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[20230630]

The 5000 Spirits Or The Layers Of The Onion
(1998/07/14)

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67年のアルバムです。Robin WilliamsonとMike Heronのデュオとなりますが、PentangleのDanny Thompsonなどのバックを経て完成しています。シタールやフルートなど、それまでのフォークソングでは使われていなかった楽器を用いています。明らかにサイケデリックを意識したフォークソングになっています。インド音楽だけでなく、アラビアンな要素にも影響を受けていると思われます。

1. Chinese White
2. No Sleep Blues
3. Painting Box
4. The Mad Hatter's Song
5. Little Cloud
6. The Eyes Of Fate
7. Blues For The Muse
8. The Hedgehog's Song
9. First Girl I Loved
10. You Know What You Could Be
11. My Name Is Death
12. Gently Tender
13. Way Back In The 1960s

アシッドフォークにも影響を与えるような作品であり、当時はかなり注目されましたが、アメリカではチャートインしていません。アメリカでもフォークロックブームが起こっていますが、アシッドフォークはイギリス特有だったようです。多くのフォークバンドもサイケデリックな作品を作っていますが、それはビートルズの影響を受けたものであり、アシッドフォークとは違うものでした。T-REXもそうでしたが、アシッドフォークは当時のイギリスのアンダーグラウンドなブームだったのです。

このグループがやっている事は、基本トラッドフォークに対して、グループとしてのオリジナリティーを加えていくような流れの中で、民族音楽的な要素を加えているだけで、アシッドなドラッグカルチャーとは無縁な健康的な印象があります。実際は知りませんが、それでも後のアシッドなカルチャーへ多大な影響を与えた作品となっています。あくまでも革新的なトラッドフォークとして受け入れた方が、歪曲せずに楽しめると思います。

Chinese White
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[20230629]

The Incredible String Band
(1998/07/14)

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イギリスはエジンバラ出身のフォークバンドThe Incredible String Bandの66年のファーストアルバムです。スコットランド系のトラッドフォークを演奏するバンドですが、時代がサイケの時代になっていましたので、後のサイケデリックフォークやトラッドフォークリバイバルの先駆者のような存在となります。メンバーはギターとボーカルのMike Heron、ボーカル、ギター、バンジョーのClive Palmer、ボーカル、マンドリン、バイオリン、ギターのRobin Williamsonのトリオ編成で始まっています。

1. Maybe Someday
2. October Song
3. When The Music Starts To Play
4. Schaeffer's Jig
5. Womankind
6. The Tree
7. Whistle Tune
8. Dandelion Blues
9. How Happy I Am
10. Empty Pocket Blues
11. Smoke Shovelling Song
12. Can't Keep Me Here
13. Good As Gone
14. Footsteps Of The Heron
15. Niggertown
16. Everything's Fine Right Now

フォークロック、サイケデリックフォーク、トラッドフォークリバイバルブームなどは後に起こりますが、それらの要素を持ちながら、この作品では純粋にトラッドフォークを演奏しています。しかし、バイオリンを用いいますので、クァッドな音階が登場しますので、民族音楽性が強調されて、サイケなイメージに結びついていきます。本人達にはそんなつもりはなかったと思いますが、時代がサイケの時代ですから、周りが放っておきません。後のトラッドフォークブームの仕掛け人Joe Boydのプロデュースによって売り出されます。

トラッドフォークとケルトミュージックは微妙に違いますが、類似する部分が多く、ケルトになると民族音楽という部類になります。その民族音楽の部分が強めの歌い方などが登場しますので、フォーク界でもかなり異色の存在として知られていきます。ツェッペリンはデビュー前に、ハードロックバンドになるか、トラッドフォークバンドになるか迷っていたほど、イギリスにおいてはトラッドフォークは魂ともいうべき音楽であり、世界的に売れるまでにはいきませんが、英国においては重要なバンドのひとつになっています。

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[20230628]

Gin Rosé
(1998/07/14)

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2000年のアルバムです。Ash Ra Tempelとして再結成してスタジオ作品をリリースしましたが、そのままライブ活動も行いました。これはその時のライブ音源になるのですが、スタジオ盤とは違う曲を演奏しているので、再結成しての作品として残されました。イギリスのRoyal Festival Hallでのライブ音源になります。

1. Gin Rosé
2. Eine Pikante Variante

その時の映像によるDVDもつけられたバージョンもあります。Klaus SchulzeとManuel Göttschingが実際に演奏している勇姿を見る事が出来ます。スタジオ作品と同じく、アンビエントなサウンドをバックに即興演奏していく、新しいAsh Ra Tempel の形を示しています。一回きりの再結成でしたので、このライブアルバムも貴重な作品となります。

ヒップホップ以降に誕生したテクノサウンドとは違うベクトルのアンビエント作品は、ピンクフロイド系プログレに近い感覚となっています。クラウトロックの重鎮の二人が織りなす、ヒップホップが誕生しなかった世界の電子音楽を聴かせてくれます。アンビエント部分は即興ではありませんので、綿密に緻密に計算された美しい構成をお楽しみください。

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[20230627]

Friendship
(1998/07/14)

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2000年のアルバムでAsh Ra Tempelとして再結成された時の作品になります。これが最新作であり、Ash Ra Tempelとして最後のアルバムになります。ミニマルやアンビエントを追求していたManuel Göttschingが、元メンバーのシンセプログレを追求していたKlaus Schulzeとコラボレートした作品になります。もう一人のメンバーだったHartmut Enkeは亡くなっているので、彼に捧げた作品にもなっています。

1. Reunion
2. Pikant
3. Friendship

Ash Ra Tempelと言えば、即興演奏のフリースタイルのサイケデリックロックでありましたが、長い時間をかけ、それぞののメンバーが電子音楽の世界に入っていますので、以前のスタイルではなく、現在の自分達のスタイルを融合させたような内容になっています。Klaus Schulzeはドラマーでもありますので、彼のドラムとManuel Göttschingのギターの絡み具合というのもこの作品のポイントになっています。

アンビエントなエレクトロニカの世界観の中で、自由にギターを弾きまくるManuel Göttsching、Klaus Schulzeはテクノ的なドラムを叩いていますが、打ち込みではない、生演奏ならではの自由なフィルを披露しています。こうした即興的なぶつかり合いというスタイルはAsh Ra Tempel ならではのものでしょう。ここまで緊迫感のある演奏は、お互いのソロ作品では無かったものですから、そういう意味においては、この再結成は凄く意味のあるものになったと思います。

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[20230626]

Dream & Desire
(1998/07/14)

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91年のアルバムです。バンドとしてはほぼ解散状態となります。77年にベルリンのラジオ放送用に録音された甘美なアンビエント音源とボーナストラックを加えた作品で、Manuel Göttschingのソロとしてリリースされましたが、フランスではAshra名義でリリースされています。ほぼこれがAshra名義での最後の作品だと思われます。他にも未発表音源とかはこの後もリリースされていきます。

1. Dream
2. Desire
3. Despair

シンセによるアンビエントなドローンサウンドに、エレキの生演奏を加えた内容で、ミニマルな作風とは微妙な違いがあります。全ての演奏をManuel Göttschingが一人で多重録音しています。Ashraの最初の頃はManuel Göttschingが一人でやっていましたので、Ashra名義だとしても間違いではないと思います。しかし、Ashraとしてリリースされた作品に比べると、かなり聴きやすく爽やかなサウンドになっています。

77年だとまだ和音を弾けるシンセは登場していませんから、オルガンなども付け加えられています。でもシンセサウンドによる和音がありますが、これは多重録音されていると思われます。冨田勲みたいに、そこまで綿密に作るとはドイツらしい職人気質が伺えます。とても聴きやすい楽曲になっているので、入門編としては最適かと思います。

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[20230625]

Tropical Heat
(1998/07/14)

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91年のアルバムになります。ドラムプログラミング以外の生ドラムはHarald Grosskopfが復帰して叩いています。又トリオ編成になったようですが、この辺りからはDTM、PCプログラミングで制作されるようになりました。ようやくテクノらしさが出てきましたが、ヒップホップ感覚が無いので、ミニマルの延長みたいな作風になっています。どんなに機器が進化してもオールドウェイヴ感覚はいつまでたっても抜けきれていません。

1. Mosquito Dance
2. Tropical Heat
3. Pretty Papaya
4. Nights In Sweat
5. Don't Stop The Fan
6. Monsoon

シーケンサーもPC管理出来るようになって、作業が効率化されていきます。シンセポップの無機質な感じは作り出せても、ホップホップを通過していない感性なので、当時テクノと呼ばれていたものに比べるとかなり古臭い感じがします。あくまでもロックのスタンスからテクノロジーを使っていくのだという意思は良いとしましょう。しかし、感覚が古いのです。

アフロファンクっぽいアレンジもありますが、そんなものは80年代初期の頃の流行りです。10年も遅れているのはどういう事なのでしょう。彼らにとっては新しい試みだとは思いますが、どうせやるんだったら、もっとキレのあるアレンジにしてほしいものです。ただし、そんな中で、ギターが担える役割を模索しているという点においては評価出来ます。ギターの出番が少なくなっている時期でもありますが、まだまだギターにおける可能性を見捨てておりません。

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[20230625]

Walkin' The Desert
(1998/07/14)

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89年のアルバムです。一時活動停止していましたが、再び再開。ドラムのHarald Grosskopfが脱退してデュオとなりました。ドラムレスですが、引き続きミニマルミュージックを極めています。曲目にもあるように、2台のピアノ、6色のヴォイスサウンド、4台のギター、12のサンプリング素材によるミニマルを展開しています。

1. First Movement: Two Keyboards
2. Second Movement: Six Voices
3. Third Movement: Four Guitars
4. Fourth Movement: Twelve Samples

活動停止している間に、シンセはデジタルになり、サンプラーも一般化するようになり、大きく音楽業界のサウンドも変わりました。作風が古いので、その恩恵を受けているようには感じませんが、ミニマル演奏もシーケンスだけに頼らずに手弾きしているパートもあります。何と言ってもゴングにしろ、キングクリムゾンにしろ、ミニマルシーケンスは手弾きで演奏していますから、オールドウェイヴからやっているAshraもシーケンスにばかり頼るわけにはいきません。

二人のギタリストが残っているのですが、ギターは3曲名だけに登場してきて、後はほぼほぼシンセサウンドになっています。ドラムレスですから、シンセポップのような軽さは無くなり、現代音楽的なミニマルのスタイルになっています。Ashraって、結局、シンセを多用するようになっても、テクノ系にはなっていません。プログレというか、オールドウェイヴが身に染み付いていますね。

First Movement: Two Keyboards
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[20230624]

Belle Alliance
(1998/07/14)

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80年のアルバムです。トリオ編成としてLutz Ulbrichはベースも弾くようになります。ドイツで生まれたシンセポップでしたが、流行はイギリスや日本が中心となっていて、当のドイツではそこまで流行っていません。このバンドもそれらしき事をやってはいますが、ニューウェイヴの方に合わせにきているようですが、オールドウェイヴ感覚を引きずっているので、ちゃんとニューウェイヴになっていません。

1. Wudu
2. Screamer
3. Boomerang
4. Aerogen
5. Sausalito
6. Kazoo
7. Code Blue
8. Mistral

ニューウェイヴから、80年代ポップスに移行していく過程にあたりますが、どちらかというと80年代ポップスに近い雰囲気があります。ニューウェイヴだと、もっと無駄を削ぎ落としたようなアレンジになるものですが、感覚としてオールドウェイヴの人ですから、余計な肉付けを足してしまっているのです。音楽としてはその方が面白いのですが、当時の感覚としては凝りすぎとなっています。

Manuel Göttschingも久しぶりのバンドでの演奏なので、久しぶりにギターを弾きまくっています。若い人の感覚に合わせようと努力はしていますが、実際、アンビエントな作風にも飽きていたのか、久しぶりに水を得た魚のようにギターを弾きまくっています。自分達でも世間との格差を思い知ったのか、この後しばらく活動を停止してしまいます。Ashraとしてもまだまだバンドの方向性に迷いが感じられています。

Wudu
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[20230624]

Correlations
(1998/07/14)

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79年のアルバムです。ようやく新メンバーを加えて、ソロではなく、バンドとしてのAshraがここからスタートします。メンバーはギター、キーボードのManuel Göttschingを中心にドラム、シンセのHarald Grosskopf、ギターキーボードのLutz Ulbrichの三人組となりました。またしてもトリオ編成になっていますが、ベースがおらず、ベースはシンセベースが補う事になります。

1. Ice Train
2. Club Cannibal
3. Oasis
4. Bamboo Sands
5. Morgana Da Capo
6. Pas De Trois
7. Phantasus

アルバムジャケットはHipgnosisで、ここにも彼らの意気込みが感じられます。ミニマル路線はシンセベースやシーケンスに残されていますが、基本的にはポップなロックになっています。ベースがシンセベースなので、テクノポップなアレンジになっていますが、テクノポップと呼べるほどのアンニュイさは無く、やけに明るいポップソングになっています。

ポストパンク、ニューウェイヴに加えて、当時登場してきていたのが、日本による名称がテクノポップと呼ばれるシンセポップが登場してきます。クラフトワークに影響されて、チューブウェイアーミーが登場し、それらに影響されたY.M.O.が日本から登場してきます。プラスティックスやディーヴォのようにギターもその役割の中にあるバンドもまだいましたので、このAshraのようにギター中心のシーケンススタイルもテクノポップの分類に入りますが、それにしてはまだニューウェイヴ感覚がありません。どこかまだオールドウェイヴというのが面白いところです。

Ice Train
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[20230623]

Blackouts
(1998/07/14)

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77年のアルバムです。Ash Ra Tempel 改めAshraという名義に変更しましたが、まだメンバーはManuel Göttsching一人だけなので、これまで同様、彼のソロ作品になっています。ループミニマル、アンビエントな作風の継続ですが、今回はディレイという強い味方をつけています。綺麗なロングディレイが可能なラック式のデジタルディレイが登場したのが、この頃だと思うのですが、その劣化の少ないディレイ音によるディレイループを使ったディレイミニマルな内容になっています。

1. 77 Slightly Delayed
2. Midnight On Mars
3. Don't Trust The Kids
4. Blackouts
5. Shuttle Cock
6. Lotus Parts 1-4

ディレイを小節単位、拍数単位でループさせる事により、テープループ編集をしなくても、夢のようなリアルタイムでループが作れるようになりました。ジャコパストリアスがウェザーリポートのライブでベースソロをする時に、リズムをループさせて作っていたあれです。なので、シーケンスのようにループするギターサウンドが出来上がります。それを多重録音して、ソロ演奏も重ねています。

ライブでは一つのループを作って、次々に新しいループを重ねてそれを伴奏としてソロギターを演奏するというやり方をやっていますが、これが後にジャコが真似する事になりいますが、ジャコの時代にはコンパクトエフェクターで同じ効果を出せるようになっています。今作ではそうしたディレイループに加えて、シンセによるシーケンスも加えた複雑なミニマルミュージックを作り上げています。これが後のキングクリムゾンに影響を与えているのは言うまでもありません。

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[20230622]

New Age Of Earth
(1998/07/14)

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76年のアルバムです。Manuel Göttschingが一人で多重録音したミニマル作品の続編であり、当初はManuel Göttschingのソロ作品としてAsh Ra Tempel名義も残していましたが、後に結成されるAshraという名義のバンドの作品として77年以降でのリリースの際は名義とジャケットが入れ替えられています。Ashraも新メンバーを集めるまではManuel Göttschingがソロで制作しています。

1. Sunrain
2. Ocean Of Tenderness
3. Deep Distance
4. Nightdust

これまでInventions For Electric Guitarでは完全なミニマル作品でしたが、サントラでもあったLe Berceau De Cristalではシンセも使ってアンビエントな作風になり、このアルバムでもシンセとギターによるアンビエントな作風でのミニマルな演奏になっています。バンドの仲間だったKlaus SchulzeやTangerine Dreamのように、ドイツならではの、プログレとテクノ中間のようなスタイルになっています。

テクノはクラフトワークの登場により形成されていきますので、ドイツにおいても新進気鋭のスタイルであり、それまではプログレとサイケの現代音楽的な消化作品が多く見受けられています。Manuel Göttschingの一人多重録音ですから、ドラムレスでもあり、非ロックなスタイルながら、ロック以外の何者でない、新しい時代に向けた助走段階とでもいいましょうか、シンセサイザーがギターヒーローに取って代わる時代の幕開けとなっていきます。

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[20230621]

Le Berceau De Cristal
(1998/07/14)

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75年のアルバムです。76年公開のポストヌーベルバーグのフィリップ・ガレル監督による映画ル・ベルソー・ド・クリスタルのサウンドトラックになります。ニコ、ドミニク・サンダ、アニタ・パレンバーグ、マルガレス・クレマン出演しています。Ash Ra Tempel名義にはなっていますが、ギターのManuel Göttschingしか存在しておらず、ほぼManuel Göttschingのソロ状態になっています。

1. Le Berceau De Cristal
2. L'Hiver Doux
3. Silence Sauvage
4. Le Sourire Volé
5. Deux Enfants Sous La Lune
6. Le Songe D'Or
7. Le Diable Dans La Maison
8. ...Et Les Fantômes Rêvent Aussi

Manuel Göttschingによるギターの多重録音、ゲストでLutz Ulbrichもアコースティックギターやシンセサイザーを演奏していますが、ほぼほぼManuel Göttschingによるギターアンビエントな作風になっていて、それは前作のInventions For Electric Guitarとほぼ同じ状況になっていますが、ミニマルというよりアンビエントです。75年8月仏Cannes公演でのLive音源も含まれています。

ミニマルな作風とアンビエントな流れのピンクフロイド的で情緒的なプログレ作品になっています。サウンドトラックという性質上、起承転結にこだわらない時間軸で動いています。例えば、ジミー・ペイジがライブでテープエコーを駆使した幻想的なサウンドで、テルミンを使ったり、バイオリンの弓でギターをかきむしったりする場面に似た擬似体験を味わえるような内容になっています。

Le Berceau De Cristal
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[20230620]

Inventions For Electric Guitar
(1998/07/14)

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75年のアルバムです。Ash Ra Tempel名義でもありますが、メンバーはギターのManuel Göttschingしか残っておらず、Manuel Göttschingのソロ作品という位置付けもされています。Manuel Göttschingによるギターの多重録音によるミニマルな作風になっています。エフェクト処理なども含めて、来るべきテクノ時代も予感させるような内容になっています。

1. Echo Waves
2. Quasarsphere
3. Pluralis

現代音楽の手法である、ミニマルのアンビエントなサウンド、ギターによる変拍子のリフレインをループさせて、複数のトラックを重ね合わせた、ミニマルによるシンフォニックとなっています。ずっと同じフレーズをリフレインするのはきついので、テープループさせていると思います。それが徐々に変化してく様は、後のキングクリムゾンの原型のようでもあり、ゴングもこうしたミニマルなスタイルに変化していきました。

ギターアンビエントというのも珍しいですが、ギタリストならではの発想は、シンセサイザーレスでもテクノな雰囲気を作り出しています。ディーヴォのようにテクノにもギターが入っていた事もありますし、シンセだけが主役ではなかったのです。なかなかの斬新な内容でその後の影響力もありましたが、バンドとしてはほとんど機能していませんので、Manuel Göttschingのソロ作品という位置付けが正しいと思います。

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[20230619]

Starring Rosi
(1998/07/14)

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73年のアルバムです。ベースのHartmut Enkeがドラッグの後遺症で脱退した為に、ギターのManuel Göttschingと女性ボーカルのRosemarie Müllerとのデュオとなりました。なので、Rosemarie Müllerのボーカルを中心にしたポップな作品に仕上げています。アルバムタイトルもStarring Rosiと彼女を中心にしていると表明しています。正式なAsh Ra Tempelのアルバムとしては最後の作品になります。

1. Laughter Loving
2. Day-Dream
3. Schizo
4. Cosmic Tango
5. Interplay Of Forces
6. The Fairy Dance
7. Bring Me Up

フレンチポップのようなポップさとアコースティックサイケのような幻想的な雰囲気になっています。Rosemarie Müllerは歌というより、語りの方が多いです。ゲスト扱いでドラムがHarald Großkopf、ベースにDieter Dierksが参加してくれています。もうほぼManuel Göttschingだけのバンドような感じになっているので、Ash Ra Tempelというバンド名の使用はここまでになっています。

サイケデリックという雰囲気は残していますが、さすがにバンド体制では無くなったので、ジャムセッションのような演奏ではありません。Manuel Göttschingが、マルチにエレキ、アコースティックギター、ベース、メロトロン、シンセなどを演奏したサイケデリックロック。Rosemarie Müllerのフェミニンな雰囲気はフレンチポップのようなアレンジにしたり、バンドの新しいスタイルを模索していますが、さすがに長続きしませんでした。

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[20230618]

Join Inn
(1998/07/14)

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73年のアルバムです。Klaus Schulzeがドラムで参加してくれています。シンセサイザープレイヤーとして有名なKlaus Schulzeですが、彼のドラミングはこのバンドの中でも一番素晴らしいと思います。Klaus Schulzeのドラムがあってこそのフリージャムセッションの意義が強まると思います。そして女性ボーカリストのRosi Müllerも正式メンバーとなっています。

1. Freak'n'roll
2. Jenseits

ソロ活動をしているKlaus Schulzeは今回特別参加になっている為か、ジャケットでは別枠で並べられています。Klaus Schulzeはドラムだけではなく、オルガンやシンセの演奏も加えて、単なるサイケデリックロックではない、独自の世界観を表現しています。今回もA面B面1曲づつというスタイルは崩していません。これは一つのセッションで曲が構成されており、簡単な約束事だけで、後はフリーにアドリブ合戦の応酬になっています。

Klaus Schulzeのドラムが入るだけで、Ash Ra Tempelらしさが濃厚になってきます。素晴らしいドラマーです。他のメンバーも安心して演奏に集中出来ています。しかし、オリジナルメンバーでもあったベースのHartmut Enke がドラッグの後遺症で、この後バンドを脱退してしまいます。なので、トリオだったオリジナルメンバーの演奏が楽しめる貴重な音源となっています。Rosi Müllerの出番は今回少ないのですが、次回から主役になっていきます。

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[20230618]

Schwingungen
(1998/07/14)

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73年のアルバムです。アメリカ人でLSDのグルとして知られるTimothy Learyがボーカルで参加した作品になっています。彼の仲間も複数参加しています。LSD入りのセブンアップという飲料水を飲みながらレコーディングされているので、Seven Upというアルバムタイトルになっています。なので、ほぼ全員がラリっている状態でレコーディングされていたようです。

1. Space
a. Downtown
b. Power Drive
c. Right Hand Lover
d. Velvet Genes
2. Time
a. Timeship
b. Neuron
c. SHe

いつものようにA面B面1曲づつで、それぞれ組曲のようになっていますが、いつものフリーな演奏ではなく、ボーカルもののサイケデリックなロックを演奏しています。かなりハイな状態での演奏になっているとは思いますが、フリーな演奏よりはまともな曲に聴こえます。それを無理やりエフェクト処理でスペースロックのような処理をしています。エフェクト処理による幻想感ですから、LSDを使用した事はさほど影響していないのではないかと推測されます。

確かにボーカルは、かなりのハイな状態にあると思いますが、しっかりと歌詞を歌いきっていますから、完全にいっちゃっている状態ではないのではないでしょうか。完全に後処理で幻想的なサウンドに仕上げています。演奏もかなりハイな状態だとは思いますが、ドラッグに頼らなくても出来る状態だと思います。実際にLSDを使用したけど、さほど効果がなかったので、この後処理になっているのではないでしょうか。サイケデリックロックといえば、そのものであります。

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[20230617]

Schwingungen
(1998/07/14)

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72年のアルバムです。Klaus Schulzeがシンセサイザーを追求する為に脱退、代わりにWolfgang Müller がドラムで加入。やはりトリオ編成のままです。今回もA面、B面1曲づつですが、組曲形式になっていて、一応4つの曲で構成されています。当時改革期に入っていたFleetwood MacのAlbatrossに影響を受けたりと、前作での自由奔放な演奏から、情景を描くような作風に変わっています。これもプログレ的な展開になる直前のサイケな表現にとどまっています。

1. Light And Darkness
a. Light: Look At Your Sun
b. Darkness: Flowers Must Die
2. Schwingungen
a. Suche
b. Liebe

ギターのManuel Göttschingが主導権を握るようになり、彼の呪文のようなうねるような歌が印象的です。何か言葉を発してるようですが、何を言っているのか分からないくらいにスキャット的なうねりになっています。Matthias Wehlerによるサックスがジャズ的なアクセントつけたりしています。一般的にはサイケも、スペースロックも過去の音楽になっており、この時期はプログレ、ハードロックの最盛期になります。その中において、ドイツではこのようなアシッドなバンドがまだ存在していたのです。

カンもそうですが、クラウトロックはイギリスやアメリカの時代性とは違う雰囲気を持っています。双方向に影響は受けあっていますが、独自の文化のように個性があります。ボウイやイーノが早くから、クラウトロックの影響を受けてテクノやニューウェイヴのお膳立てをしていく事になります。つまり、違う流れのようでありながらも、どこかでつながっているのがクラウトロックであり、日本のアンダーグラウンドなバンドにも影響を与えています。

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[20230617]

Ash Ra Tempel
(1998/07/14)

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又してもドイツのバンドになりますが、Ash Ra Tempelの71年のファーストアルバムになります。幻想的なスペースロックと呼ばれ、ポストサイケのような存在のバンドでした。Agitation Freeと同じくフリーな即興演奏を主軸に置いた演奏になっています。メンバーはギターのManuel Göttschingを中心にベースのHartmut Enke、ドラムがKlaus Schulzeの三人組です。とてもトリオとは思えないサウンドがスペースロックと呼ばれる所以となっています。

1. Amboss
2. Traummaschine

ドラムにKlaus Schulzeという名前があってびっくりだと思います。シンセサイザーで有名なKlaus Schulzeです。後にシンセサイザーを追求するために脱退するのですが、元々はドラマーなんですね。しかも、聴いて分かるように、かなりのテクニックを持ったドラマーでした。アルバムの内容的にもA面、B面 1曲づつしかありません。延々と即興演奏を繰り広げる、Agitation Free以上にぶっ飛んでいるバンドです。

トリオの演奏でここまで演奏しまくるというのも凄い体力です。Manuel Göttschingはまるでジミヘンのようなサイケデリックなギターを弾きまくっています。ドイツといえばウルリッヒ・ロートというジミヘンの影響を受けたギタリストが有名ですが、その影響力はかなりのものだったようです。ドラムがステレオで録音されており、残響音をうまく使ったスペースロックゆえに、隙間を埋めるようなサウンドが、トリオとは思わせないような演奏とならしめています。

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[20230616]

1st
(1998/07/14)

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2012年にアナログ盤のみでの限定販売でリリースされたアルバムです。レコーディングは72年でファーストアルバムと同じセッションのようです。2ndというアルバムがありましたが、それ以前の録音なので、1stとしてのタイトルが付けられました。67年から活動しているバンドなので、最初期の演奏というわけではなりませんが、ファーストとほぼ同じ頃の演奏になります。

1. Exploration
2. Moonwalk
3. Who Loves You
4. Rücksturz

サイケデリックの時代に結成されて、サイケデリックで自由な演奏を信条としてきたバンドであります。未発表音源なので、デモに近い状態なのか、曲としてはもっと詰めていってもいい状態の出来ですが、フリーな演奏を信条としていたので、これで完全体だったのかもしれません。オリジナルAgitation Freeとしての演奏を堪能出来ます。

こうした未発表音源でなんとか稼いできましたが、後は、再結成してからのライブ音源などでなんとか稼いでいる状態ですが、もうネタは尽きているかもしれません。再結成バンドはプログレ、フュージョン系の演奏をしますから、こうしたラフな演奏が聴けるのはファンにとっては嬉しい限りです。クラウトロックの中心的な存在のバンドでしたから、クラウトロックファンには必須アイテムとなると思います。

Moonwalk
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[20230615]

River Of Return
(1998/07/14)

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99年のアルバムです。再結成してからの、再結成メンバーによる新録音作品になります。これまで一度も使った事がないアコースティックギターで始まります。それは明らかにかつてのAgitation Freeではない演奏の始まりを告げるものです。未発表音源ではフュージョン系の演奏も聴けましたが、彼らが本当にやりたかったとはプログレだったのだという事が鮮明に分かる内容になっています。

1. River Of Return
2. 2 Part 2
3. Fame's Mood
4. Susie Sells Seashells At The Seashore
5. The Obscure Carousel
6. Nomads
7. Das Kleine Uhrwerk
8. 177 Spectacular Sunrises
9. Keep On

プログレも古いスタイルですので、テクノやフュージョン、ラテンジャズなどの要素を見せてきますが、総体的な流れはプログレであり、ゆったりとした演奏の楽曲を作っていますが、昔のようなアドリブ合戦ではなくなっています。そういう意味ではAgitation Freeというバンド名に偽りが生じてきますが、アドリブではないにしろ、ソロパートはたっぷりと用意しています。

再結成といってもオリジナルメンバーではなく、新しいメンバーもいるのですが、ゲスト扱いのミュージシャンも複数いて、しっかりと作曲された楽曲を演奏しています。プログレの情緒性とフュージョンの都会感覚が混じり合ったようなインスト作品になっています。もうかつてのAgitation Freeではありませんが、再結成してライブをこなしていくにあたり、新作が完成した事は大きな武器となり、来日も果たしています。

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[20230614]

The Other Sides Of Agitation Free
(1998/07/14)

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99年のアルバムです。98年に再結成しましたので、又しても74年から75年に録音された未発表音源をリリースしました。オリジナルメンバー以外も参加した演奏になっていて、ジャムセッションを得意としていたけれらには珍しく、しっかしと作曲された曲を演奏しています。しかもフュージョンスタイルのジャズっぽさを感じさせる演奏になっています。

1. Atlantic Overcrossing
2. Abulafia
3. 6th Floor
4. Deliverance
5. Latino Catherine
6. Get It Out
7. Offstage
8. Song Für Den Proletariersohn, Teil 1
9. Song Für Den Proletariersohn, Teil 2
10. Song Für Den Proletariersohn, Teil 3

各自のソロ演奏も含まれていますが、アドリブというよりかは、作曲の予定範囲内での演奏のような感じになっています。フュージョン系の演奏は現役時代には聴けなかったものですが、これほど演奏が達者だったのかと感心してしまうほど上手いです。アドリブが上手い人はちゃんとした曲でも上手に弾きこなすんですね。なぜこんな凄い演奏がお蔵入りになっていたのか、勿体無い話です。

イメージとしては全くAgitation Freeではありません。フリーな演奏を信条としていたバンドですから、似つかわしくない演奏ではあります。フリーな演奏ではなく、決められたように演奏していますので、窮屈な演奏なのかもしれませんが、かなり流暢に演奏しているではありませんか、自由ってなんなんでしょう。これだけソロを弾きまくりなので、実に気持ちよさそうに演奏しています。Other Sides それはとても気持ちのいい世界でした。

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[20230613]

Fragments
(1998/07/14)

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95年のアルバムです。バンドは解散していますが、74年に録音されていた未発表音源をリリースしました。これが意外に好評だった為に、バンドは再結成される事になっていきます。いつものようにジャムセッション形式での演奏になりますが、現役時代には聴けていなかったファンキーな演奏もあったりして面白いです。

1. PC Data Track With Background Informations About Agitation Free
2. Someone's Secret
3. Mickey's Laugh
4. We Are Men
5. Mediterranean Flight

例えば、オランダのプログレバンド、フォーカスがファンキーなアレンジを取り入れたりしていましたが、彼らも同じようにファンキーなプレイを導入していますが、現役時代には、イメージが違っていた為か、お蔵入りになっています。しかし、時代を経て陽の目を見る事が出来ました。ドイツにおいては伝説のバンドですから、影響を受けていた後輩バンド多数います。なので、未発表音源のリリースはかなり好評となりました。

ほぼインストが多い彼らですが、歌っているパートがあったり、かなり珍しい音源が残っていました。これに気を良くしたのか、未発表ライブ音源も出したりして、再結成への序章が出来上がっていきます。これだけの演奏力を持っていたバンドですから、かなり大きな期待を持って受け入れられていきます。ジャムセッション形式でレコーディングしても、編集でまとめあげれば見事なプログレ作品になっていたはずです。しかし、そうしないという選択肢がこのバンドの個性となりました。

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[20230612]

Last
(1998/07/14)

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76年のアルバムです。74年に解散したので、最後の作品としてリリースされたライブアルバムになります。アンビエントな作風のSoundpoolやループを組み合わせたLooping IVなど、テクノを予見させる内容になっています。もちろん、この時期のループといえばサンプラーはまだありませんから、テープループであり、現代音楽風な作りになっています。

1. Soundpool
2. Laila II
3. Looping IV
4. Schwingspule

彼らの代表曲であるLailaではいつものAgitation Freeの演奏が楽しめますが、それ以外は来るべきテクノ時代を予見するような内容になっています。タンジェリンドリームも彼らから派生したバンドですから、彼らにとっても時代の流れは見えていたのだと思います。しかし、あくまでも彼らの十八番は即興演奏、ジャムセッションであり、最後までAgitation Freeとしての演奏をこなしています。

ライブではより自由に展開する即興演奏に発展していきますので、かなりスリリングな演奏になっています。アドリブを一切やらないレッドツエッペリンは、ライブではライブ用の演奏をあらかじめ作ってから、レコードとは違う演奏をしていましたが、この即興演奏で得られるスリリングな感じに近い演奏をしていました。そういう意味においてはすごいバンドだったと思いますが、そんなツェッペリンに負けない演奏が楽しめます。

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[20230611]

2nd
(1998/07/14)

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73年のアルバムです。サイケというよりプログレに近い演奏になっています。情緒的な流れの中で即興演奏していくわけですが、サイケのように歪んだ音ではなく、綺麗な音色で演奏しています。しかし、シンセやギターによるエフェクティヴな味付けはテクノ的にアグレッシヴです。情緒的な演奏があるから、エフェクティヴなサウンドも際立ってくるという効果があります。

1. First Communication
2. Dialogue And Random
3. Laila, Part I
4. Laila, Part II
5. In The Silence Of The Morning Sunrise
6. A Quiet Walk
a. Listening
b. Two - Not Of The Same Kind
7. Haunted Island

ピンクフロイドのような情緒性があります。ピンクフロイドの場合は、即興のような雰囲気があっても、しっかり作り込まれて、計算されているのに対して、このバンドの場合は、あらかじめある程度の流れは決められていますが、あとは自由に演奏されています。なので、まだプログレというより、サイケな印象も残っているのです。この時期までには、多くのプログレバンドが歴史的な名盤を出した後になりますから、それに比べるとB級感も感じられます。

演奏力、表現力で劣っているわけではありませんが、あえていうなら、プロデュース力の違いだと思います。プログレにするんだという強い意志でプロデュースされていれば、もっと表現の仕方も違っていたと思いますが、即興で演奏されるフレーズをまとめあげるというプロデュース力があれば、もっと評価も違っていた事でしょう。結構印象的な演奏も多く含まれていますから、かなりいい作品に仕上がったと思いますが、そうならなかったというのもこのバンドの個性なのかもしれません。

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[20230611]

Malesch
(1998/07/14)

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ドイツのバンドAgitation Freeの72年のファーストアルバムになります。バンド自体は67年から活動していますが、72年にようやくレコードデビューとなりました。サイケデリックは基本インド音楽の影響を受けていますが、このバンドはイスラム系、アラブ系の音楽からの影響を受けています。ピンクフロイドのような高揚感を持ったスタイルで、即興演奏を得意としています。なので、ロック色は強めですが、プログレに近い感覚になっています。

1. You Play For Us Today
2. Sahara City
3. Ala Tul
4. Pulse
5. Khan El Khalili
6. Malesch
7. Rücksturz

メンバーはベースのMichael Günther、ドラムとボーカルのBurghard Rausch、ギターはJörg SchwenkeとLutz Ulbrich、オルガンのPeter Michael Hamel、シンセがMichael Hoenigの6人組でスタートしています。メンバー変更は結構あって、ドイツの他の重要なバンドへ流れていくので、ドイツでは非常に重要な位置に存在するバンドでありました。バンドがレバノン、エジプト、ギリシャ、キプロスを巡る旅から受けた印象で製作された作品になります。なので、いきなりアラビア文字が書かれていたりします。

バンド結成当時はサイケな時代だったと思いますが、レコードデビューする時点ではすでに過去の音楽になっていますが、Amon Düülしかりで、ドイツではサイケな残党が平気で存在していました。クラウトロックといっても様々で、後にテクノ、アンビエントに行く流れや、ニューウェイヴ、パンクの元祖的なバンドも登場します。この時期のドイツのバンドは日本では馴染みがなくても、特にイギリスでは重要な存在でありました。その中でも特に影響力があったバンドであります。

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[20230610]

'Til Your River Runs Dry
(1998/07/14)

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2013年のアルバムで現在までの最新作になります。ここからもう10年も経ちますが、新作は出ていません。ブルース、リズムアンドブルースな内容で、ほぼオリジナル曲ですが、Bo Diddleyを讃えていて、最後にはBo DiddleyのBefore You Accuse Meのカバーが用意されています。歳をとって渋い感じにするのはいいと思いますし、年老いたEric Burdonの歌には興味があります。若い頃からしゃがれた声でしたので、それが本当に枯れたらどうなるのか興味があります。

1. Water
2. Memorial Day
3. Devil And Jesus
4. Wait
5. Old Habits Die Hard
6. Bo Diddley Special
7. In The Ground
8. 27 Forever
9. River Is Rising
10. Medicine Man
11. Invitation To The White House
12. Before You Accuse Me

しかし、実際に年老いたEric Burdonは期待通りの枯れ方をしていません。そこそこまだ歌えるし、当人も昔のつもりで歌っているのでしょうが、そうなってくると、比べるのが若い頃の全盛期になってしまいます。さすがに若い頃の歌声には勝てません。ならば、それなりに枯れた風情も出さねばなりませんが、まだそこそこ歌えるので、若い頃のつもりで歌っているから、渋さも中途半端で、期待した通りの熟練の領域には達していません。選曲や演奏は問題無いのですが、歌だけが、若い頃よりも劣っているというイメージだけを伝えてきます。

もっと酒を飲んで、タバコも吸って、ダメージがあるジーンズの方が高く売れると同じ現象で、年老いたブルースシンガーを演じてくれればいいのに、若い頃の元気を引きずったような歌い方は、イメージを崩すばかりです。元気でも、若い頃よりも熟練さが磨かれていれば尊敬の対象となりますが、惜しいかな、磨かれていないのです。明らかに若い頃の方が魅力的であり、それなら若い頃の作品を聴いていればいいわけで、新作を出す意味として、若い頃とは違う魅力を出してくれるしか無いのです。ここから、もう10年、もうそこまでの期待を持つには時間が流れすぎています。

Water
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[20230610]

Mirage
(1998/07/14)

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2008年のアルバムです。録音は74年で、当時企画されていた映画Mirageのサウンドトラックとしてレコーディングされましたが、映画自体がお蔵入りになったために、未発表のままになっていました。それをやっと陽の目が見れるようにした作品になっています。時期的にはThe Eric Burdon Bandのファーストアルバム製作後の録音になっていて、演奏しているのはThe Eric Burdon Band のメンバーによるものになっています。

1. Dragon Lady
2. Jim Crow
3. Ghetto Child
4. Mind Arc
5. River Of Blood
6. Driftin' / Geronimo's Last Stand
7. Highway Mover
8. Cum
9. First Sight
10. Mirage
11. Stole My Heart Away

The Eric Burdon Bandによってレコーディングされているので、ブルース曲をハードロックに仕上げたような演奏になっています。当時のまだまだ脂が乗っていた時期での録音なので、この頃の作品よりかは迫力があるものになっています。アルバムタイトル曲のMirageはジミヘンが死の直前に書いた歌詞The Story Of Lifeにエリックバードンが曲をつけたものになっています。ジミヘンの死から立ち直るためにThe Eric Burdon Bandを結成したようなところがありますので、かなりの思い入れがあるようです。

映画自体は企画段階でお蔵入りになっているので、映像は残っていません。なので、どんな映画なのかは分かりませんし、このアルバムからも想像出来ません。普通にロックアルバムなのです。The Eric Burdon Bandほどハードロックにこだわってもいませんので、70年代ロックが純粋に楽しめる内容になっています。年取ってからはあまりパッとしていませんから、こうした未発表作品が出るのはいい事だと思います。

Dragon Lady
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[20230609]

Soul Of A Man
(1998/07/14)

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2005年のアルバムです。リズムアンドブルースな作品で、Ray CharlesとJohn Lee HookerとNew Orleansという場所に捧げられたアルバムになっています。ブルース曲などの古い曲のカバーや、最近のソウル曲をカバーしています。年をとれば、声も枯れてきますが、ブルースやソウルミュージックではそれが熟練の味わいとなっていい感じになるものですが、Eric Burdonの場合は衰えているとしか感じられません。昔が上手すぎたのか、前作は久しぶりだったからしょうがないと思っていましたが、あれからたくさん歌ってきたでしょうが、良くなっていません。勝手にEric Burdonなら年取ってもいい感じになるという思い込みが強すぎたのでしょうか。

1. Soul Of A Man
2. Kingsize Jones
3. Red Cross Store
4. Como Se Llama Mama
5. 40 Days
6. Feeling Blue
7. Never Give Up Blues
8. GTO
9. 44 Blues
10. Slow Moving Train
11. Don't Ever Let Nobody Drag Your Spirit Down
12. Devil Run
13. I Don't Mind
14. Circuit Rider

選曲も演奏もいい味わいになっています。Eric Burdonの歌だけが、衰えしか感じません。喉が開ききっていないというか、しゃがれ声でも、かすれ声でも、それなりに味わいとして楽しめるようになるものですが、若い頃の方が渋くていい声だったのに、そこから枯れてもいい枯れ具合というものがあると思うのですが、期待値が高い分だけ、いい感じになっていません。ヴァンモリソンがいい仕上がりになっているだけに、それに比べると物足りない感じになっています。

ミックジャガーは年取っても体を鍛えて、ライブを乗り切れるだけの体力をつけたりしていますが、喉だけじゃなく、体全体の問題なのかもしれませんが、ブルースシンガーが、そんな健康的な体力を持っているというのもイメージが違います。不健康でも魅力的な歌声は残せると思うのですが、歌がうますぎて、抑えて歌うという事が下手なのかもしれません。なので、若い頃の歌声と対等に比べてしまいがちなのがいけないのか、もっといい枯れ具合に仕上がって欲しいと思う期待値が高すぎたようです。

Soul Of A Man
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[20230608]

My Secret Life
(1998/07/14)

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2004年のアルバムです。実に9年ぶりの作品になります。内容も流行を気にしないリズムアンドブルースになって、いぶし銀の作品に仕上がってます。リズムアンドブルースにサルサなどのラテン系の要素を入れたり、カントリーの要素を入れたり、ケルトの要素を入れたい、かなり良質な作品になっていますが、惜しいかな、彼の天才的な歌唱力は老い衰えています。活動していなかった時期にも声を鍛えるなどの事はしていなかったのか、常に現役であるヴァンモリソンに比べると差が明確に出ています。

1. Once Upon A Time
2. Motorcycle Girl
3. Over The Border
4. The Secret
5. Factory Girl
6. Highway 62
7. Jazzman
8. Black And White World
9. Heaven
10. Devil Slide
11. Broken Records
12. Can't Kill The Boogieman
13. My Secret Life

年老いても、それなりに歌声に磨きがかかって、熟練した魅力が出てくるものですが、声は常に鍛えていないと衰えてきます。天才シンガーと言われてきた彼にとっては、その結果が明確に現れています。復帰してくれて嬉しい限りですし、かなりの意欲作になっています。しかし、現役を退いていた期間に使わなかった、使っていたとしても本気で歌っていなかった時期が長かったという結果が明確に歌に出ています。

かつての歌唱が素晴らしかっただけに、それが衰えているのは明確です。例えば、日本のチャーは常に現役でギターを弾いていますので、現在でも見事な演奏をしますが、パッセージに昔ほどの勢いを感じなくなっています。それは明らかに老いであり、それはいたしかたありません。若い時ほどのエネルギーはもうありませんが、普通の人が聞いた限りではわからない程度でしょう。しかし、Eric Burdonの歌声は誰が聞いても年老いているのが分かります。本人は昔のように歌っているつもりでも、怠けていた時間は取り戻せません。それならそれなりの歌い方を手に入れるのが、これからの課題かもしれません。

Once Upon A Time
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[20230607]

Lost Within The Halls Of Fame
(1998/07/14)

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95年のアルバムです。久しぶりの作品になりましたが、又しても自伝的な作品を作りたくて、以前の曲I Used To Be An Animalを再演したり、既存の曲のパロディーがあったり、語りを加えたりと、自伝的な事にこだわった内容になっています。80年代にも自伝的な映画を作ったり、さほど生きていないくせに、どんだけ自伝したいんだと思います。それだけ新しいアイデアに乏しいのでしょう。

1. I Used To Be An Animal
2. When We Were A Gang
3. American Dreams
4. Rock And Roll Shoes
5. Memories Of Anna
6. New Orleans Rap
7. I Will Be With You Again
8. Brand New Day
9. Nightrider
10. Going Back To Memphis
11. Leo's Place
12. Woman's Touch
13. Is There Another World
14. Don't Shoot Me

音楽的には80年代サウンドのようなアレンジであります。ここもアイデアに枯渇しているように感じますが、90年代になってからの録音ですから、楽器もスタジオも進化しているのでしょう。80年代の頃のようなしょぼいサウンドにはなっていません。そこは面白いところであり、助けられているところでもあると思います。アイデアが無いのなら黙っていればいいのに、たまには金を稼がないといけないのでしょう。

アニマルズを再結成するなど、金を稼ぐ方法はいくらでもあると思いますが、他のメンバーが動かなかったのか、ソロとしての経歴にすがっています。彼の歌唱力を持ってすれば、悪い作品にはなりません。アイデアが乏しくても、カバー曲でも大丈夫なんです。そのポテンシャルは保障されていますから、何も新しい発見はありませんが、いい音楽は作られています。

I Used To Be An Animal
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