のアルバムです。歌の割合が減って、インスト部分が多くなっているので、初期の頃のような混沌としたサイケなスタイルに戻っています。この頃になるとシューゲイザーが流行ってきていますので、それに近いノイジーなサウンドは古臭くは感じさせません。シンセサウンドも少なめなので、80年代っぽさがない事で現在の耳で聴いても耐え得る作品となっています。

1. Who Who
2. The Tribe
3. Tik Tok Song
4. Hauptmotor
5. Hymn For The Hardcore

儀式的な音楽、即興音楽、打楽器多めというAmon Düül最初期の基本構成を再現したような内容になっています。再結成して、ライブもこなして、何がファンを喜ばせられるのかがようやく分かってきたみたいです。歌が入っても呪文的だし、流行や個人的な趣向性を省いて、バンドとして何をすべきかが、ようやく身についてきたようです。最初が実験的過ぎていたので、こなれた音楽をやろうとして見失っていた部分がようやく見えてきた感じです。

即興性だけでなく、曲としての構成も考えながらの作品に仕上がっているので、自己満足だけに留まらない仕上がりになっていることが、とても好感を持てる作品なっております。街の喧騒を組み合わせた現代音楽的なコンクリートもとても音楽的な貼り付けをしています。もうサンプラーで作れる時代になっていますが、おそらくこれはサンプラーではなく、テープ編集のようでもありますが、あまりにも構成が見事なので、既に始まっているパソコンにようる編集なのか、制作過程が見えないというのも、ある意味すごい事です。

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[20230428]

Meetings With Menmachines
(1998/07/14)

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85年のアルバムです。再結成のAmon Düül IIにも女性ボーカルのJulie Wareingが加わり、ポップなスタイルのロックを演奏しています。しかし、Chris Karrerがやっていたようなソウル系のポップロックとは違って、John Weinzierlが作り出すポップロックはプログレをコンパクトにまとめたような、器用なChris Karrerに比べると無骨な感じの雰囲気になっています。

1. Pioneer
2. The Old One
3. Marcus Lied
4. Confucius Say
5. Things Are Often Not What They Seem
6. Burundi Drummer's Nightmare

ボーカル曲はポップですが、歌がない部分ではプログレ的なシンセを活かしたアレンジになっています。シンセの使い方もとてもオールドウェイヴで、シンセポップ以降の雰囲気ではなく、プログレの延長線上にある感じです。なので、本来なら、こちらの方がAmon Düül IIらしい内容になっているようです。Chris Karrerの時代は全く別物に化けていました。

どちらにしても売れる要素はありません。時代遅れであり、懐古的であります。しかし、だからこそAmon Düül IIらしい内容になっています。オールドウェイヴの人がニューウェイヴに適応するというのはかなり困難で、私も当時はかなり戸惑っておりました。これまで培ってきたものを捨てて、新たな感覚を身につけなければならないのですから、日本でもオールドウェイヴの人が適応したのは土屋昌巳と布袋寅泰ぐらいのものだったと思います。私も二人を参考に四苦八苦していました。このバンドも結構苦労していますが、ニューウェイヴにはなりきれていません。

Pioneer
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[20230427]

Hawk Meets Penguin
(1998/07/14)

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83年のアルバムです。一旦解散していたのですが、再集結してライブを行ったり、作品をリリースするようになっていきます。常にいるメンバーはギターのChris Karrerでしたが、ここからはChris Karrerは参加しておらず、もう一人のギタリスオJohn Weinzierlが中心になって再結成されています。なので、ポップになったAmon Düül IIとは違った、本来のサイケデリックなスタイルになっています。

1. One Moment's Anger Is Two Pints Of Blood
2. Meditative Music From The Third ◯ Before The Producers Pt 1
3. Meditative Music... Pt 2

サイケデリックで長尺の演奏となれば、これぞAmon Düül IIという感じがします。しかし、使用している楽器は80年代のものなので、過去のサウンドとは違っています。そこが新しいですね。80年代の楽器を使ってサイケなサウンドを出すというのは難しいものですが、ギター類は変わりがありませんから、デジタルシンセを目立たなくすればいい感じになります。

初期の頃の儀式的な感じや実験的な雰囲気も再現していて、これでこそ昔からのファンは喜んでもらえるというものです。しかし、80年代に売れるような作品ではありません。そこをどう評価するかは賛否両論あるかと思いますが、どっちにしても売れないのなら、自分達らしいスタイルのままの方が印象は良くなると思います。ファンにはこちらの方が好まれると思います。

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[20230426]

Vortex
(1998/07/14)

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81年のアルバムです。プロデュースはJörg Eversで、オリジナルメンバーのChris Karrer以外はほとんどがメンバーチェンジを繰り返してきました。女性ボーカルのRenate Knaupは復帰しています。よってサウンドも又がらりと変わりました。パンクニューウェイヴには反応出来ませんでしたが、80年代サウンドにはきっちり反応しています。この時点で既にゲートリバーブサウンドを取り入れ、デジタルシンセを使っています。

1. Vortex
2. Holy West
3. Die 7 Fetten Jahr'
4. Wings Of The Wind
5. Mona
6. We Are Machine
7. Das Gestern Ist Das Heute Von Morgen
8. Vibes In The Air

フュージョンスタイルから比べると彼ららしい感じにはなっていますが、80年代サウンドの軽薄さは致命的に本来の彼らの姿とは別のものに仕上げています。プログレポップな感じにしようとしているようですが、この80年代サウンド、当時は最新のサウンドだと思われていますが、時間が経つにつれてそのチープさが露わになってきます。デジタルシンセ、デジタルエフェクターの出始めなので、綺麗な音は出ますが、アナログシンセのような太いサウンドは作れないという足りないものが多過ぎていました。

90年代以降にやっと音を積み重ねて豊かなサウンドを出せるようになっていきますので、この出始めのデジタルサウンドは軽薄な印象しか残していません。なので時代性が明確に分かります。この流行の音に 乗っからなければ、現在の耳で聴いても耐え得るものになりますが、このチープさとAmon Düül IIの相性は決していいものではありません。そしてほとんど本来のAmon Düül IIの姿を取り戻せなかったからなのか、ここで一旦バンドは解散してしまいます。しかし、大物バンド再結成ブームにあやかって、すぐに再結成していく事になります。

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[20230425]

Only Human
(1998/07/14)

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78年のアルバムです。メンバー変更を繰り返していますが、スタイルもどんどん変化しています。ライトフュージョン的なA.O.R.に近いサウンドになっています。プログレではなく、フュージョン方面に行くとは予想外です。レゲエな曲もありますし、ディスコもあります。イギリス的なサウンドからアメリカ的なサウンドにシフトチェンジしています。

1. Another Morning
2. Don't Turn Too Stone
3. Kirk Morgan
4. Spaniards & Spacemen
5. Kismet
6. Pharao
7. Ruby Lane

70年代後半はパンクブームとなり、特にイギリスではパンクでなければ売れないという状況にまでなっていましたので、それまでのオールドウェイヴのバンドはこぞってアメリカ進出を企てます。当時アメリカで売れていのがフォリナーやジャーニーであり、それらにヒントを得て、アメリカ的なサウンドを取り入れるようになっていきますが、その流れに合わせていたのかもしれません。

不況のイギリスに比べてバブル全盛期のアメリカで売れればでかいです。別名、悪魔に魂を売るというタイトルがつきそうですが、ニューウェイヴについていけない以上アメリカに媚を売るしかないのです。これだけ器用なバンドがニューウェイヴ、パンクにはついていけないのです。ニューウェイヴの本家は本来ドイツのはずですが、ニューウェイヴには少し早い時期です。贅肉を削ぎ落としたパンクロックを演奏するには歳を取り過ぎていたのです。サイケ、アヴァンギャルドなバンドが、こんなフュージョン系の曲をやるというのも面白い現象ではあります。

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[20230424]

Almost Alive...
(1998/07/14)

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77年のアルバムです。メンバー変更も激しく、ボーカルが変わるとまるで違うバンドのような印象も受けます。時はディスkジョブームではありますが、ディスコにはいっていません。フュージョンというかクロスオーヴァーブームでもあり、A.O.R.のような都会的で大人びたサウンドもはやっていました。そのクロスオーヴァーなアレンジになっています。

1. One Blue Morning
2. Goodbye My Love
3. Ain't Today Tomorrow's Yesterday
4. Hallelujah
5. Feeling Uneasy
6. Live In Jericho

クロスオーヴァーも、アメリカの東海岸と西海岸では雰囲気が違っていました。いつの時代でも西海岸の方がメローになりがちですがこのバンドの場合はどちらとも違っていて、クロスオーヴァーとプログレの中間的なライトフュージョンの類になっています。ラテンなパーカッションを加えるという、打楽器に力を入れていた初期の頃の名残りとは別の意味でのパーカッションアレンジをしているという、まるで別のバンドのようなサウンドです。

つまりロック的でも無くなってきています。凝りまくる性質は同じかもしれませんが、フュージョン的なアレンジに凝るようになっています。これが昔からのファンに受け入れられていたかというと、賛否両論だったと思います。賛否両論というほど注目もされていなかったと思います。もはや曲者的なバンドだった彼らは過去のものになりつつあります。メンバーを入れ替えながら存続していくと、どうしてもこうなってしまいます。ほぼ別のバンドです。

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[20230423]

Pyragony X
(1998/07/14)

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76年のアルバムです。プロデュースは引き続きJürgen S. Korduletschです。オリエンタルな雰囲気という事でFlower Of The Orientでは民族音楽的な部分が復活しています。それ以外はポップ路線ではありますが、明るい雰囲気よりも暗い雰囲気な部分が増えてきています。女性ボーカルがいなくなったという事でも雰囲気がだいぶ違って聴こえます。

1. Flower Of The Orient
2. Merlin
3. Crystal Hexagram
4. Lost In Space
5. Sally The Seducer
6. Telly Vision
7. The Only Thing
8. Capuccino

完全にポップになってしまえばだいぶ敷居も低くなるので売れると思うのですが、完全にポップにはなりきれないんですね。凝り性の部分がいろんな場面に顔を出してきます。そこでバンドとしてはなんとか面目を保たれているのですが、中途半端にポップになるのって、結構危険で、それなら徹底して凝りまくったスタイルになった方が分かりやすくなります。なので、ちょっと変わったバンドだというイメージは変わらないんですね。

ほとんどのオーディエンスは買って損のない音楽を求めます。だから、望んだ通りのスタイルが分かりやすく聴けるバンドが売れるのです。冒険してアルバムを買おうとする人は少ないのです。なので、中途半端にポップで、中途半端に凝りまくっていると、なかなか手を伸ばしにくくなります。昔らのファンにとっても、これだけポップになっている事は望んでいません。この辺のバランスが難しいんですよね。でもこのアルバムはある程度Amon Düül IIのイメージに近いかもしれません。

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[20230423]

Made In Germany
(1998/07/14)

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75年のアルバムです。ドイツの日常を描いたようなコンセプトアルバムになっています。場末のキャバレー音楽からタンゴ、ワルツ、ドイツの歌謡曲などがポップに描かれていきます。今回の共同プロデュースはJürgen S. Korduletschです。メンバー変更も当たり前のようにあります。もう以前の実験的なバンドではありません。

1. Overture
2. Wir Wollen
3. Wilhelm Wilhelm
4. SM II Peng
5. Elevators Meet Whispering
6. Metropolis
7. Ludwig
8. The King's Chocolate-Waltz
9. Blue Grotto
10. Mr. Kraut's Jinx
11. Wide-Angle
12. Three-Eyed Overdrive
13. Emigrant Song
14. Loosey Girls
15. Top Of The Mud
16. Dreams
17. Gala Gnome
18. 5.5.55
19. La Krautoma
20. Excessive Spray

日常的な出来事をシニカルに描くキンクスのような洒落た感じがあります。ちょっとファンキーな雰囲気のソウル風の曲など、ディスコの時代に寄せている部分もあります。メンバー変更する度にどんどん器用になっていきます。アドリブ合戦は無くなって、計算されたソロを多用しています。アナログ盤2枚組でのリリースでしたが、後に曲を削った1枚組バージョンもリリースされています。

ポップでコンパクトになったとはいえ、凝り性なところは変わっていないようです。ドイツのクラウトロックも、個性的なバンドが多かったのですが、この時期あたりからイギリスあたりと変わらないようなバンドも登場してきます。そんなイギリス、アメリカにも通用するような音楽性を身につけています。昔からのファンとしては、もうこの頃のAmon Düül IIはもうらしくないと思われていますが、たまに昔の感じも残しています。

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[20230422]

Hijack
(1998/07/14)

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74年のアルバムです。プロデューサーにWild Willyを起用して、さらにポップロックになっていっています。ブリットポップみたいな曲もあります。ホーンセクションが入ってリズム&ブルースみたいな曲もあります。アメリカの黒人音楽的な事は、ヨーロッパのバンドは苦手なものですが、このバンドほどの演奏力があれば、黒人音楽も難なくこなしてしまいます。

1. I Can't Wait (Part 1+2)
2. Mirror
3. Traveller
4. You're Not Alone
5. Explode Like A Star
6. Da Guadeloop
7. Lonely Woman
8. Liquid Whisper
9. Archy The Robot

フュージョンはジャズとロックとファンクが合体したものですが、よりソウルフルなアレンジで都会的なライトフュージョンが流行りだすと、ロック界でもソウル系のアレンジが目立つようになります。本格的なブルーアイドソウルは80年代が来るのを待ちますが、70年代のロック界ではソウル系のアレンジが加わる特徴がありました。それに追従したように、ちゃんとソウル系のアレンジもこなしています。

特にスティーヴィーワンダーが神がかっていた時代でもありますので、そうしたソウル系の流行が後のディスコブームにもつながっていきます。ただし、イギリスを除くヨーロッパ圏ではクラシック理論が根強く、ジャズ理論に基づく黒人音楽は生理的に苦手だったという印象があります。それでも器用にソウル系のアレンジを演奏できる演奏力はお見事だと思います。サイケな混沌さが無くなった分を演奏力でカバーするかのように、ポップな楽曲でも巧みな演奏で表現しています。

I Can't Wait (Part 1+2)/Mirror
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[20230422]

Vive La Trance
(1998/07/14)

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73年のアルバムです。Utopiaでのセッションが起点となったのか、普通にポップロックを演奏するようになっていきます。歌を中心とした曲作りになり、当時流行っていたフュージョンやプログレの雰囲気もありつつ、コンパクトに仕上げられています。数名メンバーチェンジなどもあり、数名のゲストの参加もあり、これまでの作風よりも明るくなっています。

1. A Morning Excuse
2. Fly United
3. Jalousie
4. Im Krater Blühn Wieder Die Bäume
5. Mozambique
6. Apocalyptic Bore
7. Dr. Jeckyll
8. Trap
9. Pigman
10. Manana
11. Ladies Mimikry

タイトルにTrance とありますが、トランスミュージックになっているものではありません。邦題が恍惚万歳なので、言葉としてのトランスになっているだけのようです。リズムはシンプルになっているわけではありませんが、ドラムがPeter Leopoldだけになっています。一人だけになった事でスッキリしたアレンジになっているようですが、結構複雑なリズムを叩き出しています。

アドリブというより、長いソロはあります。それも曲の構成として作られているので、プログレ的に感じるものになっています。最初のセッションにこだわっていたAmon Düülとは違って、進化していくバンドとしての姿が、ここから描かれていきます。当時のイギリスの若者はクラウトロックを熱心に聴いていましたので、ドイツのロックシーンは結構当時の流行の中に隠れた影響を与えていました。パンクもニューウェイヴもテクノもクラウトロックの影響から生まれています。その中でも個性的なバンドでした。


A Morning Excuse
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[20230421]

Utopia
(1998/07/14)

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73年のアルバムです。本来はプロデューサーであるOlaf KüblerとLothar MeidによるUtopiaというプロジェクトによる作品でありましたが、Amon Düül IIの多くのメンバーが参加していた事もあり、後にAmon Düül IIの作品として再リリースされました。別プロジェクトという事であり、かなりポップなロック作品になっています。

1. What You Gonna Do
2. The Wolf-Man Jack Show
3. Alice
4. Las Vegas
5. Deutsch Nepal
6. Utopiat No. 1
7. Nasi Goreng
8. Jazz-Kiste

普通にポップな楽曲が並べられているので、Amon Düül IIらしからぬ内容ではありますが、バンドの方もメンバーの入れ替えが多くなっていき、これまでのようなスタイルからは変化していく事になります。なので、このプロジェクトへの参加は新たな可能性が見つけられたのではないかと思われます。サックス奏者でもあるプロデューサーのOlaf Küblerが主導しているプロジェクトなので、主旋律がサックスになっています。

Wolf City収録のDeutsch Nepalを再演しています。これにより、このバンドがAmon Düül IIとは違う部分を明確にしていると思います。実験性やアドリブによる拡張性を配した、普通のロックスタイルでもやっていけるという自信がついたと思います。個性的な事をやっていたら、普通の事をやるのに戸惑いが生じます。特に当時は個性がある方が尊ばれていましたので、オーソドックスをやるって勇気がいる事だったと思います。

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[20230420]

Wolf City
(1998/07/14)

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72年のアルバムです。1枚組みにはなりましたが、同じ年に続けてのリリースなので、ほぼ2枚組みのようなものです。内容も凄まじく、コンパクトにはなっていますが、アドリブ的な部分もあり、内容が濃いですね。プログレ的ですけど、フュージョン的な感覚もあり、Carnival In Babylon同様Olaf Küblerとの共同プロデュース。おそらく同じセッションなのでしょうが、1枚ずつ出した方が売れると判断したのでしょう。

1. Surrounded By The Stars
2. Green Bubble Raincoated Man
3. Jail-House Frog
4. Wolf City
5. Wie Der Wind Am Ende Einer Strasse
6. Deutsch Nepal
7. Sleepwalker's Timeless Bridge

ポップな曲作りですが、展開がプログレというか、めまぐるしく変化していきます。ちゃんと計算されて作曲されていますので、その流れもスムーズです。ボーカルは複数のメンバーで交代で歌っています。本当に売る気なら、女性ボーカルで固定させた方がいいと思いますが、みんな自己顕示意欲の塊なのでしょう、それがこれだけ複雑なアレンジにも表れています。

各メンバーの自己主張が強いと、バンドは分裂することもありますが、それは今後のメンバー変更などで解消されていきます。しかし、今みたいなお利口さんバンドばかりじゃなかった時代ですから、これだけとんがった作品が作れたのでしょう。これだけのバンドをまとめるのも大変かと思いますが、個性のぶつかり合いもロックの醍醐味の一つだと思います。

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[20230419]

Carnival In Babylon
(1998/07/14)

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72年のアルバムです。やっと1枚組に抑えてくれました。長尺に拡大していくというのは容易い事ですが、短めに収めるという編集能力が、音楽にとっては一番難しいところで、作りとしてはもっと色々やりたいという欲求が強く出てしまうところを、やりたい表現を出した上でコンパクトにまとめるというのがポップセンスを問われるところです。このバンドには似つかわしくないセンスではありますが、時代を生き抜く上では必要なものでもあります。

1. C.I.D. In Uruk
2. All The Years 'Round
3. Shimmering Sand
4. Kronwinkl 12
5. Tables Are Turned
6. Hawknose Harlequin

クラシック的な表現で、ポップにまとめるという作業を行なっています。それはまるでピンクフロイドがサイケな表現から徐々にプログレ的な広がりを見せていく流れに似ています。ピンクフロイドの場合はフォークソングというベーシックがありますが、このバンドにはフォークというより、民族音楽という感覚があります。なので、まだサイケな雰囲気も残っています。

これまではChris Karrerが歌う事が多かったのですが、女性シンガーのRenate Knaupが歌う事が多くなって、よりポップな雰囲気を作っています。民族音楽的なサイケな部分と、クラシックのようなコーラスワークが混じり合った、不思議な世界観は、フュージョンの黎明期にも似た混沌さがあります。しかし、アドリブの部分が減っているというか、ほとんどないので、これだけコンパクトにまとめられているようです。しかし、アドリブ的な緊張感を持った演奏は流石です。

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[20230418]

Tanz Der Lemminge
(1998/07/14)

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71年のアルバムです。これもアナログ盤2枚組の作品でした。各面ごとに一つの作品になっていて、A面がSyntelman's March Of The Roaring Seventies、B面がRestless Skylight-Transistor-Child、2枚目のC面、D面はChamsinという映画のサウンドトラックになっています。これまでのサイケな雰囲気はのしつつも、ジャズ的な洗練さをもって、プログレに近い感覚の内容になっています。

1. Syntelman's March Of The Roaring Seventies
a. In The Glassgarden
b. Pull Down Your Mask
c. Prayer To The Silence
d. Telephonecomplex
2. Landing In A Ditch
3. Dehypnotized Toothpaste
4. A Short Stop At The Transsylvanian Brain Surgery
5. Race From Here To Your Ears
a. Little Tornadoes
b. Overheated Tiara
c. The Flyweighted Five
6. Riding On A Cloud
7. Paralized Paradise
8. H.G. Well's Take-Off
9. The Marilyn Monroe-Memorial-Church (impr)
10. Chewinggum Telegram
11. Stumbling Over Melted Moonlight
12. Toxicological Whispering

サイケデリックの進化形がプログレなら、このバンドの進化した姿もプログレッシッブロックっぽくなってきました。新しい演奏を出さなかったAmon Düülに比べて、こちらはバンドとして成長してく姿が記録されています。アドリブ的なソロが多いところも作曲された部分だと思えばプログレそのものです。アドリブ合戦が多かった60年代後半の長尺な演奏に疲弊していたので、70年代は長い曲でも、しっかりと作曲させて飽きさせない作りになっているのが特徴ですが、このバンドはまだアドリブも残しています。

作曲もしっかりとされていますが、アドリブが入る部分をしっかり用意しているので、プログレのように聴こえない雰囲気があると思います。それこそがAmon Düül IIらしいところでありますが、クリエイティヴさはプログレそのものだと思います。ゲストのAl Gromer Khanによるシタールが入る部分はサイケな感じがしますが、後はもうサイケを払拭するかのようなアレンジになっています。

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[20230417]

Yeti
(1998/07/14)

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70年のアルバムです。いきなり、もう2枚組の作品となっています。組曲があったり、2枚目は即興演奏によるジャムセッションになっています。叫び声だけでは無く、歌を歌うようになっています。しかも英語で歌っていますから、世界を視野に入れて活動している事が汲み取れます。まだまだサイケ色が強く、Chris Karrerによるバイオリンの音色が悪魔的に響いてきます。

1. Soap Shop Rock
a. Burning Sister
b. Halluzination Guillotine
c. Gulp A Sonata
d. Flesh-Coloured Anti-Aircraft Alarm
2. She Came Through The Chimney
3. Archangels Thunderbird
4. Cerberus
5. The Return Of Ruebezahl
6. Eye-Shaking King
7. Pale Gallery
8. Yeti (Improvisation)
9. Yeti Talks To Yogi (Improvisation)
10. Sandoz In The Rain (Improvisation)

リズムはPeter Leopoldのドラムを一つにして、後のメンバーはパーカッションとしてサポートする形になっています。サイケデリックの雰囲気のままに、プログレ的なスケールを持った構成になっており、ここまで強烈なサイケパフォーマンスのスタジオアルバムは少なかったと思います。世界的にはサイケデリックロックは過去の音楽になっておりますので、形式にこだわる必要もなく、サイケの進化系としての個性を発揮しています。

70年代はクラウトロックとしてドイツのバンドにも注目が集まるようになっていきますが、その草分け的な存在でありました。アメリカやイギリスのバンドに比べると実験的な音楽性のバンドが多かったのも、このバンドの影響だったのかもしれません。まるで初期ピンクフロイドとの鋭利さとサンタナバンドの熱狂が混じりあったような混沌。元祖Amon Düülが初期衝動にこだわっているの対して、こちら側は、独自の進化をこなしていきます。

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[20230416]

Phallus Dei
(1998/07/14)

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Amon DüülにおけるPsychedelic Undergroundのセッションには参加していたメンバーが脱退して結成したのが、このAmon Düül IIであり、Amon Düülとほぼ同時期に存在して活動していました。69年のファーストアルバムになります。Psychedelic Undergroundのリリースも69年ですから、ほぼ同時にデビューしています。しかし、Amon Düülが最初のセッションにこだわっていたのに対して、こちらはちゃんと作曲も出来て、普通にバンドとして存続しています。

1. Kanaan
2. Dem Guten, Schönen, Wahren
3. Luzifers Ghilom
4. Henriette Krötenschwanz
5. Phallus Dei

メンバーはギターのChris KarrerとJohn Weinzierl、ドラムはPeter Leopold、Holger TrülzschとDieter Serfasと、こちらも三人打楽器がいます。オルガンのFalk Rogner、ベースのDave Anderson、女性ボーカルのRenate Knaup、Shrat、ヴィブラフォンのChristian Burchardと大人数です。実験的だったPsychedelic Undergroundセッションから構築の方向性に進んでいて、こちらはかなりサイケデリック色が強めに出ています。

ジャズ的な感覚もありますが、初期ピンク・フロイドのようなイマジネーション豊かなサイケデリックロックになっています。トリプルドラムではありますが、こちらは儀式的な表現は抑え気味です。プログレに変身する前のサイケデリックの宴のように、それぞれのプレイヤーもそれぞれの技を存分に見せつけています。作曲という秩序と、奔放という演奏力のバランスを保った見事な作品です。

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[20230416]

Experimente
(1998/07/14)

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83年、バンドは解散していましたが、元祖Amon Düülの作品としてリリースされました。これもこれまでと同じで、ファーストアルバムのセッションからの抜粋、編集されたものになります。これもアナログ盤では2枚組だったので、ものすごい量の録音だった事が分かります。しかし、これだけ延々とフリーな演奏を垂れ流されると、アンビエント作品を聴いているような錯覚になっていきます。

1. Special Track Experience No. 1
2. Special Track Experience No. 2
3. Special Track Experience No. 3
4. Special Track Experience No. 4
5. Special Track Experience No. 5
6. Special Track Experience No. 6
7. Special Track Experience No. 7
8. Special Track Experience No. 8
9. Special Track Experience No. 9
10. Special Track Experience No. 10
11. Special Track Experience No. 11
12. Special Track Experience No. 12
13. Special Track Experience No. 13
14. Special Track Experience No. 14
15. Special Track Experience No. 15
16. Special Track Experience No. 16
17. Special Track Experience No. 17
18. Special Track Experience No. 18
19. Special Track Experiance No. 19
20. Special Track Experiance No. 20
21. Special Track Experience No. 21
22. Special Track Experience No. 22
23. Special Track Experience No. 23
24. Special Track Experience No. 24

新作を録音するのでは無く、昔のセッションからばかり作品をリリースしていたのは、同時進行していたAmon Düül IIに気を使っていたからなのか。Amon Düül IIの方は長く活動を続けていますので、こちら側は、存在しているようで、存在しない架空のバンドのような体を成しています。この初期衝動のようなエネルギーは再現は難しいと思いますが、このセッションにこだわっていたのは何なんでしょうか。

Psychedelic Undergroundでファンになった人にとっては、続編が聴けるので嬉しい限りなのでしょう。このバンドありきで、Amon Düül IIを楽しむ為の記念碑的な作品なのでしょうか。まだ70年代になっていない時期に、これだけリズムにこだわったバンドって、Graham Bond OrganisationやGinger Baker's Air Forceくらいなもので、それ以上の破壊力はあります。

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[20230415]

Disaster (Lüüd Noma)
(1998/07/14)

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71年のアルバムです。アナログ盤では2枚組でのリリースでした。これもファーストアルバムと同じセッションからの抜粋になっています。どれだけの量を録音していたのでしょう。新しく録音するよりも、過去の演奏を編集するという作業でバンドを維持しています。それでも編集技術は優れてきてい、これまでの前衛的なフリー演奏をループさせる事により、まとまりのある楽曲として整えています。

1. Drum Things (Erschlagzeugtes)
2. Asynchron (Verjault Und Zugeredet)
3. Yea Yea Yea (Zerbeatelt)
4. Broken (Ofensivitääten)
5. Somnium (Trauma)
6. Frequency (Entzwei)
7. Autonomes (Entdrei)
8. Chaoticolour (Entsext)
9. Expressionidiom (Kapuntterbunt)
10. Altitude (Quäär Feld Aus)
11. Impropulsion (Noch'n Lied)

Amon Düül IIの方がバンドとしては成立していて、こちらの元祖側では、過去の演奏に囚われていて、この後は活動を停止してしまいます。名ばかりのバンドであったようにも思えます。前衛性と現代音楽的な発想で、既成概念を超えた存在だったとも言えます。儀式的な意味合いのあるリズムのループ。そこにフリーな演奏が絡み合っていきます。それだけの演奏をこれだけの容量でまとめあげるって、相当な労力を経た編集になっていたと思います。

現在のようなDTM環境も無い、テープ録音された音源を切り離したり、くっつけたり、儀式的な意味合いでの演奏で演奏している方もトランス状態に入っていると思われる節もあります。中にはビートルズっぽい曲を演奏しているリハーサル的な録音も使われています。タイトルがYea Yea Yea という、フランスでいうイエイエの時代を思わせるネーミングになっています。複数の打楽器が織りなすアンサンブル、それだけでも斬新な存在だったと思います。

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[20230415]

Paradieswärts Düül
(1998/07/14)

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70年のアルバムです。バンドの数名は脱退してAmon Düül IIを結成するのですが、他のアルバムが全て最初のセッションからの編集で構成されているのに対して、このアルバムだけが残されたメンバーによる新たな演奏になっています。ですからとてもプログレに近い感覚になっています。プログレというよりミニマルミュージックに近い感じでしょうか。

1. Love Is Peace
2. Snow Your Thurst And Sun Your Open Mouth
3. Paramechanische Welt

プロデュースをミュンヘンのシンガーソングライターJulius Schittenhelmに任せています。サイケな味付けもありますが、情緒的な演奏は、これまでのような儀式性よりも現代音楽に近い感覚、トランスというよりミニマルに近い感覚です。アコースティック楽器によるフォーキーな雰囲気も、民族音楽というよりフォークロックの感覚、フリージャムセッションでは無く、しっかり作曲された楽曲でのアドリブ的な演奏なので、フリージャズ感覚も薄れています。

Amon Düül IIに対して、こちらオリジナル側は、最初のセッションのみにより成り立っているバンドで、それ以外では唯一この作品のみがオリジナルバンドとしての新作になっています。しかもAmon Düül IIに行っていたメンバーも協力して制作されています。つまり、こちら側のバンドはほぼ営業していない仮の事務所みたいな存在であったわけです。

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[20230414]

Collapsing Singvögel Rückwärts & Co.
(1998/07/14)

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69年のアルバムです。録音は前作と同じセッションのものになりますが、よりリズムが強調された内容になっています。儀式的な民族音楽的なリズムっぽい感じを創作してリフレインさせる事で、トランス状態を呼び起こすような効果を狙っていたのかどうかは第三者による解釈によります。彼らはただ、サイケと言うより、より自由な精神性を音楽により表現しているにすぎません。

1. Booster (Kolkraben)
2. Bass, Gestrichen (Pot Plantage, Kollaps)
3. Tusch Ff.
4. Singvögel Rückwärts (Singvögel Vorwärts)
5. Lua-Lua-He (Chor Der Wiesenpieper)
6. Shattering & Fading (Flattermänner)
7. Nachrichten Aus Cannabistan
8. Big Sound (Die Show Der Blaumeisen)
9. Krawall (Repressiver Montag)
10. Blech & Aufbau (Bau, Steine & Erden)
11. Natur (Auf Dem Lande)

フリーに演奏されたセッションを作品化するには編集が必要です。ただそのまま流すだけなら、それは商品としては退屈なものになりがちです。抜粋して切り離したり、つなげたり、編集する事で、より鋭利な音楽に化けていきます。その良い例がマイルスの作品になります。マイルス達はただ自由にアドリブを重ねながらセッションしているだけで、そのテープを後でテオマセロというプロデューサーがつなぎ合わせて曲として仕上げています。だから、スタジオ盤とライブ盤では同じタイトルの曲でも全く違うように聴こえます。なので、マイルスの場合はスタジオ盤での名盤とライブ盤での名盤が両立していました。

このバンドの演奏も、かなり自由に演奏している分、編集によって、破壊的で鋭利さが増した音楽になっています。テープループなどの手法はアンビエント、コンクリートミュージックのような前衛性もあり、もはやサイケの領域を超えたものになっています。当時は左翼思想の市民運動集団と関係があったとしてドイツにおいてはスキャンダラスなイメージも与えていたようで、日本で思っている以上にアナーキーな集団だったと思われます。

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[20230413]

Psychedelic Underground
(1998/07/14)

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ドイツのバンドAmon Düülの69年のファーストアルバムです。ドイツでもヒッピームーヴメントの影響があり、アメリカの流行が去りゆく時期でのデビューとなっていますが、マニアックなファンから支持されていました。エジプトの太陽神アモンと、トルコ語の概念という意味のデュールを組み合わせた造語になっています。メンバーはドラムとピアノのWolfgang Krischke、パーカッションのHelge Filanda、Angelika Noam Filanda、Eleonore Romana Bauer、ベースのUlrich Leopold、ギターのRainer Dadam Bauerの6人組です。パーカッションが4人もいるという特殊な構成になっています。

1. Ein Wunderschönes Mädchen Träumt Von Sandosa
2. Kaskados Minnelied
3. Mama Düül Und Ihre Sauerkrautband Spielt Auf
4. Im Garten Sandosa
5. Der Garten Sandosa Im Morgentau
6. Bitterlings Verwandlung

アナログ盤で言うところのA面全部を使ったEin Wunderschönes Mädchen Träumt Von Sandosaは、サイケデリックというより、即興演奏、フリーミュージックという性質が強く、リフレインを繰り返す感じが、後のトランスミュージックの原型とも言われています。土着的民族音楽へのオマージュという趣旨があり、部族的なリズムの創作により、土着民族の儀式的な音楽性を模しています。悪魔的な儀式を模したアーサーブラウンに近い感じでしょうか。

それ以外の曲はサイケな雰囲気がありますが、やはり部族的なリズムのリフレインをテープループで作っていたりしていますので、ブレイクビーツ的な事をテープ編集でやっております。当時、ジョンとヨーコが前衛的な音楽をやっていましたが、やはりこのようなリズムのリフレインを使っていました。それはまるで、エレクトリックジャズを推進していたマイルスがジャムセッションでやっていた手法にも類似しており、そこでフリーに演奏すると言う手法は当時のジャズ界ともシンクロしています。

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[20230412]

Sun And Steel
(1998/07/14)

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75年のアルバムです。せっかく再結成しましたが、これが最後の作品となりました。この後も何度も再結成してはライブ活動はしていきますが、新作を出す事はありませんでした。ライブアルバムを出すぐらいで、新曲よりも昔の曲を演奏してファンに喜んでもらう為の活動になっていきます。

1. Sun And Steel
2. Lightnin'
3. Beyond The Milky Way
4. Free
5. Scion
6. Get It Out
7. I'm Right, I'm Wrong
8. Watch The World Goin' By
9. Scorching Beauty

さすがに前作Scorching Beauty の内容ではまずいと思ったのか、今回はがらっと作風を変えて、スペースロック的なプログレ寄りのロック作品に仕上げてきました。田舎臭さは払拭されました。プログレブームも落ち着いてきている時期でしたので、プログレよりもポップな仕上がりは、ちゃんと時代を読んだ内容になっていると思います。それでも昔ほどのヒットには至りませんから、これ以降は新作を出さなくなります。

本当は違いますが、In-A-Gadda-Da-Vidaのヒットがデカ過ぎたので、一発屋的なイメージがあります。なのでそうした過去の楽曲を演奏して喜んでもらうバンドとしてこの後は活動していきます。演奏力は申し分ありませんが、時代に合わせた楽曲を作れるほどの器用さはなかったようです。この時期になるともう第二期ハードロックブームとなりますので、そこにポイントを合わせていけば問題ない内容にはなっていると思います。第二期ハードロックブームはイギリスだけではなく、アメリカでも起こっていますので、若手に混じって頑張っても良かったと思いますが、過去のバンドというイメージは払拭出来なかったようです。

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[20230411]

Scorching Beauty
(1998/07/14)

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75年のアルバムです。一度解散してましたが、脱退していたギターのErik BrannとドラムのRon Bushyによって再結されました。メンバーは他にベースのPhil Kramer、キーボードのHoward Reitzesのお四人組になっています。プログレになるのかと思われましたが、やっているのはハードロック系ですね。アメリカらしいハードロックですからサザンロックといった感じです。

1. 1975 Overture
2. Hard Miseree
3. High On A Mountain Top
4. Am I Down
5. People Of The World
6. Searchin' Circles
7. Pearly Gates
8. Lonely Hearts
9. Before You Go

再結成されて、あまり変化もしていないので、ファンは喜んだのかもしれませんが、過去のままでいいわけにはいかないはずで、あまりにも古めかしいスタイルでは売れません。サイケでもなくなっていますし、Iron Butterflyというネームバリューを使うなら、それなりのものを出さないとファンは納得しないでしょう。

アメリカに住んでいない私でも、これは田舎臭いサウンドだというのは理解出来ます。演奏力はありますので、この田舎臭いスタイルを真面目にやっているというのはとても滑稽で、誰も的確なアドバイスをしていなかったのでしょうか。レコード会社も何も言わなかったのでしょうか。平和な時代だったんですね。

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[20230410]

Metamorphosis
(1998/07/14)

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70年のアルバムです。ギターのErik Brannが脱退したので、新たにMike PineraとEl Rhinoの二人が加入してツィンリードギター体制となりました。ヘヴィメタやプログレの前身のような存在だったIron Butterflyでしたが、アメリカのバンドだった彼らは結局ソウルフルなサザンロックみたいなスタイルになっています。ファズギターを弾きまくっていたErik Brannの脱退はサイケの時代の終わりを告げていたようでもありました。

1. Free Flight
2. New Day
3. Shady Lady
4. Best Years Of Our Life
5. Slower Than Guns
6. Stone Believer
7. Soldier In Our Town
8. Easy Rider (Let The Wind Pay The Way)
9. Butterfly Bleu

何とかツィンリードギターという、サザンロックにありがちなバンドスタイルで再出発を果たしましたが、結局この後バンドは解散となります。第1期Iron Butterflyの最後の作品となります。当時アメリカンニューシネマとして話題となったEasy Riderへの提供曲も入っています。ハードロックとプログレブームになっていたのはイギリスであり、アメリカではその影響は後に現れますが、当時のアメリカのバンドにはカントリーロックなどのサザンロックが主流になっていたので、彼らもその流れに乗っています。

サイケの時代は終わって、新たな時代を迎えたのは同じで、Iron Butterflyも以前のIn-A-Gadda-Da-Vidaの大ヒットのイマージが強いので、新たなスタイルを手に入れても、過去のバンドの印象となっていました。昔、サイケの時代にそんなバンドいたなー、という印象で、もう主流はイギリスのハードロック、プログレに目がいっていますので、バンドとしても継続していくのにきつくなってきたのか、この後、一旦バンドは解散となります。

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[20230409]

Ball
(1998/07/14)

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69年のアルバムです。よりヘヴィーなプログレ、スプリングリバーブを印象的に使っているので、スペースロック的な印象も受けます。69年と言えば、キングクリムゾンとツェッペリンが登場した年です。それは劇的なそれまでのロックの流れを変革していくエポックメイキングとなりましたが、他のバンドはまだその新しい時代に適応出来ていません。サイケデリックの時代って3年〜4年程度の短いものでした。ウッドストックも、暑い夏の終わりを象徴している出来事なのでありました。

1. In The Time Of Our Lives
2. Soul Experience
3. Lonely Boy
4. Real Fright
5. In The Crowds
6. It Must Be Love
7. Her Favorite Style
8. Filled With Fear
9. Belda-Beast

ハードロック、プログレの流れは70年代に入って加速していきます。なので、まだ69年は混沌とした時期でした。サージェントペッパーにより生じた衝撃がついに69年に実を結んでいくのです。それは10年時代を牽引してきたビートルズへの決別でもありました。クリムゾンのファーストアルバムはなんとアビーロードの売り上げを抜き去ってしまったのです。10年近く無敵を誇っていたビートルズを脅かす存在が登場したのです。そのプログレへの影響力を持っていたIron Butterflyでしたが、自分達ではその新しい流れにはついていけていません。

In-A-Gadda-Da-Vidaのビッグヒットを持っているにも関わらず、一瞬で時代遅れのスタイルになってしまったのですから、当時の激変ぶりは衝撃的過ぎています。現在、それほどの衝撃性を持つバンドなど存在しません。新しいスタイル、自分達のオリジナリティーなどを追及する指向性が薄れているからです。Iron Butterflyも十分まだまだ個性的ですが、それ以上の感性が生まれた以上、彼らにも方向転換の必要性が生じてきます。そしてこの後Erik Brannが脱退しました。

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[20230409]

In-A-Gadda-Da-Vida
(1998/07/14)

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68年のアルバムです。彼らの最大のヒット作であり、代表作になります。アナログ盤でいうところのB面全てを使ったタイトル曲In-A-Gadda-Da-Vidaはまだサイケな作風ですが、すでにプログレ的な予感を感じさせる大作になっており、累計3000万枚という記録的なセールスを売り上げるという驚異の作品になっています。サイケの代表作でもあると思いまし。その他はポップな曲も目立ち、いかにもサイケデリックロックしています。

1. Most Anything You Want
2. Flowers And Beads
3. My Mirage
4. Termination
5. Are You Happy
6. In-A-Gadda-Da-Vida

サイケの時代はモードジャズのように、スケール演奏によるアドリブをライブでは展開するようになります。ラーガロックのように民族音楽的な解釈によるもので、クリームの登場が一番大きいのですが、ジャズ的な演奏重視のステージになり、聴衆もそれに合わせた体力をもっていました。なので、In-A-Gadda-Da-Vidaが17分あっても愛聴されていたのです。アメリカではジャムバンドというのも流行っていた時期です。ジャムセッションのようなライブを展開するのです。

しかし、アドリブよりもしっかり作曲されて、長尺の楽曲を作り出すプログレの時代への心構えが、この頃に芽生えていたとも言えます。フラワームーヴメントのこの時代は、精神性の自由が尊重されていましたので、フリーフォームなアドリブに酔いしれる習慣がありました。まさにサイケとは時代に求められていた音楽だったのです。特にこのバンドの様に演奏力、体力があるバンドは後のプログレへの礎を築いています。

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[20230408]

Heavy
(1998/07/14)

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Arthur Brownにだいぶ時間を費やしてしましたが、まだ紹介していないサイケバンドの紹介に戻ります。時間軸は適当なのでご了承ください。アメリカのバンドIron Butterflyの68年のファーストアルバムになります。時代はサイケの時代ではありますが、この頃にはプログレやハードロックの元になるようなバンドが続出しています。特に当時はアメリカの方が活発だったと思います。それを真似したのが後のブリティッシュハードロックになっていきますから、この時代のアメリカはヒントになるようなバンドが沢山います。

1. Possession
2. Unconscious Power
3. Get Out Of My Life, Woman
4. Gentle As It May Seem
5. You Can't Win
6. So-Lo
7. Look For The Sun
8. Fields Of Sun
9. Stamped Ideas
10. Iron Butterfly Theme

Iron Butterflyはヘヴィーなサウンドでありましたが、プログレ的な構成力を持っていました。メンバーはボーカルとオルガンのDoug Ingle、ギターのDanny Weis、ベースのJerry Penrod、ドラムのRon Bushy、ボーカル、パーカッッションのDarryl DeLoachの5人組でスタートしています。ヘヴィーナサウンドではありますが、ギターはファズで歪ませています。サイケではよく使われているエフェクターですが、擬似的に歪ませるアタッチメントで、機械的に無理やり歪ませているので、ナチュラルディストーションとは違う独特のサウンドになります。

メタル系ではファズに近い歪ませ方をすることが多いです。何といってもブラックザバスではファズが多用されていますから、メタリックなサウンドを作りやすいのです。ジェフベックもそうですね、ディストーションはアンプで歪ませればいいわけですから、違うサウンドが欲しい時に使われます。それ以外にサイケデリックな雰囲気は少なめのバンドの様に聴こえますが、当時はまだプログレもヘヴィメタも登場していませんから、サイケデリックと分類されていたのです。アドリブを多用するジャムバンドなんかも流行っていましたので、特にライブで実力を発揮していくタイプのバンドでした。

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