69年のアルバムで、オリジナルのThe Electric Prunesにとっては最後の作品になっています。前作、前々作がメンバーが不在に近い内容だったので、このアルバムではメンバーによる楽曲をメンバーによって演奏させるという、本来の形に戻しました。Old Rock And Rollというタイトルは同時期にBlue CheerがリリースしていたNew! Improved!という作品に対比させただけで、古臭いロックンロールを演奏しているわけではありません。
1. Sell 2. 14 Year Old Funk 3. Love Grows 4. So Many People To Tell 5. Finders Keepers, Losers Weepers 6. Giant Sunhorse 7. Violent Rose 8. Thorjon 9. Silver Passion Mine 10. Tracks 11. Sing To Me
68年のアルバムです。前作同様David Axelrodが作曲した宗教音楽とロックを融合した作品になっています。プロデューサーのDavid Hassingerにバンド名のThe Electric Prunesを使用する権利があった為、バンドメンバーがほとんど参加していないにも関わらず、The Electric Prunesの作品としてリリースされています。なので、The Electric Prunesファンにとっては冒涜的な作品になっているにも関わらず、その音楽性の完成度の高さゆえに不問とされています。
1. Kol Nidre 2. Holy Are You 3. General Confessional 4. Individual Confessional 5. Our Father, Our King 6. The Adoration 7. Closing Hymn
67年のアルバムです。オリジナルメンバーでの作品としてレコーディングされた作品はこれが最後になります。プロデューサーのDavid Hassingerがあまり熱心にこのレコーディングに関わらなかった事から、メンバーは自由にレコーディングする事が出来、より彼らがやりたかった事が実現出来ました。Dr. Do-GoodとThe Great Banana Hoaxのシングルヒットもあり、そこそこの売り上げをあげました。
1. The Great Banana Hoax 2. Children Of Rain 3. Wind-Up Toys 4. Antique Doll 5. It's Not Fair 6. I Happen To Love You 7. Dr. Do-Good 8. I 9. Hideaway 10. Big City 11. Capt. Glory 12. Long Day's Flight
Gerry GoffinとCarole KingのコンビによるI Happen to Love Youがありますが、他はほとんどメンバーによって書かれたオリジナル曲になります。まだアートロックとまではいきませんが、そうした流れを予感させるような内容になっています。単なるドラッグカルチャーによるサイケデリックロックではなく、創造性としての音楽を追求した作品になっていますし、この後もそうした物を目指すようになっていきます。
アメリカは西海岸、L.A.で結成されたThe Electric Prunesの67年のデビューアルバムです。サイケデリックにもビートルズ派とストーンズ派があるのかは明確ではありません。ストーンズもビートルズに右になれ、していたに過ぎません。しかし、このバンドは明らかにストーンズ派と言っていいでしょう。ビートルズのようなポップさというより、ビートロックを強調したサイケデリックロックになっています。
1. I Had Too Much To Dream (Last Night) 2. Bangles 3. Onie 4. Are You Lovin' Me More (But Enjoying It Less) 5. Train For Tomorrow 6. Sold To The Highest Bidder 7. Get Me To The World On Time 8. About A Quarter To Nine 9. The King Is In The Counting House 10. Luvin' 11. Try Me On For Size 12. Tunerville Trolley
彼らもVox社と広告契約していたようで、Vox社のエフェクターを存分に仕えていたようです。それによってサイケデリックなサウンドメイキング、アレンジもかなり濃密に作り込まれています。ファーストアルバムとしてはかなり完成度の高い作品となっています。しかし、フリーフォームなガレージ・ミュージックというコンセプトからすると、バンドとしての自由度は少なく、メンバーは不満を抱えていました。しかし、シングルカットされたI Had Too Much to Dream (Last Night)もGet Me to the World on Timeも大ヒットして、バンドとしてはまずまずの安泰なデビューとなっています。
1. We Can All Have It Together 2. Brother I Wonder 3. Love Has Come To Me 4. Will I Know When My Time Comes 5. Two Step Tussle 6. Take Me By The Hand 7. Lady Come Softly 8. The Dawn 9. Never Gonna Go Back 10. Dear 11. Hopefully We'll All Remain Together
1. Spin, Spin, Spin 2. It's About Time 3. Blue Jack Of Diamonds 4. Electrallentando 5. At The Mountains Of Madness 6. Mobius Trip 7. High Flying Bird 8. Nothing's Boy 9. Keeper Of The Keys
1. Wayfaring Stranger 2. Let's Get Together 3. I've Been Wrong Before 4. The Drifter 5. That's The Bag I'm In 6. The White Ship 7. Country Boy & Bleeker Street 8. The Time Machine 9. That's How Much I Love You, Baby (More Or Less) 10. Gloria Patria
George Edwardsによるフォークロック的な要素と、Dave Michaels によるクラシカルな要素がサイケデリックな雰囲気をまといながら、ファーストアルバムでありながら、しっかりとバンドの個性を主張した作品に仕上げています。The Time Machineではサーカス音楽のようなアレンジで、やりたい音楽が明確で、それを実現する為の演奏力もしっかりと備わっています。最初っからベテランの貫禄を感じさせるような内容になっています。
70年のアルバムで、最後の作品となりました。最後にしてバンド名を変えるという変則技を使って、Markley, A Groupとしてリリースしましたが、正式にThe West Coast Pop Art Experimental Bandの最後の作品となっています。Bob MarkleyとベースのShaun Harrisにyいおるプロデュースになっています。完全にサイケデリックを卒業して、以前のようなフォークロックな曲を作り、レイドバックブームに寄せています。
1. Booker T & His Electric Shock 2. Next Plane To The Sun 3. Roger The Rocket Ship 4. Elegant Ellen 5. Little Ruby Rain 6. Message For Miniature 7. Sarah The Sad Spirit 8. Truck Stop 9. Zoom! Zoom! Zoom! 10. Sweet Lady Eleven 11. The Magic Cat 12. Outside / Inside
1. Where's My Daddy 2. Where Money Rules Everything 3. Hup Two! Hup Two! 4. My Dog Back Home 5. Give Me Your Lovething 6. Outside/Inside 7. Everyone's Innocent Daughter 8. Free As a Bird 9. Not One Bummer 10. Have You Met My Pet Pig 11. Coming Of Age In L.A. 12. Two People
Poor Pattyというホームレスの女の子がサマーオブラブの後のロサンゼルスを巡る彼女の旅についてのコンセプトアルバムとなっています。殴打され、レイプされ、それを起訴しようとする壮絶な物語になっていきます。フラワームーヴメント、サマーオブラブが終焉を迎えている事を予感させる内容になっています。シングカットされたFree As a Birdも素晴らしい曲に仕上がっていますが、なぜか売れませんでした。人々はまだ夢の中にいたのかもしれません。
1. Eighteen Is Over The Hill 2. In The Country 3. Ritual #1 4. Our Drummer Always Plays In The Nude 5. As The World Rises And Falls 6. Until The Poorest People Have Money To Spend 7. Watch Yourself 8. A Child's Guide To Good And Evil 9. Ritual #2 10. A Child Of A Few Hours Is Burning To Death 11. As Kind As Summer 12. Anniversary Of World War III
公表されていませんが、ジミー・ペイジはこのアルバムから結構影響を受けていると思われます。後のツェッペリンに使われるアレンジのアイデアが潜んでいるのです。セッションギタリストだったジミー・ペイジにとって、この時代の作品は大いに研究していたと思いますが、ハードロックにしろ、プログレにしろ、アートロックとサイケデリックの間に作り上げられた、彼らの最高傑作アルバムです。歴史的名盤といって差し支えありません。 Eighteen Is Over The Hill
1. In The Arena 2. Suppose They Give A War And No One Comes 3. Buddha 4. Smell Of Incense 5. Overture - WCPAEB Part II 6. Queen Nymphet 7. Unfree Child 8. Carte Blanche 9. Delicate Fawn 10. Tracy Had A Hard Day Sunday
1. Shifting Sands 2. I Won't Hurt You 3. 1906 4. Help, I'm A Rock 5. Will You Walk With Me 6. Transparent Day 7. Leiyla 8. Here's Where You Belong 9. If You Want This Love 10. 'Scuse Me, Miss Rose 11. High Coin
アメリカのバンドThe West Coast Pop Art Experimental Bandの66年のファーストアルバムです。ほぼカバー曲のみで完成された作品で、前衛的な演奏もありますが、まだサイケというよりフォークロックやビートポップバンドのようであります。メンバーはベースのShaun Harris、ギターがDanny HarrisとMichael Lloydのトリオ編成にバックボーカルでBob Markleyが加わった編成になっています。まだドラムは正式メンバーはいませんでした。
1. Something You Got 2. Work Song 3. Louie, Louie 4. Don't Break My Balloon 5. You Really Got Me 6. Don't Let Anything!!! Stand In Your Way 7. I Won't Hurt You 8. If You Want This Love 9. Insanity 10. It's All Over Now, Baby Blue 11. She Belongs To Me
Bob Markleyは石油王の養子として育ち、ロスのプレイボーイとして裕福に暮らしていましたが、ヤードバーズのようなバンドに憧れ、多額の出資をしてこのバンドに加わり、レコード契約に結びつけます。なので、まだカバー曲しかレパートリーはありませんが、バンドでのプロデュースでのデビューとなりました。当時のブームはビートルズではなく、アメリカのバーズが作り出していました。フォークロック、サイケデリックロック、ラーガロック、スペースロック、カントリーロック、時代のほとんどのブームを作り出していたのはバーズでした。勿論バーズはビートルズの影響を受けているので、元はビートルズ発信なのですが、ジャンル分けして売り出していたのはバーズです。
71年のアルバムです。当初は片面をライブ、片面をスタジオ録音の構成にする予定でしたが、最終的にライブ音源のみでの作品になりました。新曲ばかりなので、ほぼオリジナル作品の一つとしてカウントしていいと思います。バンド名はTed Nugent And The Amboy Dukesと名乗るようになり、Ted Nugentのワンマンバンドとなっています。プロデュースもTed Nugentです。
1. Survival Of The Fittest 2. Rattle My Snake 3. Mr. Jones' Hanging Party 4. Papa's Will 5. Slidin' On 6. Prodigal Man
バンドメンバーで残っているのはキーボードのAndy Solomonだけで、ドラムはK. J. Knight、ベースはRob Ruzgaになっています。四人編成でのライブレコーディングですから、ハードロックスタイルの曲ばかりですが、それでもまだまだ、構成を複雑にしようとする傾向がうかがえます。まだサイケをひきずっているのか、なかなかストレートなハードロックにはなっていません。
Andy Solomonはサックスも吹きますし、3曲でリードボーカルも担当しています。作曲は全てTed Nugentですが、Andy Solomonがいる事で、完全なワンマンバンドにはなっていないかもしれません。リードボーカルがいない事で、演奏面に重点が置かれているのも確かで、歌を中心にしていない事で、ヒット曲にも恵まれていなかったのではないでしょうか。Ted Nugentのルックスもどんどん野獣化してきています、後はサウンド面の充実を待つばかりです。
1. Marriage a. Part 1: Man b. Part 2: Woman c. Part 3: Music 2. Breast-Fed Gator 3. Get Yer Guns 4. Non-Conformist Wilderbeast Man 5. Today's Lesson (Ladies & Gentlemen) 6. Children Of The Woods 7. Brain Games Of Yesteryear 8. The Inexhaustible Quest For The Cosmic Cabbage a. Part 1 b. Part 2
69年のアルバムです。前作ほど売れませんでしたが、バンドとしてはこれまで以上に野心的に取り組んだ作品になっています。アルバムタイトル曲はTed Nugentによるインスト曲で、サイケっぽくもあり、スペースロックのようでもあり、やはり、マウンテンに影響を受けたようなオルガンアレンジがあったりと、曲の構成を複雑にしようとしています。I'm Not a Juvenile Delinquentのみがカバー曲で、後はオリジナル曲になっています。
1. Migration 2. Prodigal Man 3. For His Namesake 4. I'm Not A Juvenile Delinquent 5. Good Natured Emma 6. Inside The Outside 7. Shades Of Green And Grey 8. Curb Your Elephant 9. Loaded For Bear
1. Mississippi Murderer 2. Surrender To Your Kings 3. Flight Of The Byrd 4. Scottish Tea 5. Dr. Slingshot 6. Journey To The Center Of The Mind 7. Ivory Castles 8. Why Is A Carrot More Orange Than An Orange 9. Missionary Mary 10. Death Is Life 11. Saint Philips Friend 12. I'll Prove I'm Right 13. Conclusion
Ted Nugentは彼のトレードマークとなるフルアコのギターを弾くようになっています。ファズを多用したギタープレイはブルースプレイにより深いビブラートをかけたフレージングになっており、これは後にサイケっぽくなったTen Years After に影響を与えたと思います。当時最先端だったのはクリームのようなアドリブ主体のバンドでありましたが、それよりもポップでありながら、ブルースを感じさせながらも、サイケなハードロックを演奏しています。
1. Baby Please Don't Go 2. I Feel Free 3. Young Love 4. Psalms Of Aftermath 5. Colors 6. Let's Go Get Stoned 7. Down On Philips Escalator 8. The Lovely Lady 9. Night Time 10. It's Not True 11. Gimme Love
1. Golden Age Dreams 2. Jealousy 3. Mystery 4. Under Suspicion 5. It Gets Stronger 6. Walk On By 7. My World Is Empty Without You 8. Don't Stop Now 9. Hot Blood 10. The Stranger
何度も再結成は繰り返していますが、この時期のメンバーはCarmine Appice、Tim BogertとMark Steinのオリジナルメンバーはいますが、ギターはRon Mancusoが代役になっています。J. Toadという変名でジェフベックがJealousyとMy World Is Empty Without Youに参加しています。80年代サウンドになってしまっているので、ジェフベックのギターもしょぼい扱いです。過去の大物バンドの再結成ブームというのもありましたが、あまりにもVanilla Fudgeらしくないサウンドなので、さほど売れませんでした。
Tim Bogertは亡くなっていますが、この後も再結成を繰り返しています。その度にライブアルバムやベストアルバムはリリースされています。ツェッペリンのカバーアルバムも出していますが、オリジナル作品という事では、これが最後の作品になっています。しかし、あまりにもVanilla Fudgeらしくない作品、せっかくのCarmine Appiceのドラムも死んでいます。再結成してガッカリだったバンドになっていないでしょうか。過去のヒット曲を演奏しているライブくらしか楽しめないでしょう。
1. Need Love 2. Lord In The Country 3. I Can't Make It Alone 4. Street Walking Woman 5. Church Bells Of St. Martins 6. The Windmills Of Your Mind 7. If You Gotta Make A Fool Of Somebody
オリジナル作品とカバー曲が半々で、Carole KingのI Can't Make It Aloneや、Michel LegrandのThe Windmills of Your Mindをカバーするなど、選曲のセンスはこのバンドならではのものです。ハードロックに全く関係のない曲をハードロックに仕立てる、これこそがVanilla Fudgeが果たした偉業であり、ハードロックのノウハウを示しました、その影響を受けたのがジェフベックグループであり、ジェフェベックグループ無き後を担ったツェッペリンに引き継がれます。
69年のアルバムです。初のバンドによるプロデュースで、ギターを全面に出す事によってハードロック感が増しています。エンジニアにはEddie Kramerの名前がクレジットされています。後にアメリカンハードロックを手がけていく事になりますが、この時の経験が生かされていると思います。Junior Walker & the All StarsのShotgunをカバー、これがかなりハードな作品になっています。
1. Shotgun 2. Some Velvet Morning 3. Where Is Happiness 4. Break Song
Some Velvet MorningはNancy Sinatraのカバーです。このあたりの選曲のセンスがアメリカのバンドならではだと思います。こちらはプログレ、アートロックらしいアレンジになっていますが、ディストーションの効いたギターを全面に出している以上にTim Bogertのベースもかなりアンプで歪ませています。当時のボス的な存在だったクリームでもジャックブルースのベースは歪んでいましたが、ここまでディストーションが効いたベースは珍しかったと思います。
1. The Sky Cried - When I Was A Boy 2. Thoughts 3. Paradise 4. That's What Makes A Man 5. The Spell That Comes After 6. Faceless People 7. Season Of The Witch
1. Sketch Phase 1 2. Intro: The Beat Goes On 3. Variations on a Theme by Mozart a) Divertimento No. 13 in F Major b) Old Black Joe c) Don't Fence Me In d) 12th Street Rag e) In the Mood f) Hound Dog g) I Want to Hold Your Hand h) I Feel Fine i) Day Tripper J) She Loves You Phase 2 4. The Beat Goes On 5. Beethoven: Fur Elise / Moonlight Sonata 6. The Beat Goes On 7. The Beast Goes On Phase 3 8. Voices in Time - Neville Chamberlain, Winston Churchill, Franklin Delano Roosevelt, Harry S. Truman, John F. Kennedy and Other Voices Phase 4 9. The Beat Goes On 10. Merchant a) The Game Is Over: Vince b) The Game Is Over: Tim c) The Game Is Over: Carmine d) The Game Is Over: Mark 11. The Beat Goes On