T-REXのロックムービーです。制作はビートルズのアップルレコードで、監督は、後にアルバム『スライダー』のジャケット写真を撮影するリンゴスターです。他にエルトンジョンも参加してセッションしたり、シュールな映像を交えたウェンブリーでのコンサートが中心の映画です。それと、その映画を復活させるために、関わった人達のインタビューを含め、日本版は来日コンサートを伝える内容が加わり、二層DVD3枚組のもの凄いボリュームです。
T-REXは、マークボランとパーカッションのスティーブトゥックの二人組により、サイケデリックフォークデュオのチラノザウルスレックスが前身です。日本にはこの形態を真似たパンタ率いる頭脳警察がおりました。彼らは政治的なメッセージを発しておりましたが、T-REXはセクシャルで近未来的なメッセージを発しております。後にパーカッションがミッキーフィンに変わり、エレキギターに持ち替えて、T-REXと改名いたします。
70年代に入ると、ゲイリーグリッターがラメのジャケットをはおり、化粧をし、ロングブーツを履いてグラマラスロック、つまりグラムロックが誕生します。T-REXもこのブームに乗っかり、グラムロックのアイドルとなります。それまで、プログレ志向だったデビットボウイもこのグラムロックブームに乗っかり、スーパースターとなります。他には、スレイド、スウィート、モットザフープル、初期のロキシーミュージックなどがいました。これは後にはビジュアル系と呼ばれる流れへと連なります。
ジミーページがステージアクションや衣装をT-REXから真似したと公言している通り、まるでジミーペイジそのもののアクションでカッコいいです。この1972年は、ハードロックやプログレの名盤が次々と発表された年で、それに比べると、T-REXはテクニックは無いけれどセンスだけで成功した稀な存在です。元祖下手うまなのです。これがきっかけで、テクニックに頼らない若者達がパンクロックを生み出していきます。複雑な曲のデビットボウイに比べ、似たようなコード進行ばかりのT-REXですが、魅力はその歌詞でしょう。チャックベリーのようにその言い回しが独特で、英語の文法しか勉強していない人には理解不能です。
マークボランはセックスシンボルであり、アイドルであり、ロックスターであり、スーパースターであり、カリスマであります。全ての形容詞で讃えて然るべき存在なのです。当時の熱狂といったら前代未聞だったのです。しかし、30歳を前に自動車事故で天に召されます。Get It On Bang A gong!!
Born To Boogie
Jeepster
Chilidren Of The Revolution
Spaceball Ricoche
Telegram Sam
Cosmic Dancer
Hot Love
Get It On
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